「わらって~。ほら、撮るよっ」
 カシャっ!
 「う~ん、かわいい~~~~。もう一枚いくよー」
 ここはよんた藩国のゆきしずく荘。
 季節はもう冬まっさかり、12月も半ばをすぎてクリスマスももう近い。
 外は一面真っ白い雪に覆われて、北国人の国らしい銀世界。
 一方、暖房をがんがんに焚き外の寒さもなんのその。汗かくほどに子供達が跳ね回る室内ではメードがきゃっきゃしながら悪ガキどもの写真をとりまくっている。
 クリスマスにあたり、普段藩国のために身を粉にして働く警察に何か慰労はできないか?と考えた藩王以下で結果、彼らが助けたこのゆきしずく荘の子供達の元気そうな姿をおくってみてはどうか?という案が提案され、いいんじゃない?と採用、早速子守をしているメードたちに連絡を取り写真を撮ってもらうことになった。
 カメラは藩国で偵察兵をやっていた経験のあるメードが持っていたのでそれを使用。
 デジカメではなく銀塩カメラなのはこだわりらしい。
 本人いわく、デジタルでもいいけど出来上がったときの味が違うとのことだ。
 軍用として考えると銀塩だと画像の改変がしにくくより正確なデータとなり、雨、雪、泥、はては銃弾も食らうこともある偵察兵という職種においては、精密機械の粋となったデジカメよりは機能的には劣るがまずは動作することが重要であり、写真そのものは腕でカバーすればいいというのもあるので使っていたというのもあるのだが。(ただその代わり、フィルムは常にストックしている必要はあるし、現像前に感光させたらアウトだったり、撮ってすぐ画像を確認したりもできないのでそれはそれで大変だったりもする。)
 細かい機能を排除し頑丈さに特化した無骨な一眼レフを持ってきゃっきゃするメードさん。
 女の子が持つにはあまりにも似合わないが、的確にシャッターチャンスをねらっているのは昔とった杵柄といったところだろうか。
 「いいよぅ、いいよぅ。もうちょっと寄って、そうそうそうそう!」
 ぱしゃぱしゃ切られていくシャッター。
 と、そこにその背後にそろそろとあちこち擦り傷だらけでいかにも元気小僧といた風体の男の子が近付いてきた。
 手にはメードの予備カメラ、こちらはワンタッチですむお手軽なタイプのデジカメが握られている。
 周囲にしーっとサインを送りメードによっていく。
 彼女は久々に写真が撮れた上にやっべーカワイイハァハァと脳内にヘンな汁出していたため、背後の危機に気がついていない。
 1m、50cm、10cm・・・・・・。
 抜き足差し足接近する男の子。
 そしてメードの隙を見計らって、彼女のスカートの裾をつかみ一気にめくり上げた!!
 「ねーちゃんのぱんつげーーーーっと!!!」
 勢いよく切られるデジカメのシャッター。
 激写、激写。
 硬直するメードさん。
 おまえすげえなっ!と少年を取り囲んでおお~と騒ぐ男子たち。
 「もうちょっと色気のあるのにしろよなあ。いくらカレシいないからってさ」
 と下着について熱くうんうんと語っていると・・・・・・。
 その後ろには鬼がいた。
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴとSEつきで炎を背景にしょってそうな感じで。
 「ちょっ~と頭冷やそうか・・・・・・」
 あまりの迫力に逃げることも忘れて固まる少年。
 彼の周りにいた連中はいつの間にか蜘蛛の子を散らしたように逃げ去っている。
 そのままむんずとメードさんにつかまれて引きずられていった。

 小一時間後。

 尻を真っ赤に腫らして、「もうスカートはめくりません」とプラカードつけて正座させられてる男子がいたそうな・・・・・。
 なお、件のデジカメのデータは即刻消去された。
 今日もゆきしずく荘は悪ガキたちのにぎやかな声が響いている。
 願わくばここに住む少年少女たちが元気であるように。

文責よんた