食品加工技術向上計画


よんた藩国はNW立国以来、食糧生産を続けていたが、NW随一の生産国と呼ばれるまでになった今現在にいたり、ある問題を解決しようとしていた。
食品加工技術の向上である。
食料生産量が大量の輸出に耐えられるほどに増え、その取引も活発になった。そこからさらなる向上を目指すならば、食品の品質保存、有効利用、安定供給の確立は必須となる。
そこで藩国はいままで小規模であった食品加工に力をいれ、加工して付加価値を加えた食品の販売を強化することとした。
まず、行われたのは食品加工工場群の建設である。
場所は港湾地区が選ばれた。藩国の名産でもあるイカ、カニなどの豊富な海産物を漁港から直行で鮮度の高い内に加工するためである。
またこの地区ならば藩国の穀倉地帯にも近いというのもあった。
そこで、加工工場をこの地区に集積し更に海運を利用して大規模な輸送を行おうという試みである。
また輸送には海運のほかに、鉄道、トラックなどの陸運も用いられ、ここで生産され、輸送される食糧は帝國ひいてはNW全土へ届けられるのだ。
そして、本計画は土建業、食品加工業のてこ入れと活性など雇用の面でも期待がされている。


加工食品の例

イカの沖漬け(冷凍)
藩国の海で獲れた新鮮なイカを獲ってすぐに丸のまま醤油、酒などを混合したタレに漬け込んだ品。
地元ではそのまま食されることもあるが、製品としてはその後冷凍し、冷凍食品として発送されている。
酒の肴、ご飯の友として愛される一品。東国の酒とよく合うようだ。
なお、あまり解凍せずに凍ったままで食してもよい。その場合は冷やされることでイカ独特のクセが和らぎ、凍って固まっているため箸でつかんで食べやすいという。

カニ身の缶詰
藩国の海産物の中でも特に美味とされるカニを水揚げ後すぐ茹でて身をほぐし缶に詰めた品。
産地で冷凍処理を行わず加工するためフレッシュなカニの味を堪能できる。
また、別商品としてカニミソの缶詰もあり、こちらは珍味として好まれた。
これらの缶詰は詰め合わせとして贈呈用にも使われることがある。

ソーセージ
焼肉横丁でも使われている豚肉を添加物を一切使わずに羊腸に詰めスモークした品
バリエーションとして、血や内臓を詰めた物やハーブを混ぜた物、スパイスを効かせた物など様々な種類がある。
なお、焼きに向いたソーセージは一口かめば肉汁がはじけ飛ぶほどジューシで、焼肉横丁でも提供され食べることが可能。
これらにはビールやバーボンなどがよく合う。

干し椎茸
藩国で大量に取れるキノコの中にある椎茸を乾燥させ保存性を上げた品
乾燥法には日光によって乾燥させる自然乾燥と人工的な熱源をつかった人工乾燥の2つの手法を併用している。
まず、生の椎茸を人工乾燥により高温乾燥させ旨味や香りを凝縮させた後、天日で干すことで栄養価を高めるといった具合だ。
使い方としては水で戻して煮物に使うもよし、八宝菜などに入れてもよし、佃煮にしてもよし、濃厚な旨味が出た戻し汁を出汁に使うもよしなど便利な一品。


軍事面での関わり

技術の向上は経済面のほか兵士の携帯食糧や兵站輸送など軍事面に置いても期待がされていた。
軍務についている時の食事は兵士の士気に影響し、加工の結果、輸送が簡易になれば輸送効率が上がり、それだけ兵站は磐石になる。
よって、味と高栄養価を両立を目指した携帯食や火を使わずに水を入れるだけで温食がとれる発熱剤付きレトルト食品などの開発にも力を入れた。
これらの技術は民間にもフィードバックされ、非常食やインスタント食品の技術向上にも役立てられることになる。


最後に

この計画とそれに付随する建設計画、技術開発は食糧生産の源である自然環境に可能な限り配慮した形で行うこととした。
また、技術も目新しければ良いというわけではない。先人の知恵に学び、良きところは取り入れ守り、または発展させることが基本である。
技術は制御できてこそ意味がある。過度な進歩は害こそあれメリットは少ないのだから。
#TLO抑制のための一文です。
最終更新:2011年09月29日 23:16