少年は声を荒げる。
「食べ物をもっと!」
かくたは、尋ねた。
「この難民キャンプに乳飲み子が何人いるかご存じですか?」
「…うちに一人と叔母さんの所に二人。それに…」
「倉庫に乾パンは二千万缶ありますが、おしめは一枚もありません」
皇帝に報告した数字をあげる。
「ほ乳瓶は開封されず一番奥に詰まっています。粉ミルクは毎日十万缶ずつ消費期限切れです」
少年のまなじりがつり上がる。
「何をやってるんだ!」
「だから猫の手を借りに来ました」
かくたは、笑いかけ抱えていた箱を渡す。
少年が開けるとペンとメモ帳が数ダースずつ。
「先ず君の友達全員に配りなさい」
目を丸くした少年に指示する。
「そして乳飲み子が何人いるかを数えるんです。その次は倉庫の荷物を調べ直します」
少年の瞳にいつか輝いていた光が戻る。
「メモ帳が一杯になったら私の所へ。新しいのと、よんた饅を差し上げましょう」
いくつ必要かな? かくたは、頭の中の算盤を弾き始めた。

(398文字。文責、かくた)