「第3部」(2007/04/05 (木) 17:33:56) の最新版変更点
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504 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:00:24.45 ID:KShwnxl10
◇◇◇
そういえば、食事らしい食事といえば、ここ2日間のうちに朝のスープとパンしか
とっていなかったことを思い出した。
苦しいかといわれればまだいくらか耐えられるのだが、
このまま戦闘にもつれ込むのは避けたい状況ではある。
夕食までにはなんとか機嫌を直してもらいたいものだ。
「…むぅ」
「どうしました?」
短めの黒髪に白いカチューシャ、装飾過多気味の給仕服を着た少女が話しかけてきた。
「君は…?」
「私、ここでお手伝いをしているシエスタといいます。
もしかして…あなたが、ミズ・ヴァリエールの使い魔になったっていう…」
「知っているのか?」
「えぇ、なんでも召喚の魔法で平民を呼んでしまったって、噂になってますよ」
噂になっているのか、よほど人間の使い魔というのは珍しいのだろう。
506 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:01:27.43 ID:KShwnxl10
「君は、見たところ給仕のようだが…魔法使いか?」
「いいえ、私はアナタと同じ平民です。貴族の方をお世話するために、ここで
ご奉仕させていただいているんです」
なるほど。平民―――普通の人間でもこういった仕事はできるからな。
むしろ貴族という人種こそこういうことはしないだろう。
「挨拶が遅れたな。俺はソウスケ・サガラだ」
と挨拶をしたところで、迂闊にも腹の虫が鳴ってしまった。
「あの、おなか…空いてるんですか?」
「食事を抜かれてしまった。」
「でしたら、こちらにいらしてください」
言われるままに案内される。この時点でここは基本的に安全な場所であるとわかり、
警戒する心はなくなっていた。
やはり、学校とはこういうものなのだろう。
案内された厨房では、シエスタによって運ばれた従業員の賄い食を貰った。
それは賄いではあって、食堂の食事とは確かにまるで材料や見栄えが
劣るものであっただろうが、その味は千鳥と比べられるほどのものだった。
コックとシエスタに感謝を述べると、
507 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:01:49.83 ID:KShwnxl10
「お腹が空いたら、またきてください。
私達が食べているものでしたら、いつでもお出しできますから」
と言われた。心強い。
千鳥の作ってくれる料理で学んだのだが、美味しい食事は
栄養などを度外視した精神的な充足をもたらすことができる。
まったく知らない知で得体の知れない敵と戦い帰還するには、
この場はひどくありがたく思えた。
「…しかし、与えられてばかりでは申し訳が無い。
今後も利用させてもらいたいと思うんだが、
かわりに、俺に何かできることは無いか?」
「えっと、じゃあ デザートを運ぶのを手伝っていただいてもよろしいですか?」
「了解した。」
◇◇◇
526 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:29:57.32 ID:KShwnxl10
◇◇◇
パンッ
「その香水があなたのポケットから出てきたのが何よりの証拠です!!さようなら!」
ギーシュ様、と呼ばれた金髪の少年の頬に平手打ちを浴びせ、
少女は泣きながら走り去っていった。
ここまでの経緯を説明すると、
シエスタの手伝いでデザートを配っていたところ、ギーシュのポケットから小瓶が落ち
るのを発見。拾い上げて「落し物だ」と言ったところ、よくはわからないが、
なんらかのいざこざが起き、ギーシュの隣に居た少女が浮気を悟ったらしい。
そして今、ギーシュとやらはつかつかと肩を張って詰め寄った少女に言い訳をしている。
「モンモランシー!誤解だ!僕はただ彼女と一緒にラ・ロシェールの森へ遠乗りをした
だけで…」
明らかに動揺している。頬を伝う冷や汗が見て取れた。
「やっぱり…あの1年生に手を出していたのね…!」
モンランシー?は両肩をふるふると怒りに震わせている。
527 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:31:37.94 ID:KShwnxl10
「お願いだよ『香水』のモンモランシー!薔薇のようなその顔を怒りに…」
そこまで言ったところで、先程拾った小瓶が空けられ、その中身がギーシュの
頭にどぼどぼと全て降り注がれた。
「うそつきっ!!」
『香水』のモンモランシーは全力で走り去る。なるほど。痴話喧嘩だったのか。
横目に見つつ、配っていたデザートが無くなり、シエスタのところへ戻ろうと
したが、ギーシュに呼び止められた。
「待ちたまえ」
「何か用か?」
ギーシュはハンカチで顔を拭いながら肩に手をかけてくる。
一瞬払いのけようかとも思ったが、問題を起こすのはよくないかもしれない。
そして強いにおいが鼻を刺激する。…なるほど、さっきの小瓶は
香水だったのか。
「君が軽率にも香水のビンなど拾い上げたせいで、2人のレディの名誉が傷ついた。
いったいどうしてくれるんだね? 平民 」
「俺の知っているレディとやらはこう言うだろう。
そんなの私の知った事か(アーイドンギヴァファック)!」
ギーシュの周囲の生徒達がどっと沸いた。
「そのとおりだー」「もっと言ってやれー!」
528 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:32:18.92 ID:KShwnxl10
「どうやら、貴族に対する礼儀を知らないようだな…
ゼロのルイズの使い魔は…頭の中もゼロらしい」
「生憎、俺はただの雇われの傭兵だからな。…ゼロの傭兵だ」
「…よかろう。腹ごなしにちょうどいい。君の礼儀というものを教えてやろう」
「おもしろい」
ギーシュは手に持っていた薔薇の造花を、びしっとこちらに向けた。
ルイズの爆発を見る限り、これはすでに攻撃の予備動作!
魔法の詠唱がどの程度の時間かは知らないが、射線から外れなければ!
瞬時に直感してギーシュの後ろを取る。
531 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:33:16.47 ID:KShwnxl10
「貴族の食卓を血で汚すことは出来ない。広場に出たま……え?」
反応が遅い。
やれる。
そう確信した瞬間には完全にヘッドロックが決まっていた。
頚動脈を締め、一瞬で意識を刈り取る。
ギーシュは「きゅぅ…」と言いながら崩れ落ちた。
「……なんだ、礼儀を教えてくれるのではなかったのか」
ものすごく遠くからルイズのムチが飛んできた。
何か懐かしいものを感じつつ、受身も取れずに直撃した頭をさすった。
「なぜだ。」
◇◇◇
582 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:56:01.89 ID:KShwnxl10
◇◇◇
ギーシュは保健室に運ばれていったらしい。何人かの生徒がガッツポーズを
していたのと、ギーシュの身体が1m程度の高さに浮かんだまま運ばれ
ていったのが印象に残った。
「あっ、あんた!なにやってんのよ!!貴族にケンカ売るなんて!」
「売ってきたのは向こうだ。俺は丁重に扱ったに過ぎん」
「だかららって何も首絞めて気絶させることないでしょ!?
きっと怨まれちゃったわ…
一緒に保健室に行って謝ってきなさいよ」
「なに、傭兵のキャンプではよくあることだ。問題ない。」
「あるのよ!貴族っていうのはプライドがあるわ。
そのプライドを傷つけられたら、忘れないもの。」
「なに、また返り討ちにしてやればいい。
あの程度、たいしたことは無い。」
しかし、闇討ちなどの可能性や徒党を組んで襲われるとなると
多少やっかいかもしれないな。帰還のための調査にも支障を
きたす可能性がある。何より集団の魔法使いがどのような
戦いをするのかまるで想像がつかん…
585 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:56:35.23 ID:KShwnxl10
そのとき、廊下で話をしていた俺とルイズを見つけ、
さきほどギーシュの周りにいた男子生徒が駆け寄ってくる。
「おいルイズ!あと使い魔!
今ギーシュが回復してもらって、使い魔の方をぶちのめすって
広場に向かったぞ!
使い魔に決闘を申し込むって!」
息も荒く、むしろ新しい刺激に喜ぶようなそぶりで伝える男子生徒。
なるほど、やつは広場か。
この際だ。徹底的に負かすか敵の戦力を測るいい機会だろう。
「……そんなっ!
決闘は禁止されてるはずじゃ…!」
「それは貴族同士の決闘だろ?
使い魔は貴族じゃないから禁止じゃないんだ」
「なるほど。それで、広場はどっちだ?」
「やめなさいよ!あんた、本気の貴族を知らないのよ!
さっきは勝てただろうけど、今度こそ殺されるわよ!?」
ルイズは本格的に必死で腕をつかんでいる。
だが、それでこそ戦う理由になる。本気の魔法使いが1人。
この世界での自分の戦力を測るいいチャンスだ。
重要なのは自身の強さではない。敵との戦力比を正確に測ることが
重要なのだ。
588 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:57:06.94 ID:KShwnxl10
「いや、行く。奴はご主人をも馬鹿にし、辱めた。
俺が使い魔である以上、男である以上、行く理由には十分だ」
「っ!でもっ……!
それ、なら、命令するわ。やめなさい。私を主人と思うなら。
みすみす使い魔を死なせるわけにはいかないもの。メイジとして。」
592 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:58:04.49 ID:KShwnxl10
「…了解だ。部屋に戻ろう。」
「へ?」
「了解したと言った。主人の命令なら仕方ない。
それに無理に戦う理由も無い。」
本当は無くもないのだが、ギーシュよりもルイズの協力のほうが大事だ。
それに、初日からあまり大事になるのもまずいだろう。
「え、あ…いいの?」
「問題ない。君、ギーシュには行かないと伝えてくれ」
「え…うん。伝えとく」
596 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:58:34.72 ID:KShwnxl10
「うむ。平和だ。」
「まぁ、よかったわ…」
「さぁこい使い魔……このボクが全力を持って虫けらの如く叩き潰してやる。
この『青銅』のギーシュが!!
さぁ、見ててくれレディー達!ボクの勇姿を!
それにしても遅いな。まさか…怖気づいて逃げたんじゃあるまいな。
先程は油断しただけだ。いや油断すらしていない。
このボクはあの場を汚すことを避けた紳士!そうジェントルマン!!
つまり(ry」
◇◇◇
IDと名前変わって[[第4部]]
504 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:00:24.45 ID:KShwnxl10
◇◇◇
そういえば、食事らしい食事といえば、ここ2日間のうちに朝のスープとパンしか
とっていなかったことを思い出した。
苦しいかといわれればまだいくらか耐えられるのだが、
このまま戦闘にもつれ込むのは避けたい状況ではある。
夕食までにはなんとか機嫌を直してもらいたいものだ。
「…むぅ」
「どうしました?」
短めの黒髪に白いカチューシャ、装飾過多気味の給仕服を着た少女が話しかけてきた。
「君は…?」
「私、ここでお手伝いをしているシエスタといいます。
もしかして…あなたが、ミズ・ヴァリエールの使い魔になったっていう…」
「知っているのか?」
「えぇ、なんでも召喚の魔法で平民を呼んでしまったって、噂になってますよ」
噂になっているのか、よほど人間の使い魔というのは珍しいのだろう。
506 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:01:27.43 ID:KShwnxl10
「君は、見たところ給仕のようだが…魔法使いか?」
「いいえ、私はアナタと同じ平民です。貴族の方をお世話するために、ここで
ご奉仕させていただいているんです」
なるほど。平民―――普通の人間でもこういった仕事はできるからな。
むしろ貴族という人種こそこういうことはしないだろう。
「挨拶が遅れたな。俺はソウスケ・サガラだ」
と挨拶をしたところで、迂闊にも腹の虫が鳴ってしまった。
「あの、おなか…空いてるんですか?」
「食事を抜かれてしまった。」
「でしたら、こちらにいらしてください」
言われるままに案内される。この時点でここは基本的に安全な場所であるとわかり、
警戒する心はなくなっていた。
やはり、学校とはこういうものなのだろう。
案内された厨房では、シエスタによって運ばれた従業員の賄い食を貰った。
それは賄いではあって、食堂の食事とは確かにまるで材料や見栄えが
劣るものであっただろうが、その味は千鳥と比べられるほどのものだった。
コックとシエスタに感謝を述べると、
507 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:01:49.83 ID:KShwnxl10
「お腹が空いたら、またきてください。
私達が食べているものでしたら、いつでもお出しできますから」
と言われた。心強い。
千鳥の作ってくれる料理で学んだのだが、美味しい食事は
栄養などを度外視した精神的な充足をもたらすことができる。
まったく知らない知で得体の知れない敵と戦い帰還するには、
この場はひどくありがたく思えた。
「…しかし、与えられてばかりでは申し訳が無い。
今後も利用させてもらいたいと思うんだが、
かわりに、俺に何かできることは無いか?」
「えっと、じゃあ デザートを運ぶのを手伝っていただいてもよろしいですか?」
「了解した。」
◇◇◇
526 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:29:57.32 ID:KShwnxl10
◇◇◇
パンッ
「その香水があなたのポケットから出てきたのが何よりの証拠です!!さようなら!」
ギーシュ様、と呼ばれた金髪の少年の頬に平手打ちを浴びせ、
少女は泣きながら走り去っていった。
ここまでの経緯を説明すると、
シエスタの手伝いでデザートを配っていたところ、ギーシュのポケットから小瓶が落ち
るのを発見。拾い上げて「落し物だ」と言ったところ、よくはわからないが、
なんらかのいざこざが起き、ギーシュの隣に居た少女が浮気を悟ったらしい。
そして今、ギーシュとやらはつかつかと肩を張って詰め寄った少女に言い訳をしている。
「モンモランシー!誤解だ!僕はただ彼女と一緒にラ・ロシェールの森へ遠乗りをした
だけで…」
明らかに動揺している。頬を伝う冷や汗が見て取れた。
「やっぱり…あの1年生に手を出していたのね…!」
モンランシー?は両肩をふるふると怒りに震わせている。
527 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:31:37.94 ID:KShwnxl10
「お願いだよ『香水』のモンモランシー!薔薇のようなその顔を怒りに…」
そこまで言ったところで、先程拾った小瓶が空けられ、その中身がギーシュの
頭にどぼどぼと全て降り注がれた。
「うそつきっ!!」
『香水』のモンモランシーは全力で走り去る。なるほど。痴話喧嘩だったのか。
横目に見つつ、配っていたデザートが無くなり、シエスタのところへ戻ろうと
したが、ギーシュに呼び止められた。
「待ちたまえ」
「何か用か?」
ギーシュはハンカチで顔を拭いながら肩に手をかけてくる。
一瞬払いのけようかとも思ったが、問題を起こすのはよくないかもしれない。
そして強いにおいが鼻を刺激する。…なるほど、さっきの小瓶は
香水だったのか。
「君が軽率にも香水のビンなど拾い上げたせいで、2人のレディの名誉が傷ついた。
いったいどうしてくれるんだね? 平民 」
「俺の知っているレディとやらはこう言うだろう。
そんなの私の知った事か(アーイドンギヴァファック)!」
ギーシュの周囲の生徒達がどっと沸いた。
「そのとおりだー」「もっと言ってやれー!」
528 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:32:18.92 ID:KShwnxl10
「どうやら、貴族に対する礼儀を知らないようだな…
ゼロのルイズの使い魔は…頭の中もゼロらしい」
「生憎、俺はただの雇われの傭兵だからな。…ゼロの傭兵だ」
「…よかろう。腹ごなしにちょうどいい。君の礼儀というものを教えてやろう」
「おもしろい」
ギーシュは手に持っていた薔薇の造花を、びしっとこちらに向けた。
ルイズの爆発を見る限り、これはすでに攻撃の予備動作!
魔法の詠唱がどの程度の時間かは知らないが、射線から外れなければ!
瞬時に直感してギーシュの後ろを取る。
531 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:33:16.47 ID:KShwnxl10
「貴族の食卓を血で汚すことは出来ない。広場に出たま……え?」
反応が遅い。
やれる。
そう確信した瞬間には完全にヘッドロックが決まっていた。
頚動脈を締め、一瞬で意識を刈り取る。
ギーシュは「きゅぅ…」と言いながら崩れ落ちた。
「……なんだ、礼儀を教えてくれるのではなかったのか」
ものすごく遠くからルイズのムチが飛んできた。
何か懐かしいものを感じつつ、受身も取れずに直撃した頭をさすった。
「なぜだ。」
◇◇◇
582 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:56:01.89 ID:KShwnxl10
◇◇◇
ギーシュは保健室に運ばれていったらしい。何人かの生徒がガッツポーズを
していたのと、ギーシュの身体が1m程度の高さに浮かんだまま運ばれ
ていったのが印象に残った。
「あっ、あんた!なにやってんのよ!!貴族にケンカ売るなんて!」
「売ってきたのは向こうだ。俺は丁重に扱ったに過ぎん」
「だかららって何も首絞めて気絶させることないでしょ!?
きっと怨まれちゃったわ…
一緒に保健室に行って謝ってきなさいよ」
「なに、傭兵のキャンプではよくあることだ。問題ない。」
「あるのよ!貴族っていうのはプライドがあるわ。
そのプライドを傷つけられたら、忘れないもの。」
「なに、また返り討ちにしてやればいい。
あの程度、たいしたことは無い。」
しかし、闇討ちなどの可能性や徒党を組んで襲われるとなると
多少やっかいかもしれないな。帰還のための調査にも支障を
きたす可能性がある。何より集団の魔法使いがどのような
戦いをするのかまるで想像がつかん…
585 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:56:35.23 ID:KShwnxl10
そのとき、廊下で話をしていた俺とルイズを見つけ、
さきほどギーシュの周りにいた男子生徒が駆け寄ってくる。
「おいルイズ!あと使い魔!
今ギーシュが回復してもらって、使い魔の方をぶちのめすって
広場に向かったぞ!
使い魔に決闘を申し込むって!」
息も荒く、むしろ新しい刺激に喜ぶようなそぶりで伝える男子生徒。
なるほど、やつは広場か。
この際だ。徹底的に負かすか敵の戦力を測るいい機会だろう。
「……そんなっ!
決闘は禁止されてるはずじゃ…!」
「それは貴族同士の決闘だろ?
使い魔は貴族じゃないから禁止じゃないんだ」
「なるほど。それで、広場はどっちだ?」
「やめなさいよ!あんた、本気の貴族を知らないのよ!
さっきは勝てただろうけど、今度こそ殺されるわよ!?」
ルイズは本格的に必死で腕をつかんでいる。
だが、それでこそ戦う理由になる。本気の魔法使いが1人。
この世界での自分の戦力を測るいいチャンスだ。
重要なのは自身の強さではない。敵との戦力比を正確に測ることが
重要なのだ。
588 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:57:06.94 ID:KShwnxl10
「いや、行く。奴はご主人をも馬鹿にし、辱めた。
俺が使い魔である以上、男である以上、行く理由には十分だ」
「っ!でもっ……!
それ、なら、命令するわ。やめなさい。私を主人と思うなら。
みすみす使い魔を死なせるわけにはいかないもの。メイジとして。」
592 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:58:04.49 ID:KShwnxl10
「…了解だ。部屋に戻ろう。」
「へ?」
「了解したと言った。主人の命令なら仕方ない。
それに無理に戦う理由も無い。」
本当は無くもないのだが、ギーシュよりもルイズの協力のほうが大事だ。
それに、初日からあまり大事になるのもまずいだろう。
「え、あ…いいの?」
「問題ない。君、ギーシュには行かないと伝えてくれ」
「え…うん。伝えとく」
596 名前: わさび栽培(catv?) 投稿日: 2007/04/04(水) 23:58:34.72 ID:KShwnxl10
「うむ。平和だ。」
「まぁ、よかったわ…」
「さぁこい使い魔……このボクが全力を持って虫けらの如く叩き潰してやる。
この『青銅』のギーシュが!!
さぁ、見ててくれレディー達!ボクの勇姿を!
それにしても遅いな。まさか…怖気づいて逃げたんじゃあるまいな。
先程は油断しただけだ。いや油断すらしていない。
このボクはあの場を汚すことを避けた紳士!そうジェントルマン!!
つまり(ry」
◇◇◇
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