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第5部


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840 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 03:25:59.27 ID:FhggKygW0
◇◇◇


ルイズの調達した毛布に包まりながら寝ていたのだが。
瞬間、扉に忍び寄る気配、そして足音を感知し思考を切り替える。
敵だ…… 足音を忍ばせている以上文句は言わせん。
グロックのセーフティを外し、ナイフを抜き放つ。

…カチャ

開いた。敵だ…
入ってくる瞬間にこちらで踏み込む。3…2…

「なっ…」
きゅるきゅると人懐っこく鳴くその爬虫類は…

そうだ、キュルケの使い魔の……フレイム。
この数日間でキュルケがクラスメートでありルイズとはいわゆる腐れ縁であることは
わかっていたので、一応飛び掛るのをやめる。それに怖い。

「お前は、何をしにきたんだ…?」
言葉がわかるのかはわからないが、一応使い魔という使役されるもの同士で
伝わるものがあるのではないかと話しかけてみる。
だがフレイムはわかっているのかわかっていないのかきゅるきゅると頭をこすりつけ
てくるだけ… なんなんだ?

841 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 03:26:43.90 ID:FhggKygW0

「……ふ…ふもっふ、ふんもふも、ふんもっふ。…ふもふも?」

きゅるきゅる!
突然服の裾にを噛んで引っ張りだした。おい、どういうことだ、通じたのか?
どうやら俺を部屋の外へ向かわせたいようだ。
一瞬ルイズの寝ているベットを横目に逡巡したが、
魔法学院なのだ。問題あるまいというここ数日、と陣代高校で培われた日々が
俺に油断を許した。

フレイムは廊下に出ると裾から口を放し、きゅるきゅると鳴きながら
歩き出す。数歩進んでこちらを振り返り、また鳴いて進む。
恐らく、ついてこいということだと判断し、後を追うと、
扉の開いた部屋の前に案内される。

「……ここに入れというのか?」

フレイムは何も言わずに扉の横でじっとこちらを見つめている。

「……ふ…ふもっふ、ふも?」
きゅるる、きゅる。


842 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 03:27:09.07 ID:FhggKygW0

部屋の中にはロウソクが灯っていた。視界が悪いが、気配はひとつ。
目の前のベットと思しき場所に人影がある。

「誰だ」
「ふふ…ここは誰の部屋だと思って?」

ここはキュルケの部屋だ。そしてこの声はキュルケで、少し光を増したロウソクの
炎に照らされた肢体はキュルケそのものだった。

「何の用だ…?」
「わかっているんじゃなくって?
 そんなところに立ってないで、こちらへいらっしゃいな…」

すくなくともキュルケがひどく薄着であることは理解できた。
ルイズが寝る時に着ている透けた服と似ている。

「いや、ここでかまわん。用がないなら帰るぞ。
 俺には明日の洗濯物という任務がある」

「いいじゃないの。そんなの放っておいて。
 私は、あなたとお話がしたいと思って… さ、どうぞ」

「いや、俺は。 む、おいやめろ…
 ……むぅ」
フレイムに押されるままにキュルケの元へと案内される。尻が熱いやめろ!

843 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 03:27:34.75 ID:FhggKygW0

「それで、何が言いたい…?」

「んんぅ、つれないのね…
 昼に、あなたギーシュを倒したでしょ?
 しびれちゃったわ。平民が貴族を倒したのよ。ものともせず。
 それってすごいことだわ」

「大したことではない。俺の仲間なら皆あの程度やってのける」
ギーシュが弱いのだ。アレは奇策であって戦いの専門家には問題にすらならない。

「それでも、あなたが凄いことに代わりは無いわ…
 わかる?『情熱』が『微熱』であるように、
 あたしの心が恋という炎で燃え上がったの…」

胸元に滑らかで細い褐色の指が入り込んでくる。まずい。これは…非常にまずい。

「やっ、やめろ…!用がないなら俺は……」
そこまで言ったところで、不意に体重をかけられキュルケはしな垂れかかる様に
ベットに押し倒してきた。

「いい?聴いてくださる?
 あたし、あなたに恋してるの。わかる? ねぇ…」

キュルケの人差し指が胸元に円を描く。
その少し下にはさらになんとも言いがたい丸いなにかの感触がある。
いいいっ、いかんこれは…っ!

844 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 03:28:15.82 ID:FhggKygW0

「おっ、俺はっ…!!」

「……何、やってるの……?」

「ルイズ!?」
「ご主人!?」

ルイズがその手に持った乗馬用の短鞭の先をもう一方の手でもてあそびながら、
扉の前に仁王立ちしている。

「ルイズ!助けてくれ!!」
「ウルサイ立て!! こっちにきなさい!!」
びしぃっと床を打って威嚇の音を立てる。

「サー!イエッサー!!」

無意識に身体が反応し、跳ね起きた俺はルイズの横で気をつけの姿勢を取った。

「帰るわよ…」
「アイ…マム…!」
何かまずい。俺はこんなときに、本気で怒った千鳥の顔と、
酔って擦り寄ってきたときの大佐殿を思い出していた。


◇◇◇

868 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 04:14:31.41 ID:FhggKygW0
◇◇◇


「で、あんたはいったい何してたの…?」

「はっ!順を追って報告します…!
 まず夜分に扉の外で物音が…」
「そういうことじゃないの!!」
びしっと床を叩く。その音に怯えたのではなく、その気迫に圧され、萎縮した。

「あんたは!こんな夜に!キュルケのところで!何をしていたのかっ!

 言 っ て み な さ い !!」
「はっ!じ、自分はっ 彼女の部屋になし崩し的に連れ込まれ、
 勧誘を受けておりました!!」

「ほおおぉぉぉぅ…… って、勧…誘?」
ルイズは調子が外れたように一転気迫を散らし、聞いてきた。

「肯定です!我が主!
 キュルケは、ギーシュを倒した際の自分の手腕に目をつけ、
 『来い』と言いました!
 『炎を灯せ。心を燃やせ』というような
 鼓舞する内容もあったと記憶しております!」
間違いはないはずだ。この内容で俺を誘った。
俺は…たしかに、動揺こそしていたが、決して屈しはしなかった。
肯定の意志も持たなかった…。

869 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 04:14:56.71 ID:FhggKygW0

「むぅ… キュルケらしくない…
 けど、ソースケは嘘吐かないし…」

ルイズは迷っているようだ。
恐らく、俺と彼女のどちらを信じるか…にあたる内容なのだろうが、

これは僅かであれ試練となるな。

今後の…そう、帰還するための協力を仰ぐ時にお互いの信頼は欠かせない。
この数日で確信した。使い魔として信用を築き、この少女の手助けを借りるのが
恐らく一番の近道であると。

「……わかった、わ。
 信じてあげるわよ。

 あんたは嘘を言わない。だから。」

「ありがとう。感謝する」

「別に、ああ、あんたのためじゃないわ。
 ただ客観的に、そう客観的に考えて信用できるほうを選んだだけだもの!」

「あぁ、それでも… 感謝する」


870 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 04:15:22.39 ID:FhggKygW0

「で、どうだったの?」
「何がだ?」
「きゅっ、キュルケの身体…見たんでしょ?」
「……? うっすらとだが視認できた」
いったい何を聞きたいのだ?よくわからん。
うっすらと頬を朱に染めてつめよってくるルイズ。

「だ、だか ら…… 私と比べ……いやいやなんでもないわ!
 キュルケの身体、すごかったんでしょ?」

「いや、さして驚異には感じなかったが?」

「えっ、あっ…なんで?」

「意味がわかりかねる。俺は見たままを言ったに過ぎないのだが…
 何か不満があるのか?」
ルイズは俺の顔…というより瞳をじっと、その鳶色に輝く大きな瞳で見つめてくる。
こういうときは表情を変えてはいけない。強張る身体をやにわに押さえ、
ひどく長い4秒間を耐え切ったのり、ふぅと溜息を漏らしたルイズは一言。


871 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 04:16:08.89 ID:FhggKygW0

「寝ましょう。なんか無駄に疲れたわ……」

「あ、あぁ… わかった」

とりあえず一応の許しは貰ったようなので、もそもそと寝床に戻る。
ルイズも自分のベットに戻ったようだ。

明日も早い。今日は寝よう。
慣れ始めたころからやっている早朝の見回りもあるしな。


やけにつかれた。俺も疲れた。なぜだ。


◇◇◇

898 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 05:09:14.19 ID:FhggKygW0
◇◇◇


「ねぇ、あんた 武器欲しくない?」

「む?」

はじめに比べれば随分と豪華になった朝食を終えると同時に、ルイズの
脈絡の無い提案があった。

「だから、武器。ソースケ、武器とか持ってないでしょ?」
「いや、あるにはあるが…満足のいくものではないな」
現状持っているものは、サバイバルキット一式に最大装弾のグロック19、
ミリタリーナイフのみだ。今後メイジと戦う機会があるとするならば、
ショットガンやライフルの装備は欲しい。
プラスチック爆弾やアップルなどの爆発物も常備しておきたい。

だが…

「だが、ここでは… この世界では俺の欲しいものは手に入らないだろう」

「ん、よくわからないけど… そうなの?」
「そうだな。行く必要は…
 む、いや待て、行こう」

「え、何?行くの?」

899 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 05:09:37.79 ID:FhggKygW0

「あぁ、行く。出発はいつだ?」
今日は祝福の日とやらで休日になっているらしい。つまりは日曜だ。
休日を使って遠くの街へ出かける。情報集めにはいいかもしれない。
街の地図でも買えればそこそこにプラスにはなるだろう。

「え、あぁうん。じゃあもう少ししたら出ましょう。
 私は部屋でちょっと準備してくるわね。広場の城門前で待ってて」

「了解した。馬をまわしておく」

「気が利くわね。お願い」
ルイズは部屋に向かった。さて、馬を調達しなければ。
確か納屋は南のあたりに…

「サガラさん」
「む、シエスタか。」
黒にフリルのついた白いエプロンドレスを重ねた給仕服姿のシエスタ。
いつもどおりの姿だ。ハウスメイドとなると休日こそが
むしろ仕事の多い日なのだろう。

900 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 05:10:02.29 ID:FhggKygW0

「今日も仕事か、大変だな」
「えぇ、でもサガラさんだって毎日お洗濯やお掃除をして
 いらっしゃるじゃないですか」
「いや、俺は…」
シエスタは本当に楽しそうに笑う娘だなと思った。
ここ数日、特に最初のうちはシエスタのところへ通い、食事を貰っていた。
その頃から思っていたのだが、素朴だが温かみのある笑顔をもっている。
ルイズやキュルケにはない落ち着きのようなものも持ってて、
安心のような安らぎを感じる。

「ところで、今日はお出かけですか?」
「あぁ、ご主人と街へ…買い物にな」
「そう、ですか… では、馬が必要ですね。ご案内いたします」

「いや、場所は知っている。そちらの仕事を続けてくれて構わない」
「いいんです。今はちょうど手が空いてるんですから!」

「あ、あぁ… じゃあ、頼もう。」
「はいっ。こっちですよー」

楽しそうだな。ふむ…そういえば、林水会長閣下の側近…
美樹原書記も少し似た雰囲気を持っていた気がする。


◇◇◇

917 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 05:44:22.13 ID:FhggKygW0
◇◇◇


「なんとか、街へ誘えたわね…」

ソースケに、準備をしてくると言って部屋に戻ってから、一人で呟いてみる。
呼び出す理由はなんでもよかったのだ。
ここ最近、なんでかわからないけどソースケがなんか気になる。
始めはただの使い魔だったのに、だったのに。

使い魔としての仕事は割とちゃんとやってくれるし…
物腰もなんか丁寧で、ホントに家の執事みたいにも接してくれるくせに、
相談とかにはわからないなりに真面目に考えてくれた。
頼んだことは出来なくても努力してくれる…
嘘も吐かないし…

それにギーシュを倒した。
後から聞いた話で、見ては無かったんだけど…
本気になったギーシュも全然相手にならない強さだったらしい。

校長先生のところに言ったときの傷が、あれだけの傷でギーシュを倒した…
ギーシュが弱いわけじゃない。
ギーシュはドットのメイジだしヘタレだけど、それでも決して
能力が低いわけじゃない…

918 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 05:44:48.19 ID:FhggKygW0

ソースケは強い。

こころ強い、私の味方で…

私の、私の大切な使い魔だ。


「あ、この服でいいかな…?
 でも、こっちのも… ソースケ、どんなのが…

 っ!違う違う!街に出るんだから質素な格好じゃダメなだけで…
 ソースケとか、そんなの… 関係ないんだから」

私はいったい何をやってるんだろう。
こんな…

でも、悪い気分じゃなかった。


服を選び終えて、マントを羽織る。
このマントはメイジの誇りでもある。これは置いていくわけにはいかない。
特に平民だらけの街にいくんだもの。誇りは置いていけないわ。

919 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 05:45:13.02 ID:FhggKygW0

さて、ソースケは馬を用意して広場で待っているだろう。
最近キュルケのソースケを見る眼が何か危ないから、見つかる前に早く行かなくちゃ。

あ、ソースケ…って あれ?
あれは、確か召使の…なんて言ったっけ…
でもなんか前にも一緒にいるのみたことあるかも

え、と…聞いてみよう…

「一番速い馬を選んでくれたそうだな」
「えぇ、馬小屋のおじさんとは仲良しなので」

「ほう、なるほど… 俺はどうにも、乗馬の経験が…あるにはあるのだが、
 馬を選べるほどではなくてな」
「うふふ…実は私も、あまり詳しくないんですけどね。おじさんが選んでくれただけなんです」

なんか、仲よさそうに話してる…

うぅ、なんなのよ… 私のために馬を用意してくれたのはわかってるんだけど…!

ねぇソースケ!その女誰なのよ!!

◇◇◇

928 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 06:04:23.14 ID:FhggKygW0
◇◇◇


「それにしても… ルイズはまだか… かれこれ30分以上もたっているのだが…」
「そうですね… もしミズ・ヴァリエールがこないようなら、
 今日は私とすごしませんか?」


「いや、それはできない。ルイズを待つと約束した。

 それに俺は…ご主人の使い魔だ」

「あはは、冗談ですよ。ヴァリエール様にわるいですものね。
 さてと、私さすがにそろそろお仕事があると思いますので…
 失礼しますね」
「ああ、がんばれ」
「はいっ」

それにしても遅いな。
もう少し待ったら、部屋の方へ行ってみ…

「ごめん!遅くなったわねっ!
 いいっ、いくわよ使い魔!!」
急いで走ってきたのだろう。頬が、それこそ耳まで真っ赤に上気している。
「少し休むか?息が荒いようだが… 乗馬は体力を使うからな」

929 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 06:04:48.55 ID:FhggKygW0

「いいっ!いいから!いくわよ!
 遅れたら置いてくからっ!

 って、あ… 馬は、1頭でいいから、こっちは戻してきなさい。」

「1頭…?2人で乗るのか?それではいくらが遅くなるが…」

「あぁもううるさいうるさいうるさいっ!!
 あっ、あんたは私の使い魔なんだから…!
 手綱握りなさいーっ!!」

「あ、あぁ…
 では馬を返してこよう…」
馬の使用に料金はかからないのだから、2頭でも構わないのだがな…
それとも、ルイズは乗馬が苦手なのか?
だが乗馬の授業は魔法と違って得意、のような話を聞いた気がするのだが…

930 名前: 共産党幹部(catv?) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 06:05:22.10 ID:FhggKygW0

「…むぅ。
 気まぐれと判断すべきか」


耳まで真っ赤になっているルイズを休ませる意味も込め、
すこしゆっくりとした足取りで城門へ向かったのだが…

なぜかこのバカソースケと怒られた。不可解だ。


◇◇◇

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