「じゃあよ、カルラは?」「俺はアリ。見た目と同じで凄いよ。彼女」「僕も・・・・・アリ・・・・」「えー、まー確かにツラもスタイルも良いけどさ、アイツ軽く革新(○チガイ)入ってんじゃん!ナシ!」
どん百姓の馬鹿と、馬鹿に轢きずられるコーンスと、テラネの肥沃な大地が産んだ大馬鹿。馬鹿の馬鹿による馬鹿のための最高首脳会談。今日のお題は「コイツならヤれる?ヤれない?」
「次ー。ユーリス」「アリ。以外に積極的、と思う。」「僕・・・・・アリ・・・・」「顔だけならアリだけどさ、ナシだろぉ。だってアイツカルラとは別のタイプの革新(キ○ガイ)だし。」
「えー、じゃあ、次。ザギヴ姉さん」「アリ!大アリ!マジお願いしたいよね!」「・・・・・・アリ。」「無論。俺もアリ!おっ、全3票!!ついに決まりが来た! つーかさ、ナッジさっきから全部アリだな。溜まってんの!?」「ちっ違うよ!だってナシなんて失礼じゃないか!!理想が高いんだよヴァンは!ねぇ、チャカ?」「うん。ザギヴさん以外全部ナシだよね。なーんか理由つけて」「いいじゃんよ高くて、理想!理想は高ーく持たんとナッジくーん。ところで、ルルアンタ」「・・・・・・・ア、アリ」「ほら!ヤバイって、ありゃ犯罪だよ!お前そのうちエルファスって言ってもアリって言うぞ!」「あー、ハイハイ。ナッジにヴァン。俺からも行くよー。フェティ」「ナシダネ!!×3」「ちょっとアンタ達。さっきから何してんの、アタクシの尊さについてでも語ってるのー?」振り返ると、今のお題、フェティがエプロン姿で館の主オルファウスを抱き締め、訝し気な表情で覗いていた。「ご飯よ。アンタ達みたいなギガど下等生物にも餌を用意したアタクシの慈悲に感謝なさい。」言うより早く、ヴァンはもともとオルファウスの寝床であったベットを飛びだし、一目散にリビングへと跳ねていった。「ああ、私のお布団が・・・・」
神聖王国暦1204年10月すでに、獅子帝ネメアが亜空間にほうり出されてから半年が過ぎようとしていた。とは言うものの、リーダーである無限のソウルを持つ者が「大丈夫、生きてんじゃない?」の鶴の一声で完っ璧に放置しきっている状態のまま。のほほんと時だけが過ぎていた。その間、エンシャントの住民消滅等の大事件が有ったが、概ね彼等には「平穏」な毎日が過ぎ去っていた。
「ちょい!カーチャン!何で俺のだけこんな飯少ねーんだよ。ナッジの半分も無いじゃん!」「ウルサイわね!じゃあアンタはナッジやルルみたくキノコ拾いしてきた!? フェティみたく料理してくれた!?チャカみたく芋や小麦を持ってきてくれた!?」と叫ぶのはケリュネイア。そもそもアンタの母親になった覚えは無いとぼやく。仕方なく器に入った芋とキノコのスープを飲み干す。現在、この猫屋敷には居候を含めて6人と2匹が共同生活を強いられていた。もともと住人であったオルファウスとネモとケリュネイアに加え、帰る場所の無いナッジ、まだ帰るわけにいかないフェティ、帰る必要の無いルルアンタと、ただ帰らないヴァン。そして丁度穀物の収穫が終わり、おすそわけに来たチャカ。チャカは疲れた顔でスープをすする。「今年もさー、ネーチャン全然手伝ってくれねーの。」「え、今年は収穫時期は特に何もイベントらしいイベント無かったよね?」「突然さ、ニイサンと婚前旅行だーって、姿暗ました。」「あー、『ゴリ』とレムレム兄やん。ホンット奴等もテキトーだよなー」口でスプーンをくるくる廻すヴァン。傍らでネモと遊ぶルルアンタを見ながら、あーっ、つっまんねーなー。なーんかこう俺の熱いハートを焦がすイベントはねーかなー。バキッと柄杓がヴァンのデコを直撃する。「食べたら片づけなさい!」とケリュネイア。いそいそ片付けをしながら、洗い物をするフェティとケリュネイアの尻を見比ていた。フェティの小振で締まったお尻と、ケリュネイアの大きめで肉付きのよいお尻。どっちもナシにはしたけど、あーっ、こんな良い女が近くでケツ振ってんのに、何で俺等は童貞なんだーっ。とムシャクシャ。
「そろそろじゃないんですか、ケリュネイア。」「あ、そうね父さん。今呼ぶわ」ブゥンという眩しい光を放ち、リビング中央に配置された転送機から見覚えの有る黒いミニスカートが帰ってきた。「お帰りザギヴ。どうだった?」「駄目ね。アキュリースだけじゃなくて近くの漁村まで廻ってきたけど、無理、出せないそうよ」「やはりそうですか。確かにワッシャー海賊が無理なものは他も無理というわけですね。」「ええ。イークレムンからもお願いしてもらいましたけど、今の海の荒れ具合の原因は、 ダレカサンがお戯れに海王様を殴り殺したのが原因じゃないかって最後に嫌味言われてきました。」全員、特にチャカが大きく頷くと、ザギヴとケリュネイア「だけ」が大きな溜め息をついた。「兄さん・・・・心配だわ。闇の門の島までの足も無いから・・・・」「ネメア様・・・・・」
鼻をほじほじ、先ほど最高得票数を獲得したザギヴを眺めるヴァン。「帰ってきたばかりで悪いんだけど、アミラルまでお願いできるかしら。1週間ぐらいで戻るから」「ええ、アミラルからじゃ遠回りになるけど、方法も無いものね」と、ケリュネイアが転送機に手を翳そうとした瞬間。「ア、ジャストモーッッッッメンツ!!!!」馬鹿。基いヴァンが、突然ケリュネイアとザギヴの間に入り込んで制止した。「ちょいちょいちょーい。俺もアミラル行くーっ!!だって姉さんアミラルはロストール圏よ! 元、とは言えディンガルの将軍様が闊歩してたら悪い冒険者に捕まっちゃうよ!俺ボデーガードで連れてってよ」フゥン、とザギヴは鼻で溜め息をつく。「結構よ。あなたに来てもらわなくても自分の身は守れるわ。」「そんなこと言わないでさ。あ、大丈夫。ナッジとチャカも連れてっから!」ええっ!とヴァンのいきなりの発表で、驚くナッジと、まぁいいかな?という表情のチャカ。「ちょっと!ヴァン勝手に決めないでよ!僕まだ他所行きの用意もしてないし・・・・」とナッジが慌てると、そのままナッジとチャカの肩を両脇に抱えて、3人で頭をゴツンとぶつけて「ちょい、聞け。俺すっげえこと思いついた。」とコソコソ話。「なっ、何?何?変なことならイヤだよ・・・・・」「俺、だいたい予想付いた」「ザギヴ姉さんとアミラル。行こうぜ。何ってったて最高得票だぜ!これほどおあっつらえ向きは無ぇって」「何?さっきの!?」「オウ!第1回!アユテラン杯争奪、チキチキ『姉さん、僕のチンコがソリアスです』大会開催だぜ!」
「あの、ケリュネイア、早く送ってもらえないかしら。」ザギヴがうんざりした表情で促すと、ケリュネイアは両手を広げて訴える。「まぁ、あの馬鹿の言うことも確かだし、危険かもしれないから、連れて行ってよ。ね。ね。」本心はこうだ、ナッジとチャカは良いとして、無駄飯食らいの馬鹿の食い扶持を減らしたい、ザギヴには悪いがこの際1週間ほど子守りを放棄したいから、とのこと。「ハーイ!決定!決定!ナッジもチャカも行くからさ~!どーんとラドラスにでも乗った気分でいてよ!」「お願い。早く送って」「ごーめんなさーいザギヴ!ホント。いいじゃない楽しいわよ。みんなで行くのも」「お願い」かなり険しい表情で睨むザギヴにケリュネイアは手をスリスリ、苦笑い。結局、ケリュネイアに押し切られる形でザギヴも仕方なく了承した。「お願いだから邪魔しないで。アミラルに着いたら他所で遊んで来て」相当イライラしているザギヴの話なんてヴァンはおかまいナシ。「じゃあ、お願いねザギヴ・・・・・ゴメンネ」「あ、お土産お願いしますね。この身体になってからお魚が恋しくて」「ほら、ブサイク猫さんもバイバイして!バイバイ!」「あー、バイバイバイ!ったくうるっせえのが消えてちったあ楽になると思ったら!」「別に帰ってこなくてよくってよ。特に宿屋の馬鹿息子~」────ブゥン。四人の姿が光の彼方へ消えた後、ふとケリュネイアは呟いた。「ねえ、父さん。今ふと思ったんだけど、転送機で闇の門の島って行けないの?」「あー、行けるんじゃないんですか?でもやっぱり旅をするなら徒歩に限るじゃないですか」
アミラル────チャカ的にはかなり思い入れの有る街。ユーリスを助けるのに必要な3000ギアを払うため、突然姉から「お前、今から殴られ屋をやれ!」と指示され海王の像の前で顔面が20倍くらいになるまで「お客様」にボコボコにされた、思い出の地。宿屋の店主が、あの時ゃ大変だったなぁ!と笑う。チェックインを済ますと、3人はまた作戦会議。他の部屋に泊まると聞かないザギヴを残して。ヴァンの作戦として、サンポデモシマセンカ?→頃合を見計らって拝み倒す→アライケナイボウヤタチネ。絶対に上手く行く訳の無い愚弄ファイターの都合の良い絵空事。ナッジはヴァンに「ヤれる」「捨てる」と人指し指と中指の間に親指を入れるアレで説得され、渋々OKを出す。夜になるのを待って、明らかに負け戦確定の作戦が決行された。「あ・・・あ・・あ、ザ、ザギヴさん・・・・」呼び出す役に廻ったのはナッジ。この作戦、成功すれば貴様が特隊だ!と焚き付けらての事。「何?」「その、あの・・・・・一緒に、散歩しませんか・・・・?」「散歩?」「あ・・・はい・・・あ、あのイヤなら別にいいです!ゴメンナサイ!!」言葉少なく応えるザギヴに直感的にヤバいと感じたナッジはすぐさま逃げの準備に入る。「・・・・いいわよ。夜風に当たりたいわ。」「ス!スミマッ!えっ?」思いの他、すんなりと承諾するザギヴに、最初の段階から失敗必至と踏んでいたナッジはたじろぐ。「どうしたの、行かないの?」「あっ!いっ行きます!お願いします!」
夜風が涼しい。石段を渡り付かず離れずの距離で歩く男女、月光を頼りに歩む。「少し涼しいわね。」「え、あっ・・・・はいっ。」思いの他、ザギヴは優しい。一重にナッジに対する信頼の現れである。長い階段を降りると、昔、ユーリスが破壊した宿屋の別館の方へと足を運ぶ。「よっ」突然ザギヴが階段の端の縁石に乗り、両手を水平に広げて、トットッとコミカルに歩き出す。「あ、大丈夫ですか?危ないですよザギヴさん。」「ふふっ。大丈夫よ。そんなに運動神経は悪く無いわよ」以外な一面。こんな姿を見るのはナッジも初めて。よっよっ、とバランスを取りながら進むザギヴを見て、何故だか鼓動が早くなるナッジ。その瞬間、宿屋の別館の手前の茂みから何かが飛びだしてきた。何かと言うか、アレである。ソレは土下座の状態でロングフィードしてくると、そのまま土下座の体制で着地。「きゃっ」少し体制を崩すザギヴの肩を倒れないようにナッジが抑えた。開口一番、目の前でロストール→ノーブル間の手紙配達よりも安い土下座をする馬鹿が叫んだ。「姉さん!一生のお願いです!俺のアンギルダンで姉さんのロストールを攻略させて下さい!」目をぱちくりとさせるザギヴと、少し抱き締める形で抑えてしまい、わわっ、と申し訳なく離れるナッジ。
「・・・・何を言ってるの?」「あ、だから、その、俺のオチンロンを姉さんのオマンレンに出会・・・・」一人土下座外交を行うソレが、即座にヴァンだと察したザギヴの目は冷たく輝く。すると、ナッジも突然土下座。「ごっゴメンナサイザギヴさん、僕です!僕が全部悪いんです!」「馬鹿!ナッジお前まで謝るな!」「だってだってだって!ホント謝らないと!」スゥーと息を深く吸い込むザギヴ、そして深い溜め息をふはぁー、と吐く。「あなたが一緒に来た理由はよくわかったわ。宿屋に帰りなさい。そして10日間私の前に現れないで。」「ナッジ君も。彼に指示されたことだろうけど、私を失望させないで。自分をしっかり持ちなさい。」と冷たく放ち踵を返し、もと来た路を帰ろうとした瞬間、ザギヴより少し背の高い少年の陰が立ちはだかる。瞬間、少年はするりとザギヴの胸元のスカーフを抜き取ると、くるりと慣れた手付きでザギヴを後ろでに縛った。「なっ!チャカ!?よしなさい!あなた何をしているのかわかっているの!!」チャカは聞かない。まるでそれが当たり前の行為かのようにそのままザギヴを軽々、お姫様だっこ。「チャカ!!」「うぉぉぉぉぉぉ!!すげえ、根性有るなお前!!」チャカはニカッと笑うと「こういうのはさ、ちょっとの勇気と強引さが必要なんだよ。」
埃を被ったベットの上、崩れた天井から月の光が漏れる部屋。少年3人が妙齢の美女に絡まる。一見すれば、少年をはべらかす妖女の姿。しかし、その妖女であるべき人物が後手に縛られ、一番その状況に緊張しているのが少し不思議な画。裸にされているワケでは無い。長いブーツだけを脱がされて、狭いベットの上で4人が抱き合っている。チャカはザギヴの背もたれのように後ろから抱き締め、ヴァンは左の脇に顔を押し付けてお腹に手をあてて、ナッジは裸足の足を身体で包みながら、膝小僧に鼻をつけて寝そべっている。最初こそ、ザギヴは冷たい脅しの言葉で三人を恫喝し解放させようとしたが、3人とも突然襲うようなことはせずじっ、とこの状態を保ち続けている所を見ると、どうやら少しは安心してよさそうだ、と勘繰らせた。3人とも嫌いでは無い。仲間としてはともかく人間としては、好き。だから、光のほとんど届かない空間ならば、少しは冒険してみたいな。と女心を揺らしていた。心配なのは、アキュリースからここに来るまでにお風呂に入っていない。足は体は匂ってないか、そして、この子達にこのまま自分の知らない遠くの場所まで連れていかれるのではないかということ。「あの・・・・もう辞めましょう。こんなこと・・・あなた達にも良くないことだから・・・・」そう自戒のように呟く。が、虚空に声だけが掻き消されるのみ。くくん。と髪の匂いを嗅ぐチャカ。そしてうなじを鎖骨を肩甲骨を、指でするりするりと撫で回す。「辞めましょう・・・・今なら今日のことは全部忘れるわ・・・・・」「どうして?」とチャカ。「こんなことで・・・・貴方達のこと嫌いになりたく無いわ・・・・」すすん。とビスチェのすそから脇の匂いを嗅ぐヴァン。お腹に置かれたヴァンの手が熱い。「どうして?嫌いじゃないってことは俺達のこと、好きってことでしょ?ザギヴさん」膝小僧にちゅっと口付けるナッジ。足がナッジの体温でじとっと温もる。
「あの・・・・私は・・・・男の人とソウイウカンケイになったこと無いの・・・・」
「・・・・い゛!今何と!??」「あの・・・・だから、私、その、男の人とソウイウカンケイになったこと、無い。だから、怖い・・・・」スライムのように、ズルリとヴァンは脇から崩れ落ち、ナッジはぴょいんと飛び上がりザギヴから離れた。「あ、え、ゴメ、ゴメンナサイ!!」「てっ、撤収!撤収!姉さんマジゴメン!!」すでに逃げる準備の二人、逆にそれが勇気の告白を行ったザギヴを傷つかせるとも知らないで。「しようよ」二人が離れたので、身体に触れる面積の増えたチャカは、ぎゅうっと強くザギヴを抱き締める。「え・・・駄目。やだ。怖いわ。イヤ。イヤよ。出来ないわ。そんな。私なんて・・・・」「最初はさ、誰でもそうだよ。怖いよね。俺もそうだったもん。 でもだからって怖い、自信が無いって逃げてたら一生出来ないよね。頑張ろうザギヴさん。」優しく諭すチャカ。ザギヴの頬に口付ける。「って、他人様を後手で縛るような奴の台詞じゃないけどさ。」少しおどけると、ザギヴも深い深呼吸を行う。「うぉっ!何だお前!何?今『俺もそうだった』とか言ったよな!お前俺等側の人間じゃないの?」「え、誰!?誰!?僕知ってる?絶対絶対言わないから教えて??」「あ、うん。カルラと、オイフェと、ユーリスと、エステルと、あと姉ちゃん。」「・・・・チャカ。俺は親切な男だから、敢えて最後の言葉だけ聞かなかったことにしてやる。」
薄い月明かりの部屋で美女と少年達の甘い吐息が交差する。どちらもぎこちなく揺れて。黒いビスチェを脱がすと、見た目からは想像も付かないほどの地味な白いブラジャーが覗く。ヴァンとナッジはザギヴの背中をこねくりまわして、どうにかしてブラジャーを外そうと悪戦苦闘。「わ、わかんない?」「め、めんどいから上にずらそうぜ?」「あ、ソレ多分前ホックだよ」とチャカの声。近くで椅子に座りながら外を気にする。そして、簡単にブラジャーの形式を見破られてしまったことが少しだけザギヴの心にちくりと刺さった。月明かりで透けるような白さを讃える乳房、大きくて、そして甘い香りがする乳房。せーの、でナッジとヴァンは左右の乳首をはぷっと口に含んで、舌で転がしたり、きっと光の下で見たら凄く奇麗なおっぱいなんだろうなと想像しながら愛撫する。目を瞑り、表情を変えず、ザギヴは微動だにせず黙りこくる。「あのね、ザギヴさん。ウソでもいいからさ、少しだけ声出して『ハァ、ハァ』と呼吸してみてよ。 男はさ、特に始めての時って女性のリアクションが無いと上手く波に乗れないんだ」チャカのアドバイスはザギヴの心をまたちくりと突き刺し、顔をこわばらせる。一番チャカに傷つけられたのは、3人じゃ大変だろうから、と見張りを買って出てくれた彼の優しさ。いや、今自分より全てに於いて上回るチャカの存在がザギヴの心をちくりちくりと刺激する。「・・・・はぁ・・・・・あ・・・・はぁ。」ちくりと傷つけられたと思う心が、いつのまにか身体の火照りの焚き付けに変えられたことにザギヴは気付く。ああ、イヤな女。7つも年下の少年にアドバイスされて、勝手に傷ついて。でも、それすら火照りに変えるなんて。ぷはっ。二人とも乳房を堪能すると、ザギヴの顔がこわばり紅潮しているのに気付き、どうやら今までの行動に間違いは無いみたいと安心し、顔を見合わせ頷き、持ち場を変える。ナッジはそのまま先ほどの足の部分に顔を移すと、内腿に唇を這わせる。ヴァンは目を瞑るザギヴの耳をはむっと甘嚼みすると、「チューしていい?」と聞く。ザギヴは答えない。ヴァンは最初イヤなのかな?と不安になるが、少しだけ唇を震わせるザギヴを見て直ぐ真意を察知し、6つ年上の女性の柔らかな唇に自らの唇を重ねた。下手なキスはお互いの前歯をカチリとぶつける。唇を離して、ヴァンは先ほどの前歯のぶつかる感触が楽しかったのか、またカチリと歯をぶつけながら口付けた。
はむ、はむ、と内腿を少しずつザギヴの熱を持った部分へと、ナッジの口が進む。スカートをたくしあげられ、色気の無いただ箇所を覆うだけの白い下着。ショーツの中心にはぐっしょりと、ザギヴの描いた乙女の鏡が水面をたたえる。母犬の乳房を探す子犬のように、ナッジは鼻をショーツの中心に擦り当て、熱い吐息を吹き掛ける。ぴとっ、鼻を離すと、熱くねっとりと滲み出た愛液が鼻の頭で糸を引く。そのまま、無造作に伸びる腕がショーツの端を掴み、優しく脱がそうとする。が、脱がせれない。腰を落としてこわばらせるザギヴの身体がそれを阻止する。「あ、ザギヴさん。腰をちょこっと浮かせてあげて。でないと上手く脱がせれないからさ」ズキン!心臓を鷲掴みにされるようなチャカの一言。阻止したわけでは無い。どうしていいか解らなかっただけなのに・・・・。屈辱と恍惚と、情けなさと淫らが入り交じり、ザギヴはパニックになっている。仕方なく、脱がすことを諦めて、ナッジはショーツの中心を横にずらした。クロッチの部分に触れた瞬間に絡むように濡れるその部分。初めて目にする、女性の一番大事な部分。シールミア貝の身に似てるって聞いてたけど、全然違うな。凄く、綺麗。「あの・・・・・ザギヴさん。ザギヴさんのおま・・・・『ライラネート様』は、 す、凄く綺麗です。あと、凄くいい匂いがします。あの、甘い花の蜜みたいな・・・・」ナッジなりにザギヴの緊張を解すための言葉だった。本当は、ほんのり醗酵したチーズケーキと表現すべき香りだけど、これじゃ傷つくかも・・・・と気にするが、初めて男性に視られ触れられた部分の匂いを形容されること自体、既に羞恥。硬直したザギヴの手足の指が、埃まみれのシーツをぎゅううと掴む。美の女神に形容したその部分を、ナッジはまた母犬の乳をねだる子犬のように、舌を鼻を這わせた。くちょ、ぺちょ、ピリピリと光の波が脳と秘所を行き交うような快楽。次第に荒い吐息がザギヴから漏れ出る。
ヴァンは、過去に「ゼネのおっさん」と「レルラのおっさん」から聞いたテクニックをフル動員させていた。首筋を舐め、背筋を指で愛撫し、そして乳首をくりくりと引っ張る。付け焼き刃のヘタクソな愛撫。「ふぅ・・・・ふっ・・・・はぁ・・・・」吐息を漏らすザギヴを見て、勝利(=ヤれる)を確信した。「やい、ザギヴ」・・・・呼び捨てにされた。「俺の名前、呼んでみろよ。ザギヴ」突然、手を止めて顔を真正面まで向けて呼び掛けるヴァン。「ぁえ・・・・・・・・・・ヴァ・・・・ン?・・・・・」初めて名前を読んだ。嫌いなわけではなく、人物的に「あなた」や「彼」と呼ぶ方がしっくり来るのに。「駄目だ。聞こえない!ちゃんと呼べ!」悪戯に微笑む少年の瞳。今、こんな淫らな行為を行っているのに、目の前に居るのはいつもの瞳の大きな少年。「・・・・ヴァン」「聞こえない!心もこもってない!もっかい!」「・・・・ヴァ・・ン!ヴァンッ!」ン、の部分で甲高く声を上げる。ナッジに愛撫される秘所からの快楽の伝達が、語尾を荒げさせる。「よし。よくできました。」にこりと笑うと、ヴァンはザギヴの唇を荒々しく奪い舌を絡めた。
「あ、やばっ」突然、ザギヴとヴァンを現実へと引き戻すチャカの声。「もしかしたら、誰か来たっぽい・・・・。」顔を見合わせ、お互い無言で目を皿にするザギヴとヴァン。ナッジには聞こえていない。「俺ちょっとおっぱらってくるね。それまで、静かにしててね。」チャカはその場を離れ、外で揺れるカンテラの灯の方へと走っていった。黙って見送るザギヴとヴァン、そして、また顔を見合わせると、さっきよりも更に悪戯な瞳でヴァンは微笑む。(声出したら、外に聞こえるぜ)耳もとでぽしょぽしょと話すと、ザギヴの唇の前で人指し指を立てて「シィー」のポーズ。その人指し指と中指をザギヴの唇から口腔へと滑り込ませた。つるつるした歯を指の腹でなぞり、舌の上に溜まった唾液を丁寧にこそぎ取る。今ナッジに奏でられている淫らな音と同じ音を口の中でも鳴らされている。指をちゅぽん、と抜くと、てらてらと指が濡れほぞり、その指が地虫のようにそのままシーツと背中の間を進む。「!!!!!!?」濡れる指が汗ばむ尻の谷間を経て、ナッジの顔から約10cm下ほど、もう一人の『ライラネート様』で止まる。くりくりと弄ばれると、元々汗で湿る部分に指に絡んだ唾液が潤滑油となって、中指が第ニ関節の先まで侵食する。「!!!ぁヤぁっ!!!」叫ぶザギヴに驚き、ヴァンはとっさに乳首を責めていた左手で口を包む。(バカザギヴ!声出したら外の人にバレるだろ!)その間も中指は止まらない。上下上下と指を運動させ、ナッジの愛撫とは違う退廃的な快楽がザギヴを襲う。身をよじり、何とかその特異な愛撫から逃れようとするが、腰を浮かすとナッジの角がお腹に刺さる。逃げられない。この愛撫から。「他の事には使わない」ような所を「こんな事」に使われてしまうなんて・・・・。目をヴァンの方へと泳がせ、ザギヴは潤む瞳で懇願する。(やめてほしいの?)止めて欲しい。こんな快楽を覚えてしまったら、もうきっと帰ってこれない。こくりと首を縦に振る。(何でもする?なら、やめていいよ)こくり、こくり、と二回ザギヴは頭を縦に振った。言葉の真意を読む気は廻らない。(いいよ。約束だからな)ぬぽん、中指が抜かれた。安堵感と空虚な感覚が同時にザギヴを襲う。しかし、さらにヴァンの意地悪がザギヴを襲う。抜いた指を、口元まで持って行く、そして信じられないような言葉をヴァンは吐く。(何でもするんだろ?じゃあ、指がよごれたから綺麗にしろよ!)びくんっ!体全体がまるで死後硬直のように固まり、大腿が愛撫するナッジの顔をぎゅっと押さえ付ける。(やだ、なに、こんな、汚い。信じられない。無理よ。何?え?何?)調子づくヴァン。しかしザギヴの意志を尊重するように、唇の手前で指を止めている。やだ、やだ、やだ、と心の中で呟きながら。ゆっくりと、ザギヴは舌を伸ばし、指を口に含んだ。そして、脳内で言い訳を吐く自分の意志とは関係なく、ちゅっ、ちゅっ、と音を鳴らして、指を吸った。(やだ、私、何・・・・してるの?信じられない。気持ち悪い。浅ましい。下品。いやらしい・・・・)脳の裏側で言い訳を吐けば吐くほど、快楽があらぬ方向へとうねり、心と身体が分離したような気分になる。ヴァンは、赤子のように指を吸うザギヴの口から指を抜くと「汚くないよ」と、また唇を奪い舌を絡めた。
いつも、言い訳ばかりをしていた。恋愛の経験が無いのは、人並みの人生を送れないのは、身体に巣食う魔人の「せい」だ、と。誰からも疎まれる存在、誰からも遠ざけられる存在なのは、ゾフォルの予言の「せい」だ、と。そして、全てに打ち勝ち、言い訳の拠り所が無くなった時、己自身、ザギヴ・ディンガルを一人の女性として心の底で認知するようになった。だが、認知すればするほど、更なる言い訳で塗り固めて逃げようとする自分が居た。私は違う。私は浅ましくは無い。カルラや、オイフェや、双子の妹のような奔放な女とは違う、と。しかし、奔放な女というカテゴリーが有るとするなら、そこにエステルやユーリスや、あの子ですら入ってしまう。結局の所、自分の作った、「男性経験の有る」奔放な女というカテゴライズで、自縄自縛に陥っていた。いつも、女性陣がケセラセラと性の話題を語る中、全く同じ理由でザギヴとフェティだけが蚊屋の外に居て、同じように「下らないわ」という言い訳で自己弁護し逃げていた。そんな自分が大嫌いだった。が、更に自己嫌悪に陥るのは、遠くで聞き耳を立てる「浅ましい」自分の姿だった。また、記憶をぐるりと1回転させる。あの子が、「ザギヴを一人にするのは心配だから!」と猫屋敷から冒険に連れて行ってくれた時。宿屋で夜中に、エステルとユーリスとあの子が、今まで出会った男性の話で盛り上がっていた。この人とならエッチしたいよね!という話題。寝たふりをしながら、またしても聞き耳を立てていた。浅ましい。恥を知りなさい。そんな目で男性を見ているなんて信じられない。と言い訳をしながら。・・・・言い訳をしながら、声を出さずに一人、参加していた。(あんな、誰でも女性と観たら口説くような男の何処がいいのよ!ふしだらに胸を開けさせて!)(確かに・・・・カッコイイけど。姉離れの出来ない男なんてイヤよ!それに、何よ、あのお腹丸出し!)(ベルゼーヴァ様・・・・・・・・・・・・・・・・・・)沢山の言い訳を重ね、お眼鏡に叶ったのは、尊敬するネメアとベルゼーヴァと、温和で誠実なロイの3人だった。
本当は、いつも意識していた。ふしだらな男のさり気ない優しさや開けた厚い胸板を、姉離れの出来ない男の美しい顔や割れた腹筋を、少年達の甘酸っぱい汗の香りや真っ直ぐな瞳を、男性という存在を、いつか受け入れたいと。本当は、いつも期待していた。ヴァンが一緒にアミラルに行こうと言ってくれた時、ナッジが一緒に散歩をしようと誘ってくれた時、チャカにどこかのお姫さまのように抱きかかえられ、優しくベットに寝かし付けられた時、期待で高まった胸を言い訳の外壁で覆い、イヤな女を演じ、逃げて逃げて、孤独を求めていた。幸福の熱で覆われたら、自分のような存在は溶けて無くなってしまうのではないかと怯え。
ねっとりと絡まる舌をやさしく離す。何度も口付ける内にヴァンは上手にキスが出来るようになっていた。(・・・・意地悪してごめん。)流石に調子に乗った、とバツが悪そなヴァン。そんなヴァンの姿ではっと追憶から現実に戻された。ザギヴは、少し戸惑った表情で眉をひそめ、そして普段は見せないような柔和な笑顔でまた唇を求めた。(・・・・・なんだか、もうどうにでもなっていい気分・・・・・)「いやー、びっくりした!宿屋のおっさん!よくココがアミラルの若者の溜まり場になってるからって 見回りしてるんだって!てゆうか、ザギヴさん!声!びっくりした!猫じゃないですか~って誤摩化したよ!」戻って来たチャカの声で二人はびくりと震え、身体を離した。勿論ナッジは気付いていない。「あ・・・・ゴメン。いいよ。続けて続けて。」「・・・・・ぁはぁ・・・・・あの・・・・・ふぁ・・・・・したい。」悦楽の吐息に混じり、ザギヴは心に溜まっていたどす黒いものを吐くように、心情を吐露した。流石にこれはナッジにも聞こえた。ポジション的に先発隊確定のナッジはびっしょりと濡れた顔を上げて、刮目。「じゃ、ヴァン、そろそろさ、ザギヴさんの手を外してあげてよ。大変そうだから」
全裸の美女が月灯に照らされ、柔らかな隆起を晒し、八の字に太腿を開き寝そべる。そして、ズボンを脱ぎ、下半身を露出させる少年。ブルブルと震え、額の先端の角が振動する。「あ・・・・駄目だよ・・・・どうしてだろう。さっきまでガチガチだった僕の・・・・勃たない。」「ナッジ!頑張れ気合いだ!エロいこと考えろ!アレ、カルラのケツとか、あと、アーギラシャリア?とか!」見知る女の名前を上げられ、ザギヴは少しだけ寂しそうな顔をして、太腿を閉じる。「ナッジ。リラックスリラックス。ザギヴさんもね。リラックス」「あ、うん。リラックス。あとエロいこと・・・・・」カルラのお尻、ああ、ちっちゃくて張りがあって、いいなぁ。。。。アーギラシャリア?って、確かセラのお姉さん?美人だよね。スタイルいいし。実はおっとりした人だったし。アレ?アーギルシャンマ?だっけ、アーギルダリアン?だっけ、アレ?それともアンギルダリアン?だっけ?(アンギルダン?)「うっ!!!!!わぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」「どっどどど、どーしたナッジ!」「ゴメンナサイゴメンナサイ!!僕は駄目なコーンスです!!全然勃たないし変な妄想しました!!」「馬鹿っ!こんなとこでコシんな!一世一代のチャンスだぞ!ゴウに入ればゴーティダイモン!」いつも通りの少年達の即席寸劇に、ふと、今自分は何をしているんだろう?とはにかむザギヴ。そして、白く長い指先を慌てるナッジの顔まで伸ばし、「抱き締めて」と哀願するように両手を掲げた。ナッジは、伸ばされた手の先に自らの手をかいくぐらせ、優しく互いに抱き締めあう。ザギヴの豊かな胸に顔を埋めるナッジ。乳房の奧から、ドクンッドクンッと早い鼓動を感じる。僕と、同じだ。ザギヴさんも緊張してる。・・・・どうでもいいけど、おっぱい温かいな・・・・。顔を見遣ると、慈母のような恋人のような、優し気で淫らな表情で谷間に潜むナッジの顔を見つめている。ドクン。また海綿体をつたい、憤るような快楽がナッジの股間に集中する。そして、恐る恐る、腰を落し、先端をザギヴの秘所に押し当てる。熱くて柔らかい。「しっ!失礼します!」素っ頓狂なナッジの台詞に、ザギヴはクスリと笑うと、静かに「・・・・どうぞ。」と答えた。
そうして、嘘つきで意地っ張りで寂しがり屋のライラネートは、男神を館へと迎え入れた。
「!!ぃっだぁっ!!!」ザギヴの叫喚。先程までの甘い吐息とは真逆の耳を劈く悲鳴。じわりじわりと、敷かれたシーツが赤く染まる。「ああああっ!スミマセン!だっ大丈夫ですか!!」「・・・・っ・・・・だ、大丈夫・・・・いいの・・・・続けてっ・・・・・」ズリッ、ズリッ、愛撫される快楽とは違う、内臓を抉られるような苦痛。どこかに傷を癒す快楽を探そうと、ザギヴは痛みだらけの空間から逃げるようにナッジの唇に縋る。くっつけ離し、くっつけ離し、今痛みを産む空間と同じような動きで、唇を鼻を舌で舐る。「ね、ね、ザギヴ・・・・姉さん?」ナッジに独り占めされる形となったヴァンは、寂しそうにもじもじと呼び掛ける。「あのさ、折角だから俺の、口でしてよ・・・・。我慢できない」顎先に押し当てられるヴァンの生殖器。初めて見る。想像しているよりも、大きい・・・・・。今、私の中で暴れるモノ、こんなモノが入ってるの??心で冷静な台詞を吐きつつも、痛みを堪えるために快楽を探す唇はヴァンを拒まない。あくん、口を大きく開け、舌をチロチロと動かしながら含む。もう恥も外聞も無い。今有る痛みが全て。涎が溢れ、くんくんと鼻を鳴らし呼吸しながら、喉元に蓋をするようにヴァンの生殖器を飲み込む。初めての行為、上手に出来るわけも無く。上下の歯の突起がちくんちくんとヴァンを痛めつける。「・・・・・っつ・・・・」(姉さんだってナッジの我慢してんだ。俺も痛いとか歯とか言わない!我慢!)ちゅぽ、ちゅぱ、口の端から溢れた唾液が滴る。やがて擦れる歯の刺激も快楽の糧となり、ヴァンは1分と持たず、達する。「あっ・・・・ゴメッ、出る。出しちゃうねっ!」ビクンとヴァンが震えて、口の中広がる苦味走るゼリーのような感覚。と、同時に、自己の快楽まかせに腰を振るナッジも絶頂に達した。「アアッ!!」少女のように高い声を上げ、引き抜き、力無くザギヴの腹部に射精した。どろり、と粘膜を張る白濁の愛の欠片。お腹の上で熱く迸ると、体温を奪うように冷めていく。
呆気無かった。もっと。濃厚で退廃的で、粘っこくて心と身体が乖離するような快楽に襲われるのかと思っていたが、愛撫されていた時の方が、よっぽど想像のモノに近い、何とも味気の無い行為だった。よく、カルラ達が言う、「向こうに行く」「ドロッと出る」「頭がパーになっちゃうような」そういったモノとは懸け離れた、まるで儀式のような行為。ただ、内臓を抉られたような痛みと、口の中を覆う苦みと荒い呼吸が、今までの全てが真実だと訴えかける。なんだ・・・・こんなものなの?それとも、私はまだ本当の愛の営みを知らないだけ、なのかな?ごくん、とそれを飲み込むと、心の中に開いた風穴を埋めるように、一つの思考が定まった。
────まだ、足りないな。まだ、したいな。もっと愛して、愛されたいな。
「ザギヴさん、お疲れ様。」一部始終を観ていたチャカが、ザギヴの額にやさしく手を当て、ベッドの横に腰掛けた。優しく微笑む少年の顔。額に置かれた手が汗を拭い、長い髪をそっと撫でる。「わっ!!」不意を突くようにザギヴの手が、チャカの股間へと伸びていた。其所は、熱く硬く勃起している。「・・・・ごめんなさい。こんなになるまで我慢させて。」「あ、いや、いいんだよ。大丈夫。」「もう少し・・・・・身体を休ませたら、大丈夫だと思うから・・・・・その時は、チャカも一緒に、ね。」普段の低く響くような声色とは違う、甘えるような艶やかな口調のザギヴ。ニコリとチャカは笑うも、これは、大変なことを教えてしまったのかなぁ・・・・と少し心配の情を湧かせる。さわさわと服の上からチャカの性器を摩るザギヴの手、チャカはその手を掬い上げて、優しく繋いだ。「うん。じゃあ。体力が回復するまでゆっくり休も。今度は俺も仲間に入れてもらうよ。」ザギヴは繋いだ手をさらに指1本1本互いに絡ませる形で繋ぎ直し、ぎゅっと握り返し、ナッジとヴァンに目を配る。息を切らすナッジ。先ほどと同じような体制で、太腿を枕にして休んでいる。ヴァンもまた先ほどと同じように、左脇に顔をつけ、二の腕を枕にして惚けている。3人の体温がザギヴの身体と心を温めて、少しだけ下腹部の痛みを和らげて行く。そうして、惚けるヴァンの唇にザギヴは唇を重ねると舌を滑り込ませ、口に残る苦いものをヴァンに返した。「!!わっ!!!!きったねっ!!何すんのさっ!」「・・・・さっきの仕返し。」クスクスと笑うザギヴ。ヴァンは嫌そうに口を拭うと、耳もと囁くように語りかけた。「ねぇ、ザギヴ姉さん?」「ん?」「あのさ、俺、結局チンコを入れて無いワケだからさ、俺だけまだカテゴリー的に童貞じゃん。 なんか、そんなズルいよな。2回戦の時は俺が入れる番で、いいよね?」「ちょっと・・・・正直まだ痛いからそういうのは無しで・・・・。他ならどうにかするわ。」少し寂し気な顔をするヴァン。だがすぐににんまりと邪な笑顔を浮かべる。「他なら?」「うん。なんとか。」「じゃさ!じゃさ!俺コッチでエッチしたい!」懲りないヴァンは、また先ほどと同じように、お尻の谷間に指を滑りこませると、トントンッとソコを刺激した。
────バシッ!スナップの効いたザギヴの平手が、ヴァンの頬に放たれて乾いた音を発する。そしてまたクスクス笑うと、翻した掌をそのままヴァンの頬に当て撫でると、呟いた。「調子に乗らないっ。」
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