兄さん、私は、兄さんのこと、お慕いしています。 それはいけないことだって、分かってます。血がつながっている者同士は、決して結ばれてはいけないと。 兄さんがミイスを離れて何年が経ったでしょうか。 私は、兄さんが居ない日々を、幾つもの夜を泣いて過ごしました。 このまま、ずっとかえってこなかったら…そんな風に考えていました。 それよりもずっと怖かったのは、兄さんに好きな人が現れるのではないのかということ…。 兄さんは私のことを「大事な妹」とよく言ってくれていました。私が一番大切だとも言ってくれました。 だけど、もし、私以外の人を私以上に大切だと思ってしまったら…。
「ミイス、もう言ってもいい年頃になったようだな…」 私が十四になった日の朝、父さんは私を神殿に呼びました。「なんでしょうか、父さん」 静まり返った神殿の中で、父さんは顔を強ばらせて口を開きました。「ずっと黙っていたのだが…。心して聞いて欲しい」「はい…」 私は父さんの目をじっと見つめて、父さんの言葉を待ちました。「ロイ…お前の兄は、お前とは血が繋がっていないのだ」「え…?」「お前は赤子のころ、森に捨てられていたのだよ」 目の前が真っ暗になって、そのあとの父さんの言葉は、私の耳には入ってきませんでした。
気が付いたら、私はいつも薬草を採りに行く森にいて、幼馴染の男の子と一緒にいました。「そりゃショックだったな」「…うん」 彼は悲しくて涙もでない私に、ずっと手を握ってくれていました。「ミイスはお兄ちゃん子だったしな」「うん…あッ!」 ふいに手を握っていた彼の手が離れたと思うと、いきなり私の顔を両手でつかんで…。「んんッ!!」 無理やり唇を、私の唇に合わせました。彼は唇を開いては私の唇を楽しむかのように何度も這わせて、舌で私の口を開けようとしてきました。 いきなりの出来事に混乱して、そして、彼に対する生理的嫌悪感で一杯になった私は。「やめてっ、やめ、やあっ!」 一生懸命振り払おうとしても、私の力では男の人の力に叶うはずもなく、されるがままに地面に押し付けられてしまいました。腕をつかまれて、身動きができない。足も固定されてしまっている…。「ロイ様がお前の兄じゃないなら、ロイ様はお前を抱くかもしれない。お前もロイ様のことを、兄以上に愛してたんだろ?」 彼の目はいつかみた、狩りをする狼の目のようでした。私は怖くなって、身をよじってなんとか彼のもとから離れようとしても、彼の目はますますギラギラと光るだけでした。「わた、私は、兄さんのこと、好きだけど…そんなんじゃ…」 嘘。 私は、ずっと前から兄さんのこと、好きだった。 彼は私の狼狽した顔をみて、にやりと笑って言いました。「嘘だね」 思わず顔をそらしたとき、首筋に彼は唇をあてがい、舌を這わせてきました。何度も何度も舌を上下させて、私の首を犯すように、ゆっくりゆっくりと。ぞくぞくとした初めての感情に、私は鳥肌が立ちました。
「やだ!気持ち悪いよ、お願い、やめて!」「ロイ様はお前のこと、ただの妹としかみてないんだよ」 言わないで。「お前がいくら思ってたって、ロイ様は他の女とこんなふうに乳繰り合うんだよ」「言わないで!!」 彼は顔を真っ赤にさせて、私の胸に顔を埋めたあと、私の服を力にまかせて脱がせようとしました。「やだ!!やだ!!やめて、やめてやめて!!!」 素肌は晒してはいけない。神殿を守護する者として、そう教わってきた私は解放された両手で必死に彼の腕を止めようとして…。でも、恐怖からか、体に力が入らない。「お前の素肌って、五歳のころ以来みてないな…く…フフ。ずっと、ずっとお前の裸を想像しながら自慰をしてたんだぜ。想像しながらお前を抱いてたんだ」 嫌悪で顔が歪む。そんな風に見られていたことに対するショック。「ロイ様とお前が血が繋がってないとわかったら、お前はロイ様に迫るかもしれない。ロイ様だって男だ。お前みたいないい女の誘いを絶対に断るとは限らない。今しかないんだ…ほら、おとなしくみせろよ」 あっという間に乳房があらわになって、私は顔が熱くなる。「あ…」「想像してたより、ずっとキレイだな…」 彼は片手で私の乳房をまさぐり、顔を埋めての乳首を転がすように舌でもてあそび始める。 今まで感じたことのない奇妙な感覚が、私の声を上ずらせて…。「ぁッ!…う、あう…ひゃ、ひゃめ…」
「柔らかいな…ああ、俺、俺、もう…」 彼は何を焦ったのか、ズボンのヒモを慌しくほどき始めた。「ハァ、ハァ、ミイス…」 嫌な予感がした。私は胸がはだけていることなど忘れて、必死に彼から逃れようとした。 そんな私を気にも留めず、彼は私を全体重で押し付けている。「みてくれ…ミイス…俺の、を…」 みたくない。みたくない。みたくない!「これをお前の中に入れたくて入れたくて、たまらなかったんだ」 彼が私の顔を掴もうとした瞬間、私は隙をついて彼の頬を叩き、森の茂みのほうへ逃げた。足がおぼつかず、四つんばいになりながら、必死に人を呼んだ。「誰かっ、誰かあっ!助けて、助けて!!」 よたよたと進んでいるのか進んでいないのかわからない。 頭が真っ白で、ただただ彼の手から離れたい一心で。「ここまできて帰すわけねえだろ」 襟首を捕まれ、ぎゅ、と後方へひっぱられる。 振り返ったとき、見てしまった。男性の、女性にはついていないモノ。 グロテスクにそそり立ったソレは、今にも爆発しそうなくらいにぴくぴくとうごめいている。
おぞましくて、汚らわしくて、もう一度目をそむけた。 今度は片手で両腕を取られた。「触らないで!そこは、やだ…やめて!」 ショーツをず、とずり下げて、つい最近、女性として成長したそこを、彼の指がいやらしくなぞる。「ひぁっ!!」 敏感になってしまう部分をつままれ、私はびくっと体を振るわせた。「もっとおとなしくしてくれたら、お前だってもっと気持ちよくなれるのによぉ…」 ぐちゅ…ぐちゅ…。私の大切な部分が淫乱な音を立てる。彼は手に付いた液体をいとおしそうにべろべろと舐めとった。「濡れてきてるじゃねえか。俺の指だって、まんざらじゃないんだろ?」「うう…いぁッ…はぁ、は…いや…」 頭が真っ白になる。「入れるよ、ミイス…」 彼の宣言に、気を失いそうになる。 ぐちっ。奇妙な音と共に、私の下半身が悲鳴をあげた。「いたいッ!!!」 ずぶ、ずぶ、ずぶ…彼は私の叫びなど聞こえないように自分のモノを入れていく。 痛い。痛い。痛い。壊れてしまう、こんなのが全部入ってしまったら。「痛い、痛いよ、やめて、やめてやめてやめて」 やがて、侵入していく音がやんで、鋭い痛みが消えかけたとき、彼は言った。「全部…入ったよ…」「!!」 いやだ。いやだ、いやだ、いやだ!!!
「動かすよ…力入れると余計に痛いぜ」 ずぶ、ぬちゃ、ぬちゃ…。彼のモノが出て行く音がする。 痛い。はちきれてちぎれてしまいそうで、意識も遠くなる。 ず…。ずちゅ…。 出て行こうとしていたはずのものがまた入ってくる。ゆっくりと、ゆっくりと。「ううううっ、痛い、痛い、ょ」「ああッ、き、気持ちいい…これがミイスの中…暖かい、締め付けが…たまらねぇよ…ミイスう…」 ずぶっずぶっぐちゅぐちゅ! 彼が興奮していくにつれて、どんどん出たり入ったりが速くなる。痛みもそれに応じてひどくなる。 そんな私をよそに、彼は気持ちよさを求めて私を犯していく。「あっあっあっ、いいッ、気持ちいい…、あふ…。好きだ、ミイス、好きだ!」 唇をむさぼられる。痛みに耐え切れなくて、頭の中が真っ白な私は、もはや声で抵抗することしかできなかった。「あうっ、ううっ、くっ…つうぅ…」 何度出し入れが行われただろう。彼は頂点に達しようとしていた。「あああ、も、もうイク…ミイス、ミイス…!うあぁ…!」「いやああああああッッ!!」 ビュッ!ドク、ドク…。私の中に、彼の精液がどろりと満たしていく。「は、は、ハァハァ、ハァ…気持ちよすぎて、思わず中に出しちまった…」
ずぶ…彼は自分のモノを私の中から取り出して、自分で自分の物を愛撫して残りの液を出していた。 その行為が、どんな結果をもたらすか、私は知っていた。母さんに、私に初潮が来たときに教わったのだ。 子供ができる。と。「い、あああああああああああッッッ!!!!!」 私は叫んだ。誰も助けてくれなかった。父さんも母さんも。ロイ兄さん、ロイ兄さん…。
彼は倒れて呆然としている私に服を元通りに着せて、そのまま去って行った。「ああ…兄さん、私、汚れた…汚れちゃったよ…うっ…うううっ。うああああああああ!!!」
ロイが長い修行の旅から戻ってきたのは、その翌日だった。
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