「ああっ!だめえっ!!」ベッドのふちに腰掛けるようにして、男の胡坐の中心部に座らされた少女は自分の中、最奥の泣きたくなるような切なさに身を震わせていた。肌を覆い隠すものがない状態で、本来、自らの保護者としてかかわるべき男と本能のままに”繋がり合い”を繰り広げていた。
自分に特定のパートナーがいるわけではないから、こうなることに何ら障害はない。ただ、胸張って他人に公表できる関係でないのは、そこに恋慕という感情があったというわけではないから。肉体への熱い刺激がもたらした関係であるから。その刺激がもたらしたものが、そういう現実的なことをとりあえず今はどうでもいいこととして、思考の向こうへ追いやってしまった。今は、もう、その感覚を手放したくないだけ・・・。その感覚に呼応して、日常にはない音声、感覚の甘さに比例した粘度の液体が口元からこぼれる。涎を垂らすなんてこと、普段なら子ども扱いを嫌う自分にとって考えられない行動。だが今は、そんなことには構っていられない。
いつもの旅の仲間であるこの男に恋愛感情や、まして性的な欲望を感じたことはなかったが、年齢に見合った落ち着きと、弱きものへの庇護を忘れぬ男気は、仲間の誰もが頼みにするような人物であった。このような、本能にすべて揉み消される様な状況においても、無意識の心遣いが感じられる。男の節くれだった指が、しっかりと腰骨をつかんで支えている。また、もう片方の腕が、胸を包むように抱きかかえている。ただつかんでいるのではない。相手を傷つけないように、無理やりにならないように。しっかりとした支持によって、少女は快感を追うことに集中することができた。それでも、低いうなり声とともに、指や、腕に、つい力が入ってしまうときには少女の脳の別な部分が反応して、下腹部への甘美な熱を増幅するのだった。
少女の腰が、胡坐の中心を上下するたびに、グチュっ、ヌチュっと粘液の音が漏れ聞こえる。「ルルちゃん・・・。」思わずそうつぶやいたところで、肩をつかまれハッとする。「何だ。覗きが趣味か?」そう耳元で囁きながら、その男は、戸口の隙間から図らずも二人の濡れ場を覗くことになり、思わず声を漏らしたもう一人の少女を背後から抱きすくめた。「あれでは足りなかったと見える。」長衣の下に何も着ていないことを片方の手で確かめると、すばやく裾をまくりあげ、己の刀身を、垣間見の興奮に濡れる少女の中心に押し当てた。少女が抵抗するまもなくそれは押し入り、求めるものを言い当てたとでも言うかのように、得意げに肉襞を蹂躙し始めた。少女の戸惑いとは関係なく、生殖のための器官は肉の悦びに波打った。「はあっ!んううっ・・・。」声が出ないように片手で少女の口をふさぎ、己自身で少女を刺し貫いたまま抱え上げ、ゆっくりとバルコニーを自分の部屋に向かって歩き始めた。歩を進めるたびに、わざと腰を突き上げるようにすると、濡れた音が口をふさぐ手のひらを打った。少女は男がそのまま部屋に入るものと思っていたが、男は向かいの棟がよく見えるところで、バルコニーの手すりのほうへ向き直った。少女もようやく足先が床に触れるところまでおろされ、ほっとしたところをまた激しく突き上げられた。「ああっ!!」手のひらから開放され、油断していた上のこの不意打ちに、予想外の大きさで喜びを告白してしまったことに、喉元がかあっと熱くなるのを少女は感じた。「あまり大きな声を出すと向かいの部屋から見られるかも知れんぞ。」声の主がにやりと笑うさまが目に浮かぶようだ。「誰にも見せる気はないがな。」続けてぼそりとつぶやいた言葉の温度は冷やりとしていた。
数時間前、日付で言うと前日になるが、さんざんなぶった少女の体だったが、心も体もイライラと少女を求め続けている。男の容姿であれば、女に不自由するということはなかったが、そんな女どもでは意味がなかった。男が常に求め続けていたのは、実の姉だった。その姉以外に、性の対象として初めて捉えた女がこの少女だった。最初は親友の妹というだけで、人として尊重する以外の特別な感情は持っていなかった。少女の思慕する相手が、実の兄である友だということに気付くまでは。思う相手の話になると、普段、日の光のような友が、陰りを帯びた薄い微笑を返すばかりだったことに合点がいった。思う相手が実の姉であること、その姉をあきらめる気のないことなどを告白した夜の、友のなんともいえない表情を思い返して、確信した。友はその翌日、長く離れていた故郷への一時帰還を自分に告げたのだった。
その後、友の故郷へ姉の後を追いたどり着いたが、そこから目標を同じくするものとして、この少女と旅をすることになった。自分にとっては姉を追う旅、少女にとっては兄を追う旅であった。兄と同じく、育ちのよさから来る嫌味のない優しさ、穏やかで控えめだが芯の強さを持つ少女に、仲間としての信頼と尊敬の念を持つようになった。数日前までは。
それは突然の望まざる狂気の宴への招待だった。魔人の気まぐれで、冒険の依頼を受け街道を移動しているときに、自分と少女だけが強制的に瞬間移動させられた。追う身ではあるが、相手との力の差は歴然。仮のアジトらしき洞窟に、魔人の楽しみのためだけに、ちょいと呼ばれた、その程度の扱いだった。
「うふふふ・・・。身動きできないかしら?もちろん、動けないようにしているのだけれどね。」楽しそうに含み笑いをしながら、魔人が舞台となる場所へ暗がりから進み出た。そこにはその場に似つかわしくない寝台が一つ。そこへ下着と見まごうばかりの自分の衣服を脱ぎながら、魔人が寝そべった。「うふっ。まあ、そこで見てらっしゃいな。今からが本番よ。」蒼白のその男の表情を満足げに見遣ると、奥の暗がりに、ぱちんと指をはじいて合図を送った。
闇から姿を現したのは、予想どおり、仮面の男だった。だが、予想外だったのはその男のいでたちである。体には何も見につけていない状態で、忘却の仮面だけが顔を覆っていた。股間のものは、半分鎌首をもたげてきているが、その姿に少女がひっと短い悲鳴を上げた。今から展開されるであろう見世物に、容易に想像がついてしまう。いらつきが男にちっと舌打ちをさせた。下品だからやめるようにと姉に注意されていた仕草である。腹ばいになり、こちらの様子を楽しげに眺めていた魔人が、それに反応したかのように、素の表情を見せた。「セラ・・・。っ・・・?」魔人はさっと顔色を変えると洞窟の空気にさらされた、わが身をかき抱いた。「これはっ・・・何っ?」寝台の上に座り込むような形でかたまっている魔人に、背後から仮面の男の両腕がのびる。「ひっ!・・・やっ、な、何・・・?」急に陶然とした表情になると、男の腕を自分の乳房へと導いた。
「どーお?愛する者を自分以外の人間に触れさせるのは。ああっ、セラ!その感じ・・・!」自分の負の感情が、魔人に涎を垂らさんばかりの快感を与えていることが分かっていても、男には、湧き出すそれを抑えることはできなかった。「はあ・・・、いいわぁ。でも、まだ演出が足りないようね。これではどうかしら?」仮面の男が闇の神器に手をかけた。ガクッという挙動とともにはずれたそれは、そのまま宙に浮かぶとスーと寝台の上空に移動した。蒼い顔で事の成り行きを見つめるばかりだった少女が、絶望の表情で声を上げる。「兄さんっ・・・!」「そうこなくっちゃ・・・。うすうすは感じていたのでしょう?私のペットがあなたの大事なお兄様だってこと。もう、わたしのも、の、よ。」兄の首に腕をからませて、獲得した商品を自慢するように少女に見せつける。「兄さんっ、ロイ兄さんっ・・・!くぅっ・・・。」涙する少女に満足すると、魔人は何事か男に耳打ちした。「じゃあ、私は中であなた達の感情を思う存分浴びさせていただくわ。これで演出は完璧だから落ち着いて鑑賞できるはずよ。さあ、私を楽しませて頂戴。」魔人の表情が、先ほどと同じように、怒りに震える男の、姉のものへと変わっていった。
「お願いやめて・・・。」魔人の支配下にある男は、背後からすべすべとした肌に指を這わす。「やめてっ・・・!セラ、見ないで・・・。」言葉では抵抗しても、魔力により愛撫から逃れられない様子の姉は、弟の名を呼びながら、その透き通るような肌を薄く上気させる。首筋に舌を這わせていた仮面の男は、張りのある美しい乳房を下から掬い上げるようにこねる。強弱をつけながら、時折指の腹で先端の突起を刺激する。こらえきれず吐息が姉の口からこぼれるのを、奥歯を軋ませるだけでただ見ているしかなかった。魔人が弟に許したのはそれだけだったから。『あら、シェスター、何度もロイとは私と一緒に楽しんだじゃない?今日に限ってどうしたのかしら?』楽しげな笑い声がその場の四人の頭の中にだけ響く。『愛する弟に見られるのが、嫌なのね。分かったわ・・・。ふふふ・・・。』『ロイ!折角だから、この娘の一番望むようにしてあげなさい。』男は、自分の体に女を寄りかからせ、前に投げ出された足を両手で大きく開かせると、今度は自分の足をからめて動きを封じた。「いやああっ!!」悲鳴も空しく、先ほどの愛撫により、程よく濡れ光る秘部が最愛の者の前に晒された。男の指がこぼれ出た蜜をすくうと、花びらの内側に、外側に丹念にそれを塗りつける。一番敏感な花芽には触れずに、そのすぐそばを男の指がぬるりぬるりと通り過ぎる。「はあっ・・・!んんっ!」執拗なその指使いに、思わず腰を浮かせると、指はすぐさま求める場所からは遠のく。「んふうっ、いやああっ!もう、・・・許して・・・。お願い・・・。」紅潮した頬には、もう幾筋もの涙が伝っていた。「ごめん、なさいっ・・・、もう・・・、追わないで!見・・・見ないでぇ・・・。」『ああっ!たまらないわっ!・・・もっと、もっとよぉ!』魔人の声が合図であったのか、男は蜜つぼに指を滑り込ませ、同時に一方で花芽を一気にこすり上げた。
「ーっ!!」絶命したかのように、女は全身を痙攣させて動かなくなった。かすかに胸が上下しているので、息はあるようだ。男は女を寝台に横たえると、今度も客に局部がよく見えるように女の腰を高く持ち上げた。そこに上から圧し掛かり、自らのいきり立つ分身を押し当てた。それを客に見せつけるように蜜をからめながら、またもぬるりぬるりと溝にそって腰を前後させた。意識を失っていた様子の女が、許しをこうたが、やはり聞き入れられず、またも絶望の悲鳴をあげさせられたのだった。火ゴテのような熱さの暴君は、思うさま肉襞を蹂躙した。「いやああっ!いっ、やあぁっ・・・!」女の膝裏を押さえつけ、高く差し上げられた花びらの中心を、無慈悲に真上から串刺しにする。「セラっ、ごめっ・・・!なっ、さ、ひっ!ああああっ!あーーっ!っ!--っ!!」言葉をさえぎるように、男が腰の動きを早めると、女の口から出るのはただの嬌声となった。男の腰が繰り出す波動が、女の下腹の奥の熱量を増大させ、凝集させる。男も、泣きたくなるような感覚が下腹からせり上がってきていることを感知していた。結合したまま女の尻を寝台に抱え下ろすと、女の足を自分の腰にからませ、唇で女の口をふさいだ。腰の動きを小さくし、女の花芽をじわりじわりと圧迫していたが、女のほうが堪らずに、引導を渡してくれるように懇願した。今度の願いは聞き入れられ、男の腰はすぐさま限界のスピードで攻め立てた。「ん゛っ!ふうっ!」男はがくがくと最後の大振りの後、吐息とともに女の中に精を放った。女は際限のない悦楽から、ようやく開放され、意識を手放した。『ああ・・・。最高よ!あなた達のおかげで何倍も盛り上がるわ!』『宿主は限界のようだから、今日はこのへんでおひらきね。』魔人の気まぐれに、元いた場所へ転移させられる瞬間、仮面の男が、姉の涙で張り付いた頬の髪を、いとおしげにかき上げるのを弟は見た。気がつくと街道で仲間に今までどこに行ってたのだの、少女に何かしたのかだの質問攻めにあっていた。
少女は涙でぐしょぐしょの顔でだいじょうぶ、ごめんなさいとだけ言うと、街道を先頭きって進んだ。町の常宿に着いても、顔色は紙のようだが、こわばった笑顔でだいじょうぶと繰り返すだけ。仲間には男の口から、魔人の気まぐれにつきあわされ、いじめられたのだと説明しておいた。詳しくは少女の様子からも、問い詰めては駄目だとも釘を刺しておいた。仲間は不承不承ではあったが、男の有無を言わせぬ態度にそれ以上の詮索はあきらめたようだった。
あれほど強く求めていた姉だったが、不思議と少女が受けたほどのショックを感じていない。魔人から姉は開放せねばならないが、とりあえず操られたままでも友がそばにいる間は大丈夫だという気がしていた。自分のことよりは、少女の傷心をどう繕ったらよいかを考えている自分に内心困惑しながら、やさしい言葉をかけるわけでもく、男はただ黙って少女のそばにいた。少女もそれを気にする余裕もないのか、男のそばでぼんやりと宿での時間を過ごしていた。バルコニーで夜風に吹かれながら、二人で闇を見つめていたとき、ふいに少女が口を開いた。「セラ・・・。兄さんがセラのお姉さんにしたこと、・・・私に同じことして欲しい。」男がはっと少女に目を向けると、少女は空ろな眼差しでもう一度同じセリフを繰り返した。「何を言っているのかわかっているのか?」思わずいつも以上に声が低くなっていることに気付いて、舌打ちする。「ちっ・・・。姉がお前の兄に汚されたからといって、妹のお前にその代償を求めるような男だと俺のことを見くびっているのか?」「そうじゃないの。気持ちはからっぽなのに、ね・・・。あれから、体が、おかしいの。」そう言うと、少女はぎゅうと目を閉じた。「宿についてからお風呂も入ったし、あそこで、直接体に何かされたってわけでもないのにね。」ふふと力なく笑うとまた闇に視線を移した。「あそこで、あれを見させられてるときは・・・。」少女が思わずうつむく。「待て、もういい・・・。あれは・・・、早く忘れることだな。」ぱっと顔を上げ、つとめて明るく少女は振舞う。「こう見えて私・・・、乙女じゃないのよ。だから、兄さんたちのあんなとこ見せつけられて体が疼くってとこかしら?わかんないけど、ね・・・。」「いやかな、こんな理由じゃ。それとも女としての魅力、ぜんぜん及ばないかなあ・・・。セラのお姉さん・・・、ほんとにきれいだよね、私じゃ、っ・・・。」涙がつうと頬を伝う。
少女の肩をぐいと引き、ひざ下から腕を差し入れ、間の抜けた表情の少女を抱えあげた。「後悔しても、もう、遅いぞ。」言うが早いか少女を抱えたまま男は部屋へ向かった。ベッドに少女を下ろすと、廊下へ続くドアと、今通ってきたバルコニー側のドアに鍵を掛けた。最初は、少しおどして開放してやるつもりだったが、ベッドにもどってくるころには昼間のきつい興奮のためか、何がしかの行為をせずに、この部屋を出ることは不可能なほど男の中心部に位置する熱は高まっていた。頬の涙も乾かぬ少女は、膝を抱えたまま、ぼんやりとしていた。少女の横にギシと手をつくと、びくりとはねる少女に顔を寄せた。「なんだ、さっきのようすでは、経験豊富な口ぶりだったが、はったりか?」ふるふると首をふると、なぜかごめんなさいという。また、大丈夫という。「ふん。」逃げられないように、少女の後頭部を支えると、短めの髪に指をすべりこませた。それだけで、少女は白い喉元をさらしてのけぞった。そのまま、少女の体を横たえながら、一方の手で両頬をぬぐう。「俺になすりつけられては堪らんからな。ほれ、鼻もかめ。」サイドテーブルの上のタオルをつかんで、少女の顔の上に放る。素直にこしこしと顔を拭き、ちんと鼻もかむと、タオルの下から赤い鼻の少女が顔を出した。男がそれをつまんで、元の位置に放ると、少女が必死にすがり付いてきた。「勘違いするな。俺は保護者じゃない。」上向かせて口付ける。歯があたりそうな緊張に焦りながら、少女のくちびるを犯す。歯肉をなぞり、濡れる舌をからめとる。半ばその感覚に酔いながら、少女の衣服を縛めるものをほどいてゆく。長衣の裾から侵入させた手で、もちもちとした感触のわき腹を撫で上げる。張りのある乳房は意外なやわらかさで、指に押されるがままに形を変える。ふさがれた口腔の奥で少女がうめくと、唇を首筋に移動させる。少女の吐息に合わせるように、柔肉をつかみ緩める動作を繰り返し、その動きを徐々に早め、激しくしていった。
「ああっ!兄さん・・・!」はっと視線が絡まる。しかし、すぐにもとの表情にもどると男は「お前の相手が誰だろうが、俺には関係ない。だが、二度は許さん。今、お前を抱いているのは俺だ。」平静を装おうとしたが、最後のセリフには、苛立ちがにじみ出ていた。そのことに更に腹が立つ。乱暴に長衣をまくりあげると、胸の震える先端に噛み付くように吸い付いた。指は腰骨をなぞり、そこから下を探るが、両足は硬く閉じられていて、片手では歯が立たない。強引に膝を割り込ませ、さらに少女の片足を大きく開かせるように押さえつける。乳首を舌で刺激しながら、無防備になった足の付け根と下着の間を何度もなぞると、少女が堪らず声を上げる。「いっ、やあっ!はあっ、あっ!あっ!!」「俺の名を呼べ。そうすればお前の望むようにしてやろう。」「ああっ!セラぁっ!ごめんなさいっ・・・!大好き・・・。」潤んだ瞳で、名を呼び、大好きと繰り返す少女に、胸の奥が焼かれる。「いいだろう・・・。」『お前も焼きつくしてやる!』心の中でそう叫ぶと、肉の合わせ目を下着の上から激しくこすりあげた。一番敏感な部分はすでに、興奮のため充血し、こりこりとした感触を下着越しにも指に伝えていた。そこを集中的に刺激すると、少女は短い悲鳴とともに一気に全身をこわばらせて、その後ぐったりと脱力した。荒い息で無抵抗の少女から、衣服を取り去ると、男も身に着けていたものを床に落とした。収まる場所を求めてひくつく自分自身に手をそえると、少女の入り口にあてがう。そのまま体重をかけて、のしかかる。脱がせた下着が糸を引くほど潤っていたその場所だが、侵入を拒む肉の抵抗が強く、亀頭部を痛いぐらい締め付ける。熱く濡れる内壁は、男が腰を沈めるたびに柔らかい無数のビーズにしごかれるようである。余裕なくこのまま抜き差しを続ければ、あえない最後をとげることは分かりきっている。ひとまず奥まで収めると動きを止め、少女の赤く腫れて、ぬらぬらと濡れて光る真珠を責めることにした。包皮をむき、先ほど下着の上からの乱暴さと違い、そっと指の腹でなでる。指の動きにあわせて、内壁がびくびく、ぎうぎうとうごめく。少女の声も、あえぎ声というよりは泣き叫ぶようで、自ら腰をゆすり始めた。男のプライドとしては早いような気がするが、これでは冗談抜きで男も限界である。クリトリスへの責めをあきらめ、少女に覆いかぶさると、最後の疾走を開始した。最初と比べれば、幾分、遊びが増したようだが、搾り取るようにぬめる肉襞は、男を容赦なく追い立てる。「あっ、ああっ!んーっ!!」「くあっ!出すぞ・・・!」そう男はうめくと、ぐいと恥骨を膣口に押し付け、たぎる精を最奥へほとばしらせた。中に浴びせかけられる熱い液体の感覚に、ああと少女が声をもらす。また、セラと男の名を呼び、すうと目を閉じた。
その夜、まぐわうことさらに数回。昼間からの異常な興奮状態での御乱行であったが、さすがの男も泥のように眠った。それでも、少女が夜中にベッドを抜け出すのに気付くのはさすがか。少女は鍵を開けると、バルコニーへ出て行った。旅館の離れとして建てられたこの建物は、4部屋しかない。1階2部屋、2階2部屋である。1階には今日は客はないからどうぞごゆっくりと、愛想良く宿の主人が鍵を渡した。冒険の定宿となっているため、自分たちは上得意ということらしい。バルコニーで隣室とはつながっているが、本来ならセラとデルガドが隣で、この部屋は女子組が使う予定だった。中から鍵をかけられて、何事かとルルアンタが廊下で騒いでいたようだったが、もちろん無視した。今夜はぶつぶつ言いながら隣でデルガドと休んでいることだろう。魔人への用心も念のためにしておいたほうが良いとふんだ男は、気付かれないように少女の後を追った。バルコニーから隣室へ続くドアがわずかに開いている。少女はそれを覗き込むようにして、背中をこちらに向けている。隣室からはこんな夜中だというのに、人声がする。何をしてるんだとばかりに、男が少女越しに部屋の中をうかがうと、およそ見当もつかない展開にさすがのルーンファイターもわが目を疑った。そこには背面座位で愉悦の声をもらす、リルビーとドワーフの姿があった。たぶん、自分たちに触発されてこうなったのだろう。まあいい。パーティー内セックスご法度などとは聞いたこともないし、現に自分も夕べはやりたい放題だった。問題はここで固まっている女をどうするかだ。男は薄い笑みを浮かべた。「何だ。覗きが趣味か?」
おかげで朝まで少女はつきあわされることになり、この男は姉よりも魔人のほうに似てる気がすると思うのだった。
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