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最終話「心」


 部屋に入ると、なんかアトレイアが変だった。
 どのあたりが変かというと、まず黒い。比喩ではなく黒い霧で全身がも
やもやと包まれている。断じて見間違いではない。
 さらに、俺に気付かない。俺の自慢の肉奴隷たるアトレイアが、俺を無
視するなどありえんことだ。
 そのアトレイアは闇の中手を伸ばし、何事かぶつぶつ呟いている。まる
で真冬の風に晒されているかのように、全身を細かく震わせている。
「ありゃ? 今いいとこなんだけどなあ」
 で、隣で黒ずくめの変な服の子供がニヤニヤしているのだ。
 俺はこいつを見たことがある。確か、アトレイアと最初に会ったとき傍
にいた子供だ。名前はシャリと言った。
 シャリは空中を滑るような足取りで俺に近づくと、数歩の距離で止まっ
た。そして、ロストールの礼式に乗っ取った丁寧なお辞儀をした。
「ようこそおいでくださいました……なんてね?」
「アトレイアはどうした」
 俺の第一声に対し、シャリはおかしそうに笑った。
「どうしたって?」
「どうもこうも、明らかに変だろうが」
「そうかな。ぼくにとっては、むしろこっちの方が好ましいんだけど」
「とにかくさっさと元に戻せ」
「それはできない」
 シャリはくすりと笑うと、
「今、彼女に知ってもらってるんだ」
「なに?」
「光の中の影でしかない存在を。未来の栄光に覆い隠された過去の残り滓
を。部屋を隔てる一枚の壁の絶望的な厚さを」
「ごたくはいい」
「まだ続くのに」
 シャリが眉を曲げて不満げに言った。抽象的な話をいちいち聞いてられ
るか。肉感的な話ならいくらでも聞いてやるが。

 要は徹底的に自己否定させてるというわけだ。どういう手段を使ってる
のかは知らんが、やってることは単なる洗脳だな。俺の美学に合わんので
やめさせよう。
「待てよ。ということは、前にアトレイアが落ち込んでいたのもお前の仕
業だな」
「前というのはよく知らないけど、そうだろうね。でもキミのおかげでも
あるんだよ。キミの調教は、過程としてはまったく理想的だった。ただ詰
めが甘」
「黙れファック」
 俺は中指を突き上げて子供の言葉をさえぎった。
 俺のアトレイアに余計なこと吹き込みやがってこのボケが。
「強制性転換させてから犯すぞビッチ。嫌なら今すぐ自決しろ」
「……。とても魅力的な提案だけど、今は両方とも拒否させてもらうよ」
「では、光栄に思え。俺が直々に殺してやろう」
「おっと」
 俺は腰から剣を抜いて、即座にシャリに斬りかかる。
 が、シャリは残像を残して後ろに滑り、刃を簡単に逸らした。
 なかなか素早い。
「よけるな、じっとしてろ。嫌なら自殺しろ」
「無茶言うね。もう少し話をしようよ?」
「話せば死ぬのか?」
「前向きに善処しないこともないけど」
 頼りない返答だ。だが他に選択肢がないのも事実だ。
 俺はひとまず剣を鞘に収めると、シャリと改めて相対した。
 もちろん何かあった時のために、位置はアトレイアのすぐ傍だ。
「それにしても、えらく中途半端だったね。ぼくなら乳○○○○なり○○
なりしたけどねぇ」
「たわけ。貴様は何もわかっとらん。そんなことをすれば、アトレイアの
極上の体と心はもう元には戻らんのだ。人間の性が持つ最高の素材はその
本質を直に「俺が」愛でて育てていくべきなのだ」
「……へえ」


 ふん。この程度のこともわからんとはやはり子供か。
 が、シャリはくすくすと楽しそうに笑うと言った。
「それでキミは、アトレイアを処女のまま、ずーっと自分だけのお人形さ
んにしてキミの庇護下に閉じ込めておくつもりなのかな?」
「アトレイアは俺の肉奴隷だが、閉じ込めるつもりはないな。」
「それが逆に、アトレイアを世俗の垢に塗れさせるようなことになっても
かい」
「俺の完璧な性技術と比類なき愛を軸に持てば、そのようなことにはなら
ん。ふっ、未熟者が」
「意味が通らなくなってるよ。適当に言ってない?」
「単に貴様に理解できんだけだろ。まあいい、自害しないのならそこで黙
って見てろ」
 言って、俺はいまだうつむいて黒い闇に包まれたままのアトレイアを引
き寄せた。
 シャリがアトレイアに何をして、何をしようとしているのかなどどうで
もよい。俺がこの部屋に来てやることは決まっているのだ。その条件反射
が、洗脳だか催眠だかごときに負けてたまるものか。
「ん? 何する気?」
 俺はぐいとアトレイアの顔を掴んで強引に引き寄せ、そのままキスをした。
「え」
「……」
 間の抜けた声を発するシャリを無視して、欲望のままに唇を押し付けた。
 唇の裏側を重点的に舐る。反応が無い。
 歯と歯の間を丹念に舐め取る。
 目が、焦点を結んだ。


「……ん……っ!」
 もう数秒間だけぺろぺろと舌を絡ませてから、俺はアトレイアから離れ
た。
 力なく揺れていた腕がゆっくりと上がった。だらんと垂れ下がっていた
肩をぴんと張った。うなだれた顔を正面に向けて、俺と正対した。
虚空を反射していたアトレイアの瞳が、いまや俺だけを視界に捉えて
いた。
「あ……あ……れ……」
「アトレイア」
「あ……」
 名前を呼ぶ。アトレイアの瞳には涙が溜まっていた。
「答えろ、アトレイア」
「……は……」
 アトレイアは大きく息を吸い込むと、首を上げ俺の声に応えた。
「アトレイア!」
「は……い……っ」
 声を掠れさせながらも、はっきりとした意思を示す。
 うむ、OKだ。どうやら洗脳術だか催眠術だかはとりあえず解けたよう
だ。
 さすが俺だ。理屈はさっぱりわからんが。
「どーだ見たか」
 振り返ってシャリに向かいふんぞり返る。ふん、俺の勝利だ。
「……。すごいね、きみら」
 シャリは両掌を天に仰がせ、敗北宣言をした。
 どうやら呆れているらしいが。
「当然だ。俺は常にすごい」
 俺が答えると、シャリはあきれたように笑った。
「君の辞書には、理屈とか道理とか過程とかいった感じの言葉が欠けてい
るようだね。それで解決しちゃうんだからすごいの一言だ」

「言ったはずだぞ。俺の完璧な性技術と比類なき愛は、すべてに優先する」
「ずるい、というより単純に反則だね。ま、ぼくも似たようなものだけどさ。
ちょっと部類は違うみたいだけど」
 シャリはわけのわからないことを独り言のように口走ると、ふわりと宙
に浮かんだ。
 いつのまにか、その周囲には黒い霧のようなもやが集まっている。アト
レイアの周囲にあった霞が集まって、今度はシャリの背後でバチバチと電
光を発していた。
「ぼくの演出は余計だったみたいだね」
「最初から不要だ。邪魔だ。無粋だ」
 シャリはくすくす笑う。俺の言葉を楽しんでいるかのようだった。
「今回は下がるよ。じゃ、またね」
「今回もなにも、次はないぞ」
「どうかな? まあいいや。他のことして遊ぼうっと」
 黒い霧が一瞬、こんもりと膨れ上がるとシャリを覆った。
 奇妙な笑顔を最後に残して、シャリは霧の中に消え、そして霧が消えた。
 便利な移動ができる奴だ。


 シャリが消えて、俺は一歩アトレイアに近寄った。アトレイアの身体が
びくりと震えた。罪を犯した信徒のように、心が細かく揺れているのが見
て取れた。
「あの……あのっ……っ」
 アトレイアは頼りなげな声で、何かを訴えようとしている。
「ん?」
 聞こえないふりをして、更に一歩、アトレイアに近づいた。
 心臓の鼓動が聞こえそうなほど、アトレイアの身体が間近にあった。
「ごめんなさい……! わたし……わたし、あの……」
 アトレイアは懸命に何かを訴えようとしている。
「アクトさまに……んんっ!?」
 その最後の言葉を遮って、柔らかくキスをした。
「――!」
 何かを言いたそうにするアトレイアを強く抱きしめる。視線は離さない
。アトレイアだけを、この目で、唇で、俺自身で貫く。
「っ――!」
 アトレイアはその場で崩れ落ちそうなほどがくがくと震えた。さきほど
とは種類の違う涙が、瞳から溢れてきていた。
 唇を上にずらし、涙を舐め取る。アトレイアの味がした。
 アトレイアがシャリに付け込まれた原因は、おおよそ見当がついたが、
アトレイアがそれについて考える時間は十分にあっただろう。それだけ考
えて、なお解決できないということは、考えることでは解決できないと類
の問題だということだ。
 という理屈を付けてみた。
 要は俺は全力を持って、アトレイアを犯すとゆーことだ。


 唇を合わせて、舌がふやけそうになるほど吸い続けた。アトレイアの舌
がぴんと前方に突き出されている間は、その裏側を猫を可愛がるような気
分でゆっくりと撫でた。
「ん、ん、んっ、んんっ!」
 アトレイアの舌が奥に引っ込むと、それに合わせて俺はより深く自らの
第二のペニスを差し込んだ。顔を横に傾けて押し付けるようにずらし、口
内の奥深くのあらゆる粘膜を舐め、味わい、犯した。
「はあっ、はあ、はあ、あ、あ、あっ!」
 一定の周期で唇を離し、アトレイアに呼吸をさせた。その間、俺はアト
レイアの頬に吸い付き気が済むまで赤い跡をつけた。アトレイアの白い肌
が、俺のキスで蹂躙されていった。
「ん!」
 またキスを再開する。キスをする。やめる。またキスをする。

 キスだけを十分以上繰り返していた。何度やっても飽きなかった。
 アトレイアの反応は、舌を吸う度に、唇を舐める度にその感度を増して
いき、俺の欲望をどんどん増大させていく。麻薬のように誘惑的だった。

 三十回目のキスをする頃には、アトレイアは既に足腰が完全に立たなく
なっていた。二人で床にぺたりと座り込み、粗末な木製のベッドに背をつ
いて、抱き合いながらキスを執拗に繰り返した。薄暗い部屋のなかで、く
ちゅくちゅという唾液を絡めあう音と、アトレイアの嬌声だけが、淫らに
響いていた。
「は……はぁ……っあ……!」
 舌をきゅっと吸うと、アトレイアの体が今までにもまして緊張し、抱き
しめた華奢な体が小さく収縮したように思えた。絶頂に達する直前の気配
を感じ、唇をいったん離す。
「ぁっ……はあ……はあっ」
 アトレイアは名残惜しそうに俺を見つめた。その瞳は、それが求めるも
のとは対照的に、いまだ純粋で、清らかな光を保っていた。

 アトレイアは今日はまだ一度も達していない。
 最初のキスの段階で何度もいきそうになっていたが、その度に直前でそ
れを制止した。表層的な快楽ではない、より深いところまでアトレイアと
共に潜り込むためだ。
 そろそろそれも限界に近いらしい。アトレイアの唇は、最早敏感になり
すぎて、粘膜をほんの数秒擦るだけで絶頂に達しそうなほどの快感を生み
出していた。
 だが俺は妥協するつもりはまったくない。
「アトレイア」
「……っ! あっ!」
 俺はアトレイアの体をくるりと回し、背後から抱きしめた。
 顔を清潔な香りのする髪に埋め、張り詰めたペニスをアトレイアの下半
身に押し当て、アトレイアの小さな体を全身で覆い尽くした。ドレス越し、
下着越しにだが、アトレイアの鼓動と高ぶりがペニスに伝わってきた。
 満足しながら、俺は密着体制でアトレイアのドレスを上半身から脱がし
ていく。
「ん……あっ……」
 完全に身を俺に任せているアトレイアは、服が脱がされる様を黙って
見ていた。端が肩に引っかかって脱がせにくくなった時には、それを汲み
取ったのか、わずかに腕を下げて俺に協力した。
 ほとんど無意識的にだろう。
「……っ」
 肌着をゆっくりと剥ぐと、ぷるん、とアトレイアの乳房が露出した。
豊かな双丘は、雪山のような白さの中に僅かな赤みが差しており、アトレ
イアの昂りを反映していた。
 鎖骨のくぼみからなだらかに下る曲線が、ふっくらとした形のよい乳房を
構成していた。その柔らかな曲面には、アトレイアの汗が数滴流れ落ちていた。
 先にある、惜しげなく晒されたピンク色の突端は、既に痛そうなほど、
しかし魅惑的に隆起していた。
 俺は背後からアトレイアの乳房に手を伸ばし、下からそっと触れた。


「っ!」
 触れただけで、アトレイアはびくりと反応した。息をはっと呑む声が聞
こえた。うなじが更に紅色に染まった。乳首が、ほんのわずかに上向いた。
 できるだけ刺激を少なくしたつもりだったが、何度も何度もイキかけ、
全身が快楽機関となっているアトレイアにとっては、大きな刺激だった
ようだ。
「……ぁ……ぁ……」
 子供の頭を撫でるようにして、アトレイアの乳房を優しくさする。両手
で規則正しく、下から上へ、左右から中央へ、柔らかな肉を寄せていく。
アトレイアの胸は、俺の愛撫を完全に受け入れてその形を自在に変えてい
た。
「あっ……ふあっ……」
 乳房をつまんだ指に少し力を入れる。心地よい反発が指に返ってくる。
手の平で圧迫すると、乳房が形を変え、乳頭が僅かに前方に突き出される。
 ぱっと手を離すと、胸全体が上下にぷるりと揺れた。
「んっ!」
 更に淫猥な光景を見るために、俺は先端に目を向ける。側部にいったん
人指し指を這わせ、ゆっくりと先端に向けて動かした。
 その指がアトレイアの乳輪に達すると、俺はためらいなく反対側から中
指を近づけ、そっとアトレイアの乳首をつまんだ。
「ふああっ!」
 アトレイアが快楽に身を反らせる。それを全身で受け止めてやりながら、
乳首をコリコリと転がし、感触とアトレイアの反応を楽しむ。
「あ、あ、あっ! ひああっ!」
 左右の乳首を同時につまみ、圧迫と弛緩を繰り返す。アトレイアは可愛
く反応し、圧迫を加えるごとに肢体を跳ねさせた。
 俺は思わず身を乗り出し、ぱくり、と、魅惑的に跳ねる乳首を口に含ん
だ。
 唾で乳頭を濡らし、舌で転がす。アトレイアの乳首の温度を、舌で直に
感じた。赤ん坊のように先端を吸い、同時にミルクを催促するかのように、
手で強く乳房を圧迫した。

「ふああぁああっ!」
 それを数秒続けただけで、アトレイアは絶頂に達しそうなほどに大きく
喘いだ。
 アトレイアの両乳房に、乳首に唾液を染み込ませる。
 その行為を、俺は幾度も幾度も繰り返した。
「はあっ……! はあっ……!」
 いまやアトレイアは、乳首に触れただけでイキそうなほど、感覚が鋭く
なってきていた。
 そろそろ限界だろう。
「アトレイア、来い」
「……あ……んっ」
 俺は立ち上がり、アトレイアを持ち上げて、ベッドの上に上がった。持
ち上げた際にどこかを刺激したらしく、色っぽい声をあげる。
 アトレイアを寝せて、正面から向き合う。ドレスも下着も、既に床に落
ちている。
「っ!」
 いまやアトレイアは、膝上まで覆う白の靴下のみを残して、裸体を俺に
晒していた。ただ、その股はぴっちりと閉じられている。それでもじわじ
わと湧き上がってくる感情は抑えられないらしく、太腿をせわしなくすり
あわせていた。
 俺は言った。
「足を開け」
「は…………い……っ」
 アトレイアはゆっくりと、閉じた太腿を左右に開いていく。
「ん……っ!」
 初めて見た、アトレイアの秘部。そこには、僅かな茂み。その下には、
痛々しいほどに膨張し、一目でそれと判別できるクリトリスがあり、そし
て、形良く綺麗な花びらがあり、そこから泉のように愛液が溢れ続けてい
た。全ての準備は既に整っているかのように思えた。


「……う……あ……アクト……さま……っ……! ……や……!」
 ふと見上げると、アトレイアは目をつぶって、口を手で隠し、ただひた
すら恥ずかしさと、そしておそらく身体の内から湧き上がる欲情に耐えて
いた。そう、それはいつか見た光景と同じだ。
 俺はいったんアトレイアの顔に口を近づけ、囁いた。
「アトレイア。目を開けろ」
「……う……っ」
「アトレイア」
「……っ!」
 アトレイアのまぶたがゆっくりと開いていく。開き終わった瞬間、俺は
アトレイアとキスをした。
 もう何度唇を重ねたかも覚えていない。それでも飽きない。アトレイアの
唇は、いつでもみずみずしく、やわらかで、触ることで安息を得られる俺の
宝物だった。
「……んっ……」
 唇を離す。
 アトレイアの緊張が、幾分かは和らいだだろう。
 キスを終えて、クリトリスをもう一度見る。ぷっくりと存在を主張して
いるそれは、明らかに俺を誘っていた。おそらくこれを指で弾けば、アト
レイアは即座に失神しそうなほどに達してしまうだろう。
 俺は再び、体の位置を下の方にずらして、本格的な準備を始めた。
 アトレイアのクリトリスは、まだ一度も直接触ってすらいないにも関わ
らず、皮を被ったまま大きく膨張していた。俺が視線をうごかすたびに、
クリトリスが僅かに振動しており、それは即ち俺の動きが、アトレイアの
快楽に直結していることを意味していた。
 その要請にこたえ、顔をふとももに近づけて、軽く口付けをした。
 そして、手を秘部に伸ばす。

「!!」
 中指でゆっくりと形をなぞりながら、人指し指で中央を弄る。
 アトレイアの愛液で濡れそぼったそこは、それでも非常に狭く、指の先
端を入れることすら困難だった。
「ひあ、ん、あっ、あっ、うあぁっ!」
 そして、こそばゆそうな刺激にすら、アトレイアは敏感に反応する。
 これからのために、指をなんとか奥に進ませる。アトレイアの膣は、
温かく、狭く、そしてぬちゃぬちゃと泡立っていた。更に進ませよう
とすると、ぎゅうぎゅうの抵抗を感じる。
 処女か。当然だな。だが、そんなことが気にならないぐらい、
感じさせてやる。
「――っ!」
 もう、いいだろう。
 俺はアトレイアと位置を変え、足のあたりにアトレイアを跨らせ、
騎乗位の体制をとった。
 そそり立つペニスの先端からは、先走り汁がだくだくと溢れている。
その様をアトレイアがじっと目をそらさず見ている。たまらなく淫らな
情景だった。
「アトレイア」
「……う……」
「入れていいな」
 俺の声に反応して、アトレイアがごくんと息を呑んだ。
 そして、予想外の反応を返す。
「アクトさまは……」
「ん?」
「アクトさまは……わたしなんかで、いいんですか……」
 掠れる声で、聞き返してくる。
 結局、そこなんだろう。アトレイアの心の障壁となっているのは。


「なぜそんなことを聞く」
「……わ、わたしは」
 アトレイアは、緊張で震えた声で言った。
「わたしは、顔も、心も醜くて……世間知らずで、ばかで、弱くて、
体もおかしくて、なんの力も、あ、ありません」
 俺に跨るアトレイアはこの上なく可愛く、淫猥で、綺麗だったが、
それは言わないでおいた。アトレイアが何かを懸命に伝えようとして
いたからだ。
「それがどうした」
「……それでも、それでも……よろしいのでしたら……」
 疲労と欲情の波に押され、舌足らずな言葉。だがその未熟な声は、
これまでに聞いたどんな言葉よりも、俺の心を強く震わせた。
「どうか……どうか、あなたのそばに、いさせてください……っ」
 アトレイアは言い終えると、ぎゅっと目をつぶった。
 俺はその手を取り、手のひらを合わせる。
「アトレイア」
「……」
「言ったはずだ。お前は俺の肉奴隷だ」
 何度も言ってきたことだ。アトレイアが肉奴隷であることに変わりは
ない。
 ただ、アトレイア自身がそれをはっきりと確信したのは、きっと今日が
初めてだった。
 アトレイアの目が開き、俺を捉えた。
 その真摯な視線に、俺は笑うことで、返事をした。
 アトレイアは、泣きそうに笑った。最高に綺麗だと思えた。
 俺はアトレイアを抱きしめ、キスをした。
「……ん……んっ……!」
 その思いのまま、ペニスを奥に進める。
 俺のペニスが、アトレイアにゆっくりと埋まっていく。ぬらぬらとした
摩擦の快感が先端から全身を駆け巡る。目の前で揺れる乳房が、張り詰め
た乳首が、視覚の刺激となって脳に火花を散らせる。そしてなにより、
アトレイアの肉奴隷としての明確な意思が、俺の欲情を加速させた。

「あ……アクト……さ、ま……わた……し……」
 先端に、抵抗。脇から締め付けてくる濡れそぼった壁が、先で収束
している。
「いくぞ、アトレイア」
「ふあ、あ、あ、あ……っ」
 言葉を懇願と受け取って、俺はアトレイアにキスをした。
 同時に、今まで押さえてきた欲望を爆発させ、腰を強く突き上げた。
「……!」
 つぷり、という感触を残し、ペニスが深く埋まっていく。アトレイアの
膣が、あらゆる角度から亀頭を、カリを、竿を優しく、強く締め付けてく
る。
「ふああああっ!」
 にゅるり、と、ペニスが完全にアトレイアのなかに収まる。
 それが、彼女の限界だった。
「ひ、あああ、あ、あ、あ――!!」
 先端で子宮をこつんと叩く。
 その一突きと同時に、アトレイアは背筋を後ろに反らし、嬌声を上げて
達してしまった。ペニスをみっちりと覆う内部が、射精を促すかのように
ひくひくと痙攣し、淫猥にうごめいた。
 ぷしゃあ、と大量の愛液がぎちぎちに詰まったペニスの脇から噴出し、
俺の腰とシーツを汚した。その中に、一筋の赤い液が混じっていることを、
ぼうっとした意識の中で認識していた。
「あ、う……ぁ……!」
 ぺたん、と俺の胸にへたりこんでくるアトレイア。
 俺はその顔に唇を近づけ、深く口付けをした。
「ん、む……!」
 アトレイアも応える。だが、このキスで終わらせるつもりはない。
 俺は唇をつけたまま、挿入したペニスを抜かずに、再度アトレイアの膣
の奥深くに侵入させた。にゅるにゅると吸い付くような、絶頂直後の膣壁。
 それが、大量の愛液と共に俺のペニスにまとわりついてくる。
 その中を、進入し、かき回す。壁をこじ開け、蹂躙する。

「!!」
 にゅるん、にゅるんという、頭の中が真っ白になりそうな摩擦の快楽が、
ペニスから伝わってくる。
「んーっ! んぁああああ!」
 アトレイアは涙を流して喘いでいる。そこに痛みの色はない。ほとんど
達したままの状態だろう。処女喪失の痛みを塗りつぶすほどの感覚。失神
しないのが不思議なほどだ。
 だが、逃げ場は与えない。アトレイアとはキスをしたまま、快楽を閉じ
込め、共有するのだ。アトレイアと俺で。
 アトレイアの尻に手をやり、両手で揉みしだく。
 それを合図として、俺は本格的に抽送を開始した。
「んっ! んんっ!」
 腰を引く。暖かな膣が、名残惜しそうに俺のペニスを激しく撫で回し、
泡立てる。搾り取るようなぬるりとした快感が、カリを中心に爆発的に広
がってくる。
「ふああああああっ!」
 腰を進める。きつい弾みで唇がはずれ、悦びに満ちた声が部屋に響いた。
アトレイアは懸命に俺にすがりつき、快楽に耐えようとしている。その
さまをたまらなくいとおしく感じ、キスを繰り返した。
「ん、ん、ん、ん、んああっ!」
 腰が止まらない。速さが増すたびに、摩擦も、快感増していく。
 もう、こちらの限界も近かった。
 ついさっきまで処女だったアトレイアの膣が、今や俺と共に快楽を得る
ため、俺のペニスを締め上げ、精液を搾り取ろうとしている。そのことが、
俺の快感を更に増幅させていた。
「あああああっ!」
 腰を激しく打ち付ける。きゅうきゅうと締まる快感が根元から先端まで
を間断なく駆け巡り、俺を射精へと導いた。

「やあ、あ、あ、あ、あっ!」
 アトレイアを強く強く抱きしめて、目いっぱい密着する。肌と肌の触れ
合いを通じ、お互いの体温を共有した。
「くっ!」
「!?」
 最後に、子宮口に強く先端を押し付けると、アトレイアの膣が一際強く
、収縮した。それが引き金となった。
 俺は吸い尽くされるような快感と共に、精液を発射した。

「あ、あぁぁぁっ、ふああああん!」
 どく、どく、どくと、俺の子種をアトレイアの子宮に送り込む。俺の欲
望そのものの液体を、アトレイアが受け止める。
「あ、や、あっ!」
 放出した精液を受け止めるごとに、アトレイアは身体を強く震わせてい
た。その秘部からは、俺の精液がとめどめなく溢れ出ている。
 付近のシーツは、大量の愛液と精液でびしょぬれになっていた。
 焦らしてきた全ての快楽を放出するかのように、俺の射精は長く続いた。
その間、アトレイアは俺の背中に手をやり、爪が食い込みそうなほど掴み、
ただ俺を求めていた。


 射精を終えて、ペニスをぬるりと抜く。
「んっ!」
 抜いたペニスの先端は、精液にまみれて白くてかっていた。
 その様子を、アトレイアはぼうっと眺めている。
 俺はそんなアトレイアに、容赦なく命令した。
「口で綺麗にしろ、できるな?」
「……」
 アトレイアは瞳に恍惚とした光を浮かべたままこくんと頷いた。それで
こそ俺の肉奴隷だ。
 俺のペニスに近づき、一度、小さくキスをした。射精直後の敏感な粘膜
への、美少女のキスに、俺のペニスは即座に硬度を回復させる。
「あ……」
 アトレイアがもらした声に、なんとなく嬉しさの感情が含まれているよ
うな気がした。
「んっ」
 そんなことを考えているうちに、アトレイアが亀頭全体を口に含んだ。
 小さな口をいっぱいに開けて、ぱくりとペニスを加えると、舌によって
丹念なマッサージを始めた。
 舌がカリのまわりをなぞる。痺れるような感覚が、下腹部に広がる。
 亀頭が何度も舌の裏で撫で回される。
 尿道口を舌先が這い回り、射精をまた促すかのように何度も突付かれた。
「……ん……」
 アトレイアは最後に唇をすぼませ、きゅうっとペニスを吸った。
 途中に残された精液を吸い取るため、だろう。その吸引は、アトレイア
の愛液で濡れそぼった極上の膣内にも劣らぬ快感だった。
「よし……」
 名残惜しいがフェラをやめさせ、アトレイアと向き合う。
「では、もう一発やるぞ」
「…………はいっ……」


 アトレイアをベッドの上で四つんばいにさせ、後ろからおおい被さる。
 その太腿には、ねばねばとした白い液と、大量の愛液と、一筋の赤い血
が伝っていた。
 絶頂の連続で腰を上げるのも辛いだろうが、まだまだ俺の欲情は放出し
きっていない。
「いくぞ」
「……は……は、いっ……」
 ず、ず、と腰を進める。相変わらずアトレイアの中はきつい。だが、俺
を招くかのように、膣壁がうねうねとペニスに吸い付いてくる。気持ちい
い。やはりこいつは最高だ。
「あ、はああああっ……」
 ペニスが奥深くまで埋ると、アトレイアが深い深いため息をついた。
 かまわず、俺はピストンを再開する。精液と愛液で十分すぎるほど濡れ
ていた。触手のように纏わりつくアトレイアの膣。まるで精液が足りない
とねだっているかのようだ。
「あっ!」
 うなじが色っぽく紅潮していたので、吸い付いて、俺の印を付ける。
 耳たぶをかぷかぷとかむ。乳房を後ろからもみしだき、ほとんど搾乳に
近いほどに乳首をつまむ。
 そのたびにアトレイアはいちいち反応する。うなじを吸えば首をこくん
と振り、乳房に触れれば全身をびくんと震わせ、乳首をつまむと一際高い
嬌声を上げる。
「んっ! んっ! ふぁっ!」
 アトレイアの反応に満足しながら、俺はその下半身に手を伸ばした。
「んっ! ……え……!?」
 そして、充血したクリトリスにそっと触れる。
「ひ、あ、や、ああああああああああっ!」


 アトレイアは今までで一番敏感な反応を示した。背が勢い良く反り返る。
 クリトリスの皮をそっと剥いただけだ。それだけで、アトレイアはまた
絶頂に達してしまったらしい。
 だが俺は行為をやめない。指を愛液で濡らして、円を描くようにクリト
リスを愛撫する。愛液を敏感な突起に塗りたくる。
「あ、あ、アク、ト、さ、ああああああっ!」
 息も絶え絶えにしながら、アトレイアは膣をぎゅうぎゅうと収縮させた。
ペニスが周囲の壁と同化するような錯覚に見舞われるほどの強い圧迫と、
そして快楽が伝わってきた。
「やああっ、ああああっ、ふあああっ!」
 片手でクリトリスを転がしつつ、ペニスを何度も出し入れする。摩擦が
生み出す快楽が、俺の欲情をえんえんと駆り立てていく。すぐに二度目の
射精の衝動が襲ってきた。
「アトレイア……」
「い、あ、あ、や、あ、あああっ!」
「よし……いくぞ」
「ん……ひやぁぁぁぁあああああっ!」
 沸きあがる快感に逆らわず、俺はペニスで子宮を叩き、射精した。
「あ、ああっ……ふああん」
 全身を震わせて快楽に浸る、アトレイア。
 その膣の奥深くに、どくん、どくんと、欲望を解き放つ。
 大量の精液が膣全体を満たす。今まで感じたこともない、とてつもない
快楽と充実感。
「あ……アクト……さ……ま……」
 射精を終えてペニスを引き抜くと、アトレイアは最後に俺の名前を呼び、
それからまぶたをゆっくりと閉じて、力尽きたかのようにベッドに倒れこ
んだ。


「わたしはこれから……どうすれば、いいでしょうか」
 アトレイアが目を覚まし、服とその他の準備を整えた後。
 アトレイアがそう切り出してきた。
「どうするも何も、お前は俺の肉奴隷だ。永遠に俺に奉仕し続けろ」
「はい。どうすれば、もっとアクト様にご奉仕できるでしょうか?」
 ほう。その発想は今まで無かったな。
 とはいえバナナで練習するとかされても困る。
 それはそれで微笑ましいが、微笑ましいだけだし。
 ふむ。ここはひとつ――
「自分で考えて、実行してみろ」
「……え?」
「選択したのはおまえ自身だ。どうやって奉仕するか、自分で考えてみろ」
 発端がどうであれ、有り余る自責の念を抑えて、俺への愛だか何だかを
表明したのだ。そのぐらい、今のアトレイアにとっては簡単なはずだった。
「……はい。ちょっと、自信がないですが……わかりました」
 前言撤回。やっぱり簡単じゃないかもしれない。
「……。まあ、アドバイスはしてやろう。とりあえず自己認識を改めろ」
「え?」
「アトレイア。お前は、俺が今まで見たこともないほど綺麗だ」
 アトレイアは俺の言葉を聞いて、数秒間意味が理解できない様子だった。
 が、やがて理解したらしく、ぽっと頬を染めた。
 そして笑って、照れながらだが、ありがとうございますと言った。
「うむ」
 彼女が自分自身への賛辞を素直に受け止めた。
 それはとても喜ばしいことだと思った。

(完)