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貫かれた右肩から止めどなく流れる鮮血が、既に選択肢を二つのみとすることを悟らせた。
横たわる衛兵の骸を踏みにじると、返り血で深紅に染まった鎧が朝日に反射し赤い後光を放つ。

『剣聖』アルティントップ。
そしてカルラにとって、目の前に対峙する者への選択肢は「生への懇願」か「死への突貫」のみとなった。

「よ。メンコちゃん。探してたぜ。」
「・・・・・ハァ?アンタなんかに探される覚えは無いけど?」

軽口を叩くカルラは瞳の輝かない笑顔で精一杯の強がりを返すと、動く片手でデスサイズを構えた。
「お、やるじゃん。まだやんの?」
ヘラヘラと笑うアルティントップは剣を構えようとせず右手に擡げた生首を、ポンッとカルラに手渡した。
他人の首など見なれている、まして、自分から何度となく処刑を遂行し、素首を落として来たカルラにとって
そんな物が恐怖や邪念の対象と成るわけも無く、デスサイズで薙ぎ払うと鈍い音を立てて首は転がった。
「おいおい、ひっでぇことするなぁ。オトモダチにさ」
ぴたりとカルラの真正面を向くように止まった。絶望を称えた表情で、顔の半分が暴力によって半壊している面、
「アイ・・・・リーン・・・・」
「ああ、その子、アイリーン?って名前なんだ、どーもさ、俺他人の名前の覚えが悪くてさ」
カルラの体から一気に血の気が引いた、一つ年上ながら副官としても理解者としても
カルラにとっての心の空洞を満たし癒してくれた友が、今絶望の淵で首と胴を切断され、冷たい物体となっていたのだから。
わなわなと身体が嘶く、怒りとも悲しみともとれぬ負の力が最後の一振りを放つだけの充分な気力を産む。
「あああああああああっ!!」
今までにこれほどの怒りを感じた時は過去に一度しか無い。
その時も自らの力で状況を切り開いた、この一撃を沈めれば、いかに「剣聖」アルティントップと言えど、
カィーン。
乾いた音が響く。
打ち込んだはずの刃がまるで木板を割るように簡単に二つの刃に挟まれて折られると、くるくると宙を舞い地面へと刺さる。
絶望。絶望が鎌首を擡げる瞬間だった。最早アルティントップに対して打つ手は無くなった。
有るとするならば、今生きる為に命を乞うことと、全てを受け入れること。
「終わり?」
へらり、と邪な笑みを浮かべるアルティントップ。
「弱っちぃなぁ。『クレア』ちゃん。よく今まで生きてこれたよね」


剣を鞘に納めると、もはや抵抗する力の無くなったカルラの細い首をむんずと掴み軽々と持ち上げた。
「あれ、『クレア』だっけ?『カレラ』だっけ?まぁいいや。雑草の名前なんていちいち覚えてらんないし。」
足をバタつかせ、何とか握の誡めから逃れようとするカルラだが、武器を持ってのあの実力差。
もがこうと、足掻こうと、次第にじわりじわりと忍び寄る窒息の足音、耳が遠くなり、目が翳む。
「さっきさぁ、えーとアイ、アイ、『アイギーナ』だっけ?お前さんのオトモダチ。
 今のお前さんと同じようにさ、高いたかーいしてやったんだけどさ、失神してクソ漏らしやがったんだわ。」
ぎりぎぎりと締め上げられる、最早反抗する腕力も無くだらりと下がった手、涙と鼻水で化粧された顔、口の端に溜まる泡、
「もともとあんま殺す気は無くてさ、ただソコソコ可愛いからヤッちゃおうかなって思ってたんだけど、
 流石にクソとはヤれねーなーと思って、殺しちまったんだわぁ。悪ぃ悪ぃ。」
顔は土気色に染まり、ガクガクと震え、失禁し大腿をつたい流れる雫、薄れる意識の中声にならぬ声で喘ぐカルラ。
そこでアルティントップは、またへらりと笑うと、カルラの首の誡めを解いた、ストン、と力無く崩れる。
「まぁ、ションベンくらいなら許したげるよ。俺超親切だし」
ゼハッ、ゼハッ、息を切らして、少なくなった酸素を必死に脳に送ろうとするカルラ、そのカルラに強烈な前蹴りが襲う。
「ギャッ!」と力無い悲鳴で後ろに仰け反る。「なぁ、顔見してくんないと燃えてこないじゃん」とアルティントップの笑顔。
「・・・・ガッ・・・ハァハァ・・・ぅふぐぅ、っぁげんなぁ!何が、何が『剣聖』だ!
 何が『無限のソウル』だ!ただの変態の人殺しだろ!殺せ!早く殺せ!テメーのツラなんか1秒たりとも拝みたくねぇんだよ!」

『剣聖』『無限のソウル』アルティントップの持つ二つ名。
『剣聖』は、リベルダムの闘技場で、『剣聖』レーグを試合中に圧倒的な強さで捻り殺した時に賜った。
そして『無限のソウル』
誰と無く、アルティントップをこう称すようになった。
ある日、綺羅星のごとく現れた青年が、闘技場で無敗の王者を殺し、ロセンを滅ぼすために帝国の傭兵として剣を振るい、
しかしアキュリースに組し帝国から水の都を守り、そして、今度はロストールに組し帝国を窮地に追いやっている。
その飽くなきソウルの泉は、一人で全ての時の流れを崩壊させる槌として、戦神ソリアスの権現とも呼ばれていた。
最も、戦の憂いを知るソリアスとは似ても似つかぬ残虐性。破壊神ウルグの権現と呼ぶのすらおぞましい。


カルラの顔面に拳骨が振るわれる。鼻をへし折るほどの衝撃、吹き出す血が返り、アルティントップの頬を汚した。
「あ、きったね。つか、あんま血まみれで豚そっくりになるとヤル気も失せるからさ、もうやんないけど」
下半身がほぼむき出しの状態のカルラの当て布を軽く引き裂くと、そのまま溢れた尿で湿る薄い毛の覆う秘処を弄る。
「殺せぇ!テメーオラァ!すざっけんな!」
「おーお。威勢がいいね。てかお前さんずいぶん具合のユルいの持ってんじゃない?」
ぐぐぐっと、愛情の全く入りこまない指が、二本三本と押し込まれる。
「あぐぅ、痛っぐぁ・・・・ヤメ・・・ヤメッ!痛ぁっっっ!」
「これさ、拳入りそうだな。お前遊んでんなぁ。ショックだー。まぁそのナリじゃほっとく奴も居ないだろうけどね。」
四本、五本と入り込んだ指。ぐっと力を込めてカルラの細い腰をえぐり、膣を破壊せんばかりの握り拳が突き刺さる。
「ギャーッッッッッ!痛ぐぁがぁぁっ!!」
「お、入った。すげーな。女体の神秘。小さい体してっからどーかなと思ったけどよ。
 アキュリースの水の巫女さんも流石に拳は入んなかったんだよね。すげーすげー。」
ぬちょり、と手を引き抜くと、カルラが自らの身体を守ろうとした証、愛情の入り込まない愛液で拳が濡れていた。
「ケツはどうなの?入れれる?」
濡れほぞった手はそのままカルラの尻を揉みしだき、尻の穴をねちょりと責め出す。
「やっ!!ヤダヤダッ!!ヤメロキチガイッ!!死ね!!死ねぇ!!」
「いやーいいケツしてるね『レルラ』ちゃん?あ、違う?まぁいいや。
 俺さロセン時からお前のこと狙ってたんだ。まぁそもそも、俺の目的なんて目当ての女コマすってだけのケチなもんなんだけどさ。」
三本の指を無造作に射し入れた尻を、くぱっくぱっと拡げられ。肛門括約筋が反抗できなくなるほど、蛇のように執拗に指が蠢く。
「闘技場ん時はさ、『ケリュセウス』?だっけ?お前さんが後々ギロチンしちまったお嬢さん。
 アレとヤりたいがためにボルダンのゴリラ殺してみたりよ。アキュリースん時は水の巫女さんが目当てだったしよ。
 まぁ、他にもワケわかんねぇお使い頼んできた、『ケルペコ』?だかってハーフエルフの女、話聞くフリしてヤッちまったり」
大股を開き、赤ん坊に襁褓を履かせるような格好で尻を陵辱されるカルラを前に、アルティントップは邪悪で無垢な笑顔を崩さない。
「して、ロセン時にチャンスが無かったからよ。今回はロストール側なら行けるなって思って、お前さんとヤりたかったからよ。」
朝日が一層、アルティントップの鮮血の鎧を染める。青い死神が赤い邪神の軍門に下る姿を描く絵画のように。
「殺せ!殺せぇっ!こんなのイヤだっ!こんな終わり方イヤだっ!殺せっ!変態!畜生!」
「前の具合悪そうだしこのままケツに入れるから。」
腸液が愛液と混じり合って、ぱくりと湯気を放ち開いた肛門に、アルティントップの性器が捻り込む。
「うっーっ!あぐぅいいいいいいっ!!!」
「どーだい?ケツだと初めて?気持ちいいかい?もともとお前程度の女はな、ケツ振る為だけに生れて来たようなもんだしな。」
暴力が産む腰の回転。カルラという一個人に対して快楽を求める為の性交ではなく、
それはまるで穴を穿つためマトックを振るう工夫のような、力強く作業じみた行為。
アルティントップにとっては、犯す対象を見下す自分に対する陶酔が快楽の原点となる。
捲れるように、伸び、縮みを繰り返すカルラの直腸。逃げようとしても掴んだ頭を地面に打ちつけられ
地獄の業火のような熱がカルラの腸壁を焼き、死より辛い激痛をスローモーションで与える、
「おーい。どーした?ホラ吼えろよ。ワンワンワンって雌犬みたいにさ。なぁ!?」


滲む涙の向こう側で、本当の笑顔を浮かべながら犯すアルティントップを見ながら、カルラは思う。
何故、こんな奴に神様は力を与えたの?何故こんな奴に神様は本当の笑顔を与えたの?
暴力で支配する以外に人は幸せになる方法は無いの?正しいことのために剣を振るうアタシが何故こんな目にあうの?
目の前に溢れたものが感情の爆発で一気に零れると、ぽつり、とカルラの口から以外な台詞が漏れた。
「た・・・・たすけて・・・・」
口に出した言葉を自らの耳で聞き取ると、今まで封印されていた心の扉が開かれ、回転絵巻のように記憶の渦が蘇る。
ロセンを滅ぼした時、ペウダの遠い親戚にあたる少年がカルラに懇願した言葉、カルラは泣かないでと慰めながら首を落とした。
解放軍のリーダー、クリュセイスも今際の際に同じ言葉で懇願した。カルラは無表情でその素首を落とす。
思い出せば、父も母も姉も弟も想い人も、ロセンやロストールの兵も、退治される魔物も、そしてランバガンの兵士に犯された己も、
同じ言葉を吐いて、命の懇願を行った。カルラ自身を除けば其れが全て無駄な音声へと変わった。
カルラも、あの時偶然弄った手元にあった農作業用の鎌で上に乗る兵士の首を貫かなければ、その言葉も音声になっていただろう。

「助けてっ!!助けてぇぇぇっ!!お母さん!!お父さん!!お姉ちゃん!!ネメア様!!アイリーン!!」

そして、悟った。
己が正義を貫く暴力が招いた結果がこれだと、暴力が産んだ更に大きな暴力なんだと。
己の正義を貫いたのは、カルラ自身も、ロストールのエリスも、ペウダも、ネメアも、アイリーンも、名も無き兵士も、
そして、目当ての女を蹂躙するためだけというアルティントップも同じ。『理由』が有るから、そこに遂行する『正義』が有る。
カルラも笑顔を絶やさないため、ではなく本当の笑顔を取り戻すためという私戦は、彼の『理由』とも全く変わらないのだろう。

「お願いします!たす、助けて下さい!!お願いします!!」

泣き喚き、懇願し、最早青い死神はそこには居ない。居るのは青い鎧を着た、土臭い田舎娘。
「・・・・んだよ。つまんね。」
アルティントップから優雅な笑顔が消えた。かわりに表情は見る見る屠殺される豚を眺めるような冷たい目へと変わった。
「やっぱお前さん死ねや。つまんねーから」
「おぅあ願いしまずっ!たじげで下さい!何でもしますっ!たすげっ!たずげネッ!!ネメア様ぁぁぁぁっ!!!!」

「そーいやさ、知ってる?女って首落とした瞬間に最高に絞まるらしいよ。ケツもそーなんかな?」

────ダンッ。