とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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未来の娘の訪問 2



「いっただきまーす!」
「「いただきます……」」
美零は嬉しそうな一切れのハンバーグをフォークを使い、大きく開けた口に放り込む。
一方隣に座る美琴と向かいに座る当麻は、脱力しきっており料理に手をつけてない……
それもそのはずだ、良い雰囲気で美琴と当麻がキスをしようとした寸前で美零達が現れ、恥ずかしさの余り漏電した美琴に電撃を浴びせられ、
御坂妹は驚愕し何やら叫びながら走って行き、カエル顔の医者とナース達は『やれやれ』といった表情で扉を閉めようとし、
美零は「パパとママがラブラブだぁ~」と抱き付いてきて、先ほどまでの空気はもはや何所にも無かった。

その後本来は入院した方が良いのだが、美零の件や暗部残党の強襲を懸念し帰宅する事に、
帰宅途中に昼食としてファミレスに入り、こうして家族三人で食事をしている所だ。
「アレ~?二人共食べないの?オイシイよ!」
美零は二人の空気等気にせず笑みを振りまいており、二人はそんな美零を見て気を良くしたのか、沈んだ顔が明るくなり料理に手をつけ始める。
「ん、当麻は食べないの? ……あっごめん、右腕固定させてたっけ? ……ハイ、あーん?」
右腕固定はしなくても良かったのだが"念のため"と言う名目でカエル顔の医者に処置され、上手く食べられない当麻の料理を美琴が箸で掴み口元へ持ってゆく。
「いやいや、自分で食べますって! さすがに……その……」
当麻の顔が若干赤みが現れると美琴も、今ファミレスで周囲の目がチラチラとこちらを見ている事に気づき、赤らめる。
「ええぃ! ケガ人は大人しく言う事聞けぇ!」
その様子を見ていた美零は、自分の分の一切れのハンバーグを美琴のように当麻へ差し出した。
「……ええぃ! こうなりゃなるようになれだ!」
自棄気味に美琴が差し出している箸と料理を口に含み、美零が差し出すハンバーグも食べる当麻だった。


「ふぅ、上手かったな」
「そうねぇ~何だかいつも以上に、美味しかった気がするわ」
「美零もお腹一杯~」
口元にハンバーグのソースを付けている美零に気づき、口元を拭いてやる美琴を見てると(本当に夫婦みたいだよな)と考える当麻だったが、
「お姉様~ぁぁぁぁ」とファミレス入り口から聞えた声に美琴と当麻は一瞬にして凍りつく、
物凄い勢いで走り寄ってきたのは、美琴と同じ常盤台中学で"風紀委員≪ジャッジメント≫"の白井黒子だ、
「待ってくださいよ白井さーん」
「御坂さん居たんですか~?」
と更に続く声に美琴の顔は青くなる一方だ、白井の後に現れたのは初春飾利、彼女も白井同様、風紀委員であり、
初春の同級生で友人の佐天涙子が後に続いている。
存在その物が危険分子となった美零は、青ざめてる美琴の頬を掴み心配そうに覗き込む。
「……あらあら! 可愛いですわね、お姉様の姪っ子でしょうか?」
「あ、本当だ。御坂さんソックリ」
「姪っ子って言うより姉妹に近いですよね~」
美零を見つけると白井は両手で抱えて、後ろに居た佐天と初春に向け、頭を撫でたりするが、美零の顔は今にも泣きそうに涙を瞳に溜めてる。
突然現れた、見知らぬ彼女達に母親である美琴の顔が青ざめ、いきなり抱えられた為だ。
青ざめていた美琴はすぐさま美零を白井から奪還すると、頭を撫でてやると穏やかな顔になり涙は止まった。
「ふぅ、良し良し。……ちょっとパパと一緒に居てね~」
と美琴は美零を抱え、反対側に居る当麻に預けると白井達に振り返る、どうしたものかと脳の演算をフル回転させている。
ルームメイトの白井には、寮長が"とある事情≪美零≫の為休学し外泊する"と告げられているはずだ。
詳細は混乱と無用な問題を回避する為知らせないでいたのが……
「今その子にパパって言いませんでした? 御坂さん」
最初に切り込んできたのは佐天だった、彼女は事こういった事には素早く勘も鋭い。
その『パパ』という言葉に白井は美琴の後ろに居る、当麻を見ると顔が一気に青ざめてゆく。
「お、お姉様!? まさか、そこの類人猿……もとい殿方と、ふ、不純異性交……」
そこまで言うが精一杯か、白井はショックで気を失い、後ろに居た佐天、初春が支える形となり、美琴は片手で顔を覆い溜め息をついた。

「――という訳なのよ」
美琴と美零が座っていた席に窓際から、白井、初春、佐天の順に座り、向かいに当麻、美零、美琴の順で座っており、
白井はすぐに目を覚ますが酷く沈んでおり、美琴の説明を聞き終わる頃には、テーブルに顔を付けている。
「じゃその子は御坂さんと、と、当麻さ――」
佐天の頬が赤みを増しながら、歯切れが悪くなった途端、美琴の威圧的な視線を感じる。
「……上条さんの子供なんですよね!?」
(御坂さん何だか怖い、それほど上条さんの事好きだったのかな?)と美琴の視線を脇から見ていた初春は生唾を飲み、佐天は冷や汗を掻いている。
「まぁ、美零の言葉を全部信じるならな、何年後から何しに来たのかは、まだ教えてくれねぇし」
白井以外の視線が美零に集まり、当の本人は急に見つめられ、照れて顔を真っ赤にし、当麻の腰に顔を埋めてた。
「とりあえずそういう事だから、この子が未来に帰るまでは世話をする事したから、それまで一人だけど我慢してね黒子」
「え? 御坂さんは何所で寝泊りしてるんですか?」
「そうそう、話の中でも上手く抜かれてましたけど?」
二人の追及に心臓が高鳴り、(しまったー!)と頭の中で悔やんでいると横から、
「あー俺んちで美零と三人で寝泊りしてるけど?」
当麻の何気ない告白に、美琴は顔を真っ赤にし、佐天と初春も顔を赤らめ、白井は鬼の様な形相になり当麻を睨みつける。
(やべぇ、俺変な事言ったのか? ……不幸だ)
初春と佐天は当麻の発言に二人で小声で何やら相談していた――その時だ、
ファミレスの外の車道から車が歩道を挟んで当麻達が居る窓へと突っ込んで来た。


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