五節 忠誠と野心32


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「お前はいきなりっ! 何をするんじゃ!!!!」
やはり、当然の反応をシドは示した。自分が初対面の人間に殴られる理由をシドは知らない。
「これくらいは我慢してもらわんと困るわ……」
テラ自体も自分のしている事が、いかに不条理で馬鹿げている事なのかも自覚しているのである。
ここで、この男を殴ったとしても更なる悲しみと空しさが襲いかかってくる。
しかし、どうしても止めることができなかった。
「アンナはもっと、もっと苦しい思いをしたんだからな……」
そこまで言ってやっとヤンにも意味が分かった。テラがシドを殴ったという事も含めて。

「アンナじゃとお……」
早くもテラに反撃の一撃を返そうとしていたシドであったが、それを聞いて、動きを止める。
その人物が誰なのかは当然分からない。
「あの時……娘さんがダムシアンにおられたのです」
ヤンはシドにそっと耳打ちをする。あの時という部分は敢えて説明しない。ここにいる者は誰でも
知っていると思ったからだ。
「そうなのか……」
それを聞いたシドには最前までの気力は消え失せていた。
それどころか、すっかりと消沈してしまった。
シドにとってもこんな事は初めてであった。自分の飛空挺が軍事利用されている事は重々に承知していたし、
そに事に遺憾とした気持ちを抱いていると自負していた、つもりであった。
だが、このようにその飛空挺によって、大切なものの命を失ったものには、初めて出会ったのだ。
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