変わる世界 交錯する言葉15


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幾多ものハプニングに見舞われつつも、多くの助けがありつつも無事にダークエルフを退け磁力の洞窟から
セシル達は帰還した。
だが帰還の後、休む間もなく夜が明けた。そして未だ朝日も昇らぬ程の早朝、カイン達が再び飛空挺でやっ
てきたのだ。

<ローザの命はそのクリスタルと交換だ>
忘れもしない友――まだそう呼ぶ事を<彼>は許してくれるのだろうか?――否、愚問であろう。
セシルは脳裏によぎった考えを即座に否定した。その関係を取り戻す。<彼>と<彼女>と誰でもない
<自分自身>三人のだ。三人の二人でなく、三人全てのだ。二度目のバロンからの旅立ちの時に決心
した。セシルの大きな目的の内の一つ。その為に今ここにいるのだ。

(カインは俺についてこいと言った。今のあいつが何を考えているのかは分かる……分かっているつもりだ。
だから僕にはあいつがこのまま俺達に罠など用意するはずがない)
「セシル殿?」
「!」
一言言ったきり考えこむセシルにしびれを切らしたのか、ヤンが捲くし立てるように問いかける。
「ああ……とにかく今は向こうを信じなければ打つ手はない。おそらくローザは奴らの本拠地にいる……
おそらくカインも其処に連れていくのだろう」
その言葉が事実なら罠を仕掛けている可能性は充分だ。もし、そうでなくても事が穏便に済む保障は全くない上、
万一の時には危険がつきまとうであろう。
「私は……未だにあやつが……カイン殿とやらを信じる事が出来ません! あのような邪悪……危険な匂いの
する者を……」
仮にもセシルの友であったものをそのように呼ぶことに失礼を感じたのか、所々の言葉を選びつつヤンが言った。
ヤンにとってカインは戦いを共にする者の親友である以上に、祖国を壊し、幾人もの同胞を手に掛けたものなのだ。
そして、一時は自分すらも利用されたのだ、国を愛する彼にとっては侮辱に近い仕打ちであったはずだ。
さぞかし怒りや憎しみがあっても無理はない。
「すまない……ヤン」
そんな事は既にセシルにも分かっていたし、ヤンもだからと言ってセシル自体に恨み節をぶつけた事は一度もない。
……だからこその<すまない>なのだ
本来ならばカインやゴルベーザに対しすぐにでも一矢報いたくても仕方ないはずだ。だが、セシルにはローザが
いる。彼女を救わねばならない。そしてカインともこのままという事はあってはいけない。其処にはただ敵として
剣を交えるだけではいけない。
ヤンはその事を承知した上でセシルと行動している。自分の気持ちを後回しにしてまでセシルに付き合ってくれるのだ。
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