変わる世界 交錯する言葉19


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疑問が確信に変わったのは、カタパルトフロアを抜け、何部通路までたどり着いた時であった。
未知ともいえる機械類で構成された壁が幾重にも連なり、迷路のような構造をなしている塔内部。
これなら待ち伏せされてようが、大多数を相手にしなくて良いか? だが……通路の構造次第では
挟みうちの危険が――等とこれから始まるであろう戦いの状況判断を頭に張り巡らせていた。
だが――そこにやってきたガードロボットは僅か一機だけであった、それも見るところ迎撃用の装備等
は到底持っていそうにない――そのガードロボットから発せられたが…

「なんのつもりだ?」
ガードロボットに、正確にはそこから発せられたカインの声に、真っ先にテラが言う。
「私達を罠にでもはめるつもりだと思っていたのだが……」
思った以上に穏便な向こうの歓迎に、此方の推論を打ち明け尋ねる。
「ふ……今はまだその時でない」
「どういう意味だ?」
「言葉の通りだ。まずは最上階までこい。其処にゴルベーザ様はおられる。勿論ローザも一緒だ
早くしなければローザの命は保障できんそうだぞ」
「カイン!」
ゴルベーザを敬い、ローザの身の重大さをさもあっさりと述べる友……セシルは思わず彼の名を叫んだ。
「慌てるな、セシル。クリスタルさえ渡せば、ゴルベーザ様も悪くは扱わんだろう」
「…………」
「ガードロボットの連中達も出来る限り迎撃させないようにしておいた、さほど苦労せずに上までこれる
だろう……まあ、あくまで<できる限り>の事なので不手際があるかもしれんがな。それではな……」
そこまで言ってガードロボットの声は途切れた。ガードロボットはそのまま来た道をゆっくりと引き返して行った。
「…………」
「どうしますか?」
沈黙するセシルにヤンが尋ねる。
「行くしかなかろう……」
テラが静かに答える。突入前の戦意や意気は若干鳴りをひそめてしまったようだ。
「ああ……うん。行こうか……」
セシルもそれに応え、先に歩きだす。
(カイン……)
――歩み始める聖騎士の脳裏にはいつの間にもその名が離れずにいた。
彼にとってはローザは掛け替えのないものではなかったのか? セシルの存在すら差し置いてでも?
ならば何故「彼」は「彼女」の命をも天秤にかける行いに加担しているのだ? 己の心を支配されているからか?
そこまで「彼」の心は堕ちてしまったのか? 違うだろう。「彼」は見境なく誰かの手足になるわけはない。
考えるだけ野暮といったところか、それは「彼」に聞けばいいのだ。そして、それがセシルの目的――
そう遠くない未来に見える一筋の道――そっれがあるからセシルは迷うことも挫ける事も無く先を進めるのだ。
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