第1章 SeeD-70


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「あ……あなた方でしたか彼女を助けてくださったのは」
俺がどうでもいいような考えを張り巡らせているともう一人の男がこちらに向き直り、慇懃無礼な会釈を交わす。
「いえ、教官としてこのくらいの事は当然です」
男の律儀な謝礼に勝とも劣らぬともない位にキスティスはきびきびと返事を返す。
その言葉には嘘が交じっている。
正確にはもう教官ではないのだが……? 見ると彼女にも自覚があるのか、真面目な表情に悪びれるように舌を出していた。
堅物に見えるが……意外な面もあるのだな。
「ほら」
考える俺に視線を向けている。
「ああ」
俺も礼をしろということか。確かにそれが礼儀というものだろう。慌てて俺も男達に礼を返す。
思えば今日一日はほとんどキスティスと一緒であった。いつの間にか彼女の一声が何を言いたいのか咄嗟に判断できるようになっていた。
彼女のペースについていけているようになったのか。あまり嬉しくはない。
「…………」
さっきから俺はどうでもいい事ばかり考えてる。無理もない、いきなり見知らぬ女に自分の名前を呼ばれたのだ。
俺としてはあまり気分のいいものではない。考えてもわからぬのなら、できるだけその事実を頭の隅に追いやりたかったのだ。
<今直接彼女に聞いてみればいい?> 
心でそんな考えがあったものの、なかなか口にだせない。こういう時にゼルならすぐに質問するだろう。
あいつの性格が少しだけ羨ましくなった。 
「では我々はこれで」
女の手を持った方の男がそう言った。白い服の男達は、互いに声が無機質なので、聞いただけではどっちが喋っているのかわかりづらい。
「では」
慇懃無礼な男の方が踵を返し立ち去る。
続いてもう一人の男が立ち去る、途中女と俺達がすれ違う。
「ありがとね――またね――」
「――――!」
その瞬間発せられた言葉は俺とキスティスを凍りつかせた…
彼らが立ち去り、入口の自動ドアが完全に閉まりきった後でも、俺とキスティスはしばらくの間人口のサバンナに立ち尽くしていただろう。
「誰なの」
ようやくキスティスが口を開く。
「さあ」
自問自答なのだろうが、俺はつい返答していた。
確かに彼女はこう言った

――またねスコール、キスティス
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