第1章 SeeD-71


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消灯時間からどれくらいたったのだろう。
さすがの秘密の場所へと入り浸る連中もお開きの時間なのだろう。
秘密の場所の一角に立ち尽くす俺達を尻目に幾つものグループが歓談と共に就寝するために帰路へとついていく。
俺達はしばらく動けなかった。キスティスも動かなかった。
こういう時、セルフィ辺りでもいればすぐにでも何かを言って帰ることができたのだろう。
だが俺とキスティスだ。一度つぼにはまって考えてしまうとなかなか動きだすことができない。
結局、俺達がようやく帰路につこうとしたのはあれから三十分程してからだろう。
AM2:00前後それくらいだっただろうか、蛍光灯がまばらに点滅する薄暗い廊下を俺達は歩いていた。
「私ってやっぱ生徒の間じゃ人気者なのかしら」
自惚れた言葉だ。だが、この場合は疑問を納得させるためであろう。
「スコールも、サイファー……風紀委員とやりあってるからね」
「悪かったな」
それだけ言って後は黙った。
もうさっきの女性の事は考えたくなかった。
「そうね」
察してくれたのかキスティスもそれっきり何も言わなかった。
深夜の沈黙した廊下に、靴音だけが響く。
「じゃあ……スコール付き合ってくれてありがとう」
訓練施設とガーデンの結ぶ廊下も終わりにさしかかった時、再びキスティスが口を開いた。
「あ、それとね最後に一つ。誰だって一人で生きてるわけじゃないんだから……」
さっきの秘密場所で俺が言った言葉への返答のつもりなのだろう。
<不満や悩みなんて壁にでも話しかけてろ>
こんな感じだったか。
「あ、返事はいいからね。今日はこれで終わり、だから最後に一言って意味。否定も肯定もしないで。
教官としての説教としても、とらなくていいです。ただの一個人の一意見ってことで」
それだけ言って颯爽と歩きだす。
「また明日から頑張ろうね」
帰路の分岐点。最後に振り返りそれだけ言い残して。
俺は何も言わなかった。
ただ心の中でこう思った。
<そんなこと誰が決めたんだ?>
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