穿つ流星19


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「最初はね……私も怖かったの」
「お母さんかい?」
「うん……シャーロットの方はね快く思ってたんだけど」
「でもバロンに帰ったらちゃんと母さんの元には行くんだよ」
「分かってるわ。きちんと逃げることなく向かうわ。その時にはあなたも……」
「ああ……」
「…………」
「やれやれ、お熱いこっちゃ」
時々の沈黙を交えながら続く二人の談笑に、一先ずの割り込みを欠けたのはシドの銅鑼声であった。
「シド……」
その声に気づいたローザは恥ずかしそうに顔を赤めながら彼の名を呼んだ。
「いや、すまんな。なんだか邪魔を入れてしまったようで……」
恥ずかしがるローザを見たせいなのか、思わずシドは謝罪の言葉を述べる。
「いえいいの。それよりシドも来てくれたのね……」
思えばセシルの後を追ってバロンを飛び出して以降、ローザがシドに会うのは初めてなのである。
「シドにもお礼を言っておかないとね、ありがとう……」
紆余曲折が会ったものの、ローザがカイポまで辿りつけたのは彼の言葉が大きい。そして今こうして再開できたのだ。
感謝の言葉が出るのは当然であろう。
「いやいや、わしはただ思ったことを述べたまでだわい! お前さんをいっつも大事に想っとるのはセシルの方じゃ!
此処に来るまでもずっとお前の事を考えておったぞ! のう?」
「え……ああ…」
シドとローザの会話の中、若干蚊帳の外におかれていたセシルが若干戸惑いながら答える。
確かにシドの言う通り、ローザの事は大切に思っていた。だがそれをあらためて言葉にされるとやはり照れてしまう。
ましてやローザの前である。
「でも、ここまで来れたのもシド……みんなのおかげだよ。僕一人の力では決してここまでこれなかったよ……」
照れ隠しのつもりで思わず口走った言葉であったが、その内容に嘘は含まれていない。
「そうか! 考えればそうかもしれんな! のうヤン……」
シドがどう思ったのかはセシルには詳しくは分らなかったが、シドの方は同調してヤンに言葉を振る。
「ええ、そうですね」
後ろの方で静観を決め込んでいたヤンが返答した。
「ヤンも来ていたのね……良かったわ無事で……」
安堵の溜息をもらしつつもローザは周りへと視線を張り巡らす。
「…………」
その様子から彼女が誰を探しているのかを察したセシルは何とも言えない気持ちになった。
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