穿つ流星23


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「カイン、待って!」
間にローザが割って入る。
「バルバリシアも!」
「ふん……ローザかい!」
バルバリシアはカインだけでなく、ローザの事も知っているようであった。
「今更どうしたっていんだい!」
「私達も始末するつもりね」
「そうさ」
「だったら、何故私を助けたの?」
その言葉にセシルは驚いた。どういう事だ? バルバリシアがローザを助けたのなら、何故今になって始末する必要があるのだ?
「どういう意味だ!?」
驚いたのは全ての事情を知らないセシルだけではなかった。カインも今の事実には驚いているようだ。
「私はゴルベーザに拘束されて始末されようとしてたわ……正直もう駄目かと思ってた。セシルやカイン達が助けてくれるのを
祈るしかなかった……」
その事はセシルも承知していた。だからカインと共に急いでローザの元へと向かったのだ。しかし、結果的にその心配は杞憂に終わった。
ローザは自分の手でゴルベーザの拘束を逃れセシル達の元へやってきた。
あの時はローザが無事であった事に安堵してそれ以上の事は考えていなかった。だが、今深く考えてみればローザはどうやって拘束を
逃れたのだというのだ?
「あなたが助けれくれたのでしょ……バルバリシア」
沈黙が辺りを支配した。それは肯定を意味するのだろう。
「結果さえ同じであれば過程なんてどうでもいいんだよ……」
「ほう……それがお前の答えだというのか」
一番先に返答したのはカインであった。
「だから、馴れ馴れしくよぶんじゃないよ……!」
「なら、バルバリシア。あなたはどちらにせよ私達を始末するつもりだったって事?」
彼女――魔物であるバルバリシアにこの表現は不適格かもしれないが――の言葉を噛み砕いて理解したローザが返答する。
「そういう事になるね……」
「おかしいわそんな事!」
確かにそうであった。それはバルバリシアと大切な友人である二人の間に何があったのかを詳しくは知らないセシルにとっても、
容易に想像できた。
「だから言っただろう! 結果だけ終わりならどうだっていい。物語の始まりもどこからだっていい。間に入るシーンや登場人物も
いくらでもかわればいい。結末のみを死守すればそれは最初から一貫したストーリーになる!」
それはまるで自分に言い聞かせるようであった。
「要は俺とローザを自分の手で始末したいって事か。そう始めから……ゴルベーザの手ではなく」
「残念だね、少し違うよ」
カインの言葉をバルバリシアは否定する。
「あんたとローザだけじゃないよ……そこにいるセシルもだよ!」
「!」
今まで少しばかり蚊帳の外に追い出され気味だったセシルは、急遽自分の名前がでて驚いた。
「セシルもだと……?」
先程からバルバリシアの言葉の一つ一つを見透かすように聞き答えしていたカインにとっても、セシルの登場は予想外だったのだろう。
驚いたとばかりにセシルの方向へと視線を巡らす。
「そうさ、カイン。あんたとローザの関係は此処にやってきた時点で何となくわかっていた。でもそれは不十分だったんだ……そこにはもう
一人の人物が深く関わっていた」
「それが僕だった」
セシルには理解できた。
「分かり合うことは出来ないか……」
バルバリシアとは初対面であったセシルであるが、彼女の意思とでもいうべき覚悟は充分に伝わってきた。
「そういうことだ」
カインが呼応する。
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