罪の在処3


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奥へと続く薄暗い通路を進んでいく、一本道であったから道なりに進むだけだ。
もっとも順路には血が矢印のような糸を引いていたので、例え複雑な道でも迷いはしなかっただろう。
同時に、点在するその血痕が侵入者が確かにいる事。この奥にいるであろうことを示している。
道の終わりには豪華な装飾の施された大きな扉があった。ここがクリスタルルームであることは間違いない。
力を入れて扉を引っ張る。鉄で出来た頑強な扉は鈍い音を立てつつあっさりと開いた。扉が壊された様子がないと
いう事は最初から鍵などかかっていなかったということか。ジオット王はここまで侵入されると思っていなかったのだろう。
完全に開け放たれた扉から、中の様子が目に飛び込んでくる。クリスタルルームと呼ばれるそこは一見して地上の
それとあまり変わりがあるようには見えなかった。透明で自分を映し出す床に、中央に備え付けれられたクリスタル用の台座。
そして冷たくひんやりとした空気。何もかもがファブールの時と変わらないように思えた。
しかし、すぐにもこの場に似つかわしくない存在に気づかされる。
それは一見するとどうみてもごく普通の玩具の人形であった。とはいっても玩具にしては多少大きすぎる事と、子供用にしては
やや豪華すぎる装飾品や精巧から見て、相当高価な代物ではある。親が子供に買い与えるにしては贅沢すぎる品とすら
思われる。最も、どれほどの値打ちのものであろうが少女が愛でる人形である。この緊迫した場所には場違いな存在である
事に変わりはない。
その人形は数にしてみて六体程であり、色は大きく分けて二種類。赤というよりは橙色の人形と紫に近い青色の人形の
二通りにでそれぞれ半分づつ奇麗に色分けされている。
人形達はそれぞれが誰にも支えられることなく直立不動しており、その精巧な手が朱色に染まっている。
それが血である事は日の目を見ることよりもあきらかであった。
常識的に考えてみればおかしな光景であった。だが、あまりにも突拍子の無い場面に遭遇したせいか、セシル達はしばらくの
間身構えることすら忘れていた。
人形達の十二の瞳が一斉にセシル達へと向けられる。そこから何かの感情を読み取る事は出来ない。
「僕らは」
「陽気な」
「カルコブリーナ!」
自立した子童達が口々に言葉を発する。ここからも表情同様に何も感じる事ができなかった。
「怖くて可愛い人形さ!」
台詞が重なり合うともはや何重にも連なって言葉を聞かされているようだ。
結局人形達からは感情の揺れや、敵意といったものは何一つ感じ取る事が分からなかった
だが一つだけ言える事は向こうがこちらに攻撃を仕掛けようとしてくる事。敵意や悪意を感じ取る事が出来ないが間違いない。
おそらくは誰かが操っているのだろう――誰かとは考えるまでもないゴルベーザだ。
王の間の警備の者達がやられたのも決して彼かが未熟だったわけではない。警戒心の無いこの人形達を察知する事はどれだけの
熟練者にも無理であっただろう。

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