罪の在処5


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眼前に元凶が迫っている、しかしそんな最中でもセシルはすぐに身構える事が出来ずにいた。
相手はメテオを食らい生き残った強仁な肉体に今までこちらが先手を打とうとしても常に先回りしてこちらの出鼻を
くじいてきたゴルベーザだ。三度の直接的なぶつかりあいである今回もそのような状況だ。
それに……ゾットの際のゴルベーザとの事が未だに引っかかていたのだ。
「さて」
自分が動かないせいなのか、はたまた同じく同様しているのかローザやヤンもその場に立ち尽くしていた。
だがその時が止まったかのような空間でゴルベーザだけがいつも通りの素振りで口を開く。
「今回はお前達には用はない。この人形を遣わしたのも別段、お前達の相手をさせるわけではないのだからな」
そう言って床に崩れ落ちたカルコブリーナ達を一瞥し、すぐにも後方の台座へと向き直る。
「地底に眠る闇のクリスタル。これで三つはわが手中に収める事になるのだからな」
ゆっくりと黒甲冑の手を上空へと伸ばし空を切る。呼応するかのようにゴルベーザの眼前、台座へと静かに安置されたクリスタル
が浮かびあがる。
ゴルベーザが伸ばした手をこれまたゆっくりと後ろへと引く。クリスタルはするするとゴルベーザの方へと向かっていき、やがて
すっぽりとその手中に収まる。
スローモーションの如き、行われるその光景の一部始終をセシル達は見守る事しかできなかった。
思えばあの時、ゾットで傷ついたカインを背負い頂上へと向かう時に止めを刺すべきだったのか? あの時のゴルベーザはかなり
の手負いの傷を負っていた。あれからまだ二週間程度の時間しかたっていない。それがここまで回復しているとは奴の生命力は
どれほどのものなのだ。
あの時のゴルベーザは何故か自分に止めをさそうとはしなかった――逆に言えば自分も出来なかったのだが。しかしなんとしてでも
打ち倒すべきだったのか?
ヤンに諭され諦めの気持ちは消えうせたとはいえ、向い来る脅威を前にして浮かび上がるのは自問自答であった。
しかし、待ったはきかない。ゴルベーザの様子を見る限り、今回ばかりは本当にセシル達に用はないのだろう。もしかするとローザ
を取り戻された今、セシル達など眼中にないのかもしれない。否、ファブールでローザをさらったのもただの気まぐれなのかもしれない。

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