罪の在処16


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「うんいいよ」
拒否されるかもしれない。そう思っていたが、リディアはあっけらかんとした様子で悪びれることなく了承した。
ミストを滅ぼしたという自責の念は未だにセシルの想いに強く残っていた。その事で一緒に旅をしていた時も
申し訳無い気持ちで完全に距離を接することが出来なかった。
考えすぎだったのかもしれない。セシルは心の中で自分を責めた。
「……あいつ、今襲ってきたゴルベーザはね、正確に言えば今までセシル達が戦ってきた奴ではないの。だから私は<意志>と呼んだ」
一刻置いて、リディアが話し始める。これは確か……最初の発言、ゴルベーザを<意志>と<本体>二つの名で呼んでいた事であろう。
「今回ゴルベーザは自らの肉体から発信した<意志>を送り込んできただけだったの。だから戦い方も今までの直接手を下してきたけど、召還
なんて手段に頼ったのもその為。あいつはゴルベーザの一欠片にしか過ぎないから大した実力はないの」
そこまで言って今度はセシル達に向き直る。
「で、ここで質問。なぜそんな事をしたと思う? 別に今まで通り<本体>がやってくればいいのに?」
「<本体>になにか問題があった?」
出題に答えたのはカインだ。
「正解。<本体>自体が弱まっているのよ……ある事をきっかけにね」
最後の方は声の調子が悪い。それで分かった。
「メテオか……?」
今度はセシルが口を開いた。
「そう、あの日放たれたメテオは結果的にゴルベーザを倒す事が出来なかった……でもあいつも決して無傷という訳にはいかなかった。肉体はかなりの
傷ついて、回復するまでは大して動けない状況なの。それでも、自分の<意志>を送り込める辺りは大したものなんだけどね……」
その声は所々悲しみを感じさせた。
「知っていたのか?」
「ごめん……」
それだけで分かった。別にメテオの事ではない。テラの事だ。彼女もまた老賢者を知る者の一人であるのだから。
「とにかく! 今ゴルベーザ本人は動くことが出来ないって事! 私達からみたらこれは大きく有利な状況って事!」
もうその話は終わりだとばかりに早口で捲し立てるリディア。
「クリスタルは結局もってかれちゃったけど……あれが全て揃わないと意味がないのは既に知ってるよね?」
セシルは頷いた。ゴルベーザが自ら言っていた。その目的も。
全て揃えば奴の底なしの欲望は更に拡大していくだろう。それだけは阻止しなければならなかった。
「分かっているリディア……でもこれで終わりでは……」
まだ聞きたい事があった。だが、ここから先は彼女の内面に踏み込むことだ。
聞いて良いのかどうか悩んでいたが彼女の方から切り出してきた。
「うん……説明しないとね私の事」
今までの元気な声とは一転。少しばかり静かな口調でゆっくりと話始めた。
「あの日の出来事の真相……それからの出来事。そして幻獣界の話……」

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