ff6 - 17 figaro


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「砂の上で生きるというのはなかなか難しいものでして…」
「いいえもちろん、利点も多くはありますが」
「先王の代まではいろいろと…」
 城内を巡りながら、案内を申し出た男は丁寧に話をしてくれる。内容には無駄がなく、
どこかその口調も堅苦しく感じられるのは、おそらくもともと寡黙な男なのだろう。
客を預かる兵士として、礼節としてあえて多弁に努めてるのだ。
 だが、ティナの注意は彼の話の内容ではなく、あちらこちらに見える甲冑を纏った
男たちの姿に注がれていた。
 エドガーは、私を兵士と言った。そしてこの人たちも兵士だ。
 だけどどうしてか、違和感を覚えてしまう。
 「兵士」と言う言葉が私に与えるのは、冷たく、恐怖を伴うような印象。
 それがこの人たちとはうまく結びつかない。
 その違和感がして、先ほど王間を出ようとした彼女の足を引き止めたのだった。 
「どうかされましたか?」
「いえ……あの、エドガーという方は…どういう人なのでしょうか?」 
「…エドガー様ですか」
 ぽつりとこぼれた彼女の言葉に、兵士は初めて大きく顔を緩ませた。
「あの方は、素晴らしい人です」
 途端に男は弾けるように語りだした。その表情には、もうさっきまでの生真面目な色は
どこにもなく、身内を自慢するような明朗に満ちている。誇らしげな横顔を見るうちに、
ふいに違和感の正体を掴むことができた。

 そう、この人は…、尊敬するエドガーを、この国を「守る」ためにここにいるんだわ。
 でも私の知っている兵士は、誰かから何かを「奪う」人たちだった。


 私は?
 私はどっちだったの?
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