DQ8-2 プロローグ2

兵団長の幕舎に着く。
門衛に来旨を告げると、すぐに中へと通された。
「ああ、堅苦しい挨拶は抜きだ」
機先を制して兵団長は言う。
あらかじめ人払いを命じていたのだろう、幕舎には俺と兵団長の2人きりだ。
「いかがなさいました?」
人払いされてることもあって、俺はくだけた口調で話しかけた。
他人が見たら、ことにあの鬼軍曹が見たら、俺は即座に営倉送りだろうな。

俺にとって、兵団長は親代わりに近い存在だ。
俺は捨て子。拾ってくれたのが兵団長夫婦というわけだ。
そして俺を城の小間使いとして斡旋してくれた。
子宝に恵まれなかったせいもあって、兵団長夫婦は何かにつけて俺を目にかけ、
可愛がってくれた。
貴族出身の家柄ゆえ、拾い子の俺を家族として迎える訳にはいかなかったが。
素性の知れぬ俺が、貴族の子弟を中心に構成される近衛軍に入隊できたのも、
ひとえに兵団長のお陰なのだ。
いや、あとひとつ、別の理由があるにはあるが・・・

俺の思索をよそに、兵団長が話を続ける。
「うむ、実はまた、姫君がな・・・」
ああ、やっぱりだ。俺は気が重くなった。

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最終更新:2007年12月17日 02:26
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