二節 剛の王国18


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

 カインの冷たい声がセシルを現実に引き戻した。

「別にお前たちを殺しにきたわけじゃないんだ」
 カインは肩をすくめ、クリスタルの前に立つヤンを見やった。
「こんな古臭い城にも興味はないしな」
「貴様っ・・!」
 ヤンが今にも飛びかかりそうな形相で睨みつける。
 カインはいっこうに意に介していない様子だ。
「素直にクリスタルを差し出した方が身のためだぞ」

 ・・そうだ、これが現実なのだ。
 いつしか父は父でなくなった。かけがえのない祖国は凶行に手を染め、
曇ることのない誇りは地に堕ちた。そして、最も信頼していた親友は袂を分かち、
いまや自分に刃を向けている。

 ────受け入れろ

 セシルは過去を振り払うように、決然と剣を抜いた。
「負けはしない」
「・・ふっ」
 その不敵なあざけりが会話に幕を下ろした。カインは槍の柄で強く地を突き、
天空を駆ける竜のごとく、高々と跳躍した。セシルは力強く剣を握りしめた。

 ────負けはしない 負けられない
 ────僕に残された、最後のひとを守るために


 決戦の鐘が鳴った。
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。