「そこにいるのは・・、ローザか!?」
「・・・シド?」
新たに向かいの独房に押し込まれてきた囚人、それは飛空艇整備隊の長であり、
彼女やセシルの友人でもあるシド=ポレンディーナであった。
「あなたまで・・」
「王がダムシアンを攻めるなどと戯言をほざいておるから、寝ぼけるなと言ったとたん
このざまじゃ。何を考えとるのじゃ陛下は・・」
「ダムシアン・・また、人が死ぬのね」
「しかし・・なんてざまじゃ、ローザ」
「・・・」
「あのクソッタレの王め! 監禁されておるとは聞いていたが、まさかこんな所に!!」
やつれきったローザの姿に憤慨するシドを見て、彼女は骨張った頬を緩ませ、力なく
笑った。
「もう・・・いいのよ」
「・・なんじゃと?」
「どうでもいいのよ・・」
「ローザ・・! どうしたんじゃ、しっかりせんか! お前らしくもない!」
シドの言葉に、うふふ、とローザは虚ろな笑みを浮かべた。
「私らしくない・・? それって、セシルといた頃の私のこと?」
「ローザ・・」
「それは無理よ・・だって、あの人は死んでしまったんですもの」
「ローザッ! 馬鹿なことを言うな! あんな噂を信じとるのか!?」
「そうよ、あなただって聞いたでしょ? 討伐隊が、彼の遺体を見つけて・・」
「いい加減にせんか! そんなもの何の証拠がある、馬鹿馬鹿しいッ!」
「違うわ、死んだのよ・・セシルは死んだのよっ!! もう二度と会えないのよ!」
最終更新:2007年12月12日 04:14