三節 Two of us33


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「そうか・・バロンに行かれるか」

 床に伏せたままの王は、神妙な顔つきで目を細めた。
 昨日のヤンの言葉通り早速ファブール王への会見を求めたセシル達であったが、
思いのほか王の傷の具合は良くなかったらしく、それでも会見の場を設けたいという
王の計らいで、寝室に通してもらえた。無理を通してくれる王の配慮に恐縮しつつ、
船が必要であるという旨をいま、話し終わったところであった。一方、頭を下げながら
緊張した様子で言葉を選ぶセシルをよそに、リディアは前日の寝不足がたたったのか、
御前もはばからず先ほどから何度も大あくびをしている。
「・・あいわかった、すぐさま船を用意させよう」
「あ、ありがとうございます・・!」
「いや、此度はまことに世話になった。そなた達にはまったく感謝の言葉も無い。
 ローザ殿も奪われてしまい、この上に手ぶらで返しては面目もなにもない」
 どこかで聞いたような台詞に横目でヤンを見やると、はたして彼も苦笑していた。
「それから・・」
 王が目をやると、女中が奥から細長い箱をもってきた。かなり埃をかぶっている箱が
セシルの前に置かれる。
「・・これは?」
「心ばかりのお礼と思っていただきたい。セシル殿、お受け取りくだされ」
 促されるままに箱を開けるセシル。やがて一同は息をのんだ。
 箱の中に入っていたのは、長身で、漆黒の刀身を持つ大剣だった。一目でただの剣では
ないとわかるそれは、禍々しい邪気を放っている。
 セシルにはそれが何か、一目で分かった。
「・・暗黒剣」
「その通り。名をデスブリンガーという。
 文字通り死をもたらす剣、並の人間には到底扱えぬ代物だ」
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