FINAL FANTASY IV プロローグ9


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

兵たちとの話し合いを終えたセシルを捕まえ、苦笑する彼の前にむりやり杯を押しやると、おもむろにシドは口を開いた。
「ところで、魔物が出たと言っとったが……わしの可愛い飛空挺は無事か?」
「魔法具を使ったから、損傷はないよ。そちらは?」
「ああ、二度ほどこっちにもちょっかいをかけて来おった。
 留守番をしとった連中が懲らしめたようだが、おかげで船がボロボロだ。
 お前の部下は荒っぽくていかん。よく言っておけ」
本気で文句をつけるなら、セシルではなく後任の隊長に言うだろう。これは、早く元の地位に戻って来い、というシドなりの励ましなのだ。
だがそれにしても、バロンのほうでも魔物が現れたという、彼の言葉は気にかかった。
周囲のほとんどを壁で囲った街でもっとも恐ろしいのは、空を飛んで直接襲ってくる魔物たちだ。【赤い翼】の結成により、上空への備えは文字どおり、飛躍的に強化された。以前は追い払うことに主眼を置いていたが、深追いして止めを刺すことが可能になったのだ。
……だが、狩っても狩っても、襲撃は一向に減らない。むしろ、徐々に増えつつある。
バロン王も事態を放置してはいない。既に次の準備を始めている。だが。
「陛下は新型の飛空挺を作れとおっしゃるが……
 わしは飛空挺を、人殺しの道具になんぞしたくないんじゃ!
 町の者も不思議がっておる……」
セシルの憂いを読み取ったかのように、シドが深く息をついた。
誇り高い真紅の翼は、多くの民をその下に庇ってきた。空行く船を見上げる眼差しは、信頼と憧憬から、いつか恐怖に変わってしまうのだろうか。今回の遠征が、その先触れとなるのかもしれない。

ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。