「Prelude16」


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どれくらい走ったのだろうか。悪夢のような一夜は明け、もうすぐ陽が昇る。
 すっかりナルビナ城塞は遠くなった。バッシュたちが場外へと脱出する姿を見て、追いかけてきたいくらかのダルマスカ王国軍兵士たちは皆一様に傷を負っていた。おそらく――これが残存兵力のすべてだろう。
 砂漠の真ん中――ラバナスタへとあと少し、という位置で岩場に影を潜めるようにしてチョコボを止めると、他の兵士たちも同様にチョコボから降り立つ。
動けるものはその背に乗せてきた重傷者の介抱を始め、また――途中で力尽きたのか、もう動かない仲間の体を抱きしめてむせび泣く者もいる。
 完全な敗戦だった。ナルビナ城塞は――落ちた。
 バッシュはチョコボを降り、ラスラの体を下ろした。もうぴくりとも動かない体を、砂の上に敷いた自分のマントの上に横たえた。まだ幼さの残るその顔は、まるでただ眠っているようだった――その胸に突き立っている、矢さえなければ。
傍らに膝をつくバッシュに、影が差した。陽は大分昇っている。が、曇り空の所為であまり明るくはなかった。雨が降るのだろう。ラバナスタは、雨季へと入る。
「バッシュ。無事か?」
「……ウォースラか」
 その声に顔を上げると、ウォースラがこちらを見つめていた。バッシュを見、そして――バッシュの傍らの横たわったラスラを認めると、その枕元に膝を落とし――目を伏せた。
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