FF5 44 ファリスの秘密2

バッツとファリスの押し問答が続いている中、ガラフが切り出した。
「もういいじゃろう?ファリス…」
ガラフが優しくファリスに問い掛ける。バッツは一体何のことか分からない。
ファリスは目を合わそうとしない。バッツは不思議そうにファリスを見る。
「何言ってんだ?ガラフ?」
「ああ、バッツ…これはわしの勘じゃがな…」
ガラフはゆっくりとした調子で静かに語る。
「ファリスは、多分…」


「女じゃ」







「ええええぇえぇぇぇえええぇぇぇぇええぇぇえっっ!!!!!」
バッツが今までに無いぐらい驚く。
それも当然の事だ。ファリスは男だと思っていたからだ。
「どうしたの?」
服を乾かし終えたレナも戻ってきた。
当の本人はさっきからずっと一点を見つめ、動かない。
「自分の口から話してくれ…どうしてお主がそんな風になったのかは、わしにも分からん」
ガラフは相変わらず優しい口調だ。
暫く間をおいてファリスが話し始めた…

「確かに、俺は女だ。でも小さい頃海賊に拾われたから、男のフリをしてたんだ…」
「なんでまた?」
「だって、海賊は男の世界だ。いくら拾われたとは言え女じゃ、馬鹿にされるに決まってるからな…」
ファリスは初めて自分を語りだした。
「(今まで素っ気無い風だったのは、隠し事があったから…?)」
レナはそう思った。それとも、本当の性格なのか。それは、これから分かる事。
「ま、まぁ別にいいよ、どっちでもさぁ。ファリスがファリスである事に変わりないだろう?」
かなりの驚きを見せたバッツが慌ててフォローの言葉をファリスにかける。
「でもなあ!女だからって馬鹿にすんなよ!」
「大丈夫だって。女だからって馬鹿にすること事態無いよ」
バッツはフォローの言葉を続ける。
「よし、もう寝るぞ!」
そう言ってファリスは部屋の隅にあるベットに寝転んだ。

「でもさ、ガラフは何でファリスが女って分かったんだ?」
バッツがファリスに聞こえないように小さく話す。
「よく考えてみぃ。今までの事を」
「今までの事?」
「そうじゃ。トゥールで酒場に居るファリスに情報を伝えようとしたら…」
「そう言えば…」
バッツは思い当たる節があった。あの時ときめいた女性はファリスだったと言う事だ。
「それに、運河の魔物は女しか狙わないと言う情報もあったしのう…」
「え?そんな情報あったっけ?」
やはり、バッツはすっかり忘れていた。そのことにガラフは少々呆れ気味だった。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2007年12月13日 03:44
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。