カーウェンから北へ向かい、鬱葱とした森を抜けた先にその山はあった。
「ここが北の山か・・・」
バッツは入り口からだんだん視線を上にやった。
頂上に行けば行くほど濃い霧が立ち込めている。
一見して入り口は静かで物音もしない。
しかし4人にとってそれが逆に得体の知れない不気味さとなっている。
「よし、さっさと行こうぜ」
ファリスが仲間、そして自分に気合を入れるかのように大きく声を出す。
北の山―――
なんとも単純で無機質な名前をつけられた山は怪物の巣窟と化し、
今や人が登山を出来る環境ではない事は4人の目に明らかだった。
「一応、道は整備されてるようじゃのう」
ガラフが恐る恐る辺りを探っている。薄暗く、土や草の独特な匂いが立ち込めている。
「とにかく急ぎましょう!」
レナは飛竜の事を思うと一刻も早く頂上に辿り着きたかった。
最終更新:2007年12月13日 04:15