突然のことに一瞬呆然とするクラウド。その後、すぐにマリンを説得しようとした。
「マリン…もう少し待ってくれ。これから戦いが始まるはずだ。でも、ただ戦えばいいってわけじゃない…わかるよな?」
しかし、クラウドの詭弁は、ここでも簡単に粉砕された。「わかりません!」という、ティファ譲りの説教めいた一言によって。
クラウドはヴィンセントを見た。しかし彼はクラウドに助け舟を出すようなことはせず、鋭い目で睨みつけてくるだけだった。
気まずい沈黙が降りる。
しばらくして、クラウドを睨んだまま、ヴィンセントが沈黙を破った。
「…お前の言っていることは正しい。これから戦いが始まるだろう」マントの裏のマリンを一瞥してから、続ける。
「しかし、この子の言っていることはもっと正しい」そして、またクラウドを睨みつける。
「クラウド…お前はこの2年間、どこで何をしていた?」
鋭く、刺すような目。火のような色をした瞳が、クラウドには本当に燃えているように見えた。
「この2年間、お前はどこをほっつき歩いていた?その重荷を一人で背負って、どこに隠れていたんだ?」
クラウドは黙り込んでしまった。しかし、ヴィンセントの火のような瞳は無言で詰問を続ける。
―――なぜ、私たちの話は聞いてくれなかった?
―――なぜ、私たちの声に耳を貸してくれなかった?
―――なぜ、お前のその重荷を、私たちにも背負わせてくれなかった?
―――どうなんだ。クラウド。
最終更新:2007年12月13日 07:27