三節 不和の旋律6


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──ローザの命は土のクリスタルと引き替えだ──

あの日、バロン上空でカインが切り出した取引は、少なからずセシルたちをも悩ませた。特に、風のクリスタルを守るという目的のもと、多くの部下を失ったヤンの迷いは深かったようだ。
セシルたちは互いの思うところを率直に話し合い、意見を出し合った。そして、当分は指示に従うフリをしようということで意見がまとまったのだ。
全面的に条件を呑むことは出来ない。しかしゴルベーザの行方は知れず、こちらからローザ奪還に出向くことが難しいのも事実。
まずはローザを救い出し、カインを説得する。可能ならばその場にゴルベーザを引きずり出し、討ち取る。
そのための材料として、クリスタルを手に入れなければならない。
それらの方針は、まだこの国の神官たちにも打ち明けてはいない。仲間内で確認しあっただけだ。
諸々の込み入った事情を知らぬまま、セシルがクリスタルを求めているとだけ聞かされたギルバートが、疑問を抱くのは仕方の無いことだ。
「……僕を信じて、犠牲になった子供たちがいるんだ。
 あの子たちに、顔向けできなくなるようなことはしない」
セシルはギルバートにすべてを話し、最後にそう付け加えた。それを機に、身じろぎひとつせずにいたダムシアンの王子が、全身の力を抜く。
「……すまない、つまらないことで勘繰って。
 僕は根が卑しいんだ。許してくれ」
「そんなことはない!」
誤解を受けたこと、それ自体は、確かに気持ちのいいものではない。だからといって、ギルバートに非があるとセシルには思えなかった。
彼は、かつてセシルが為し得なかったこと、これから挑まなければならないことを、やってみせたのだから。
「君は──」
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