三節 不和の旋律11


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大きく鋭い鉤爪のついた足が、太い枝をしっかりと掴む。翼を広げ、しなる枝の上で巧みにバランスを取って揺れがおさまるまで待つ。
まだ地面ははるか下にあった。もつれ合う枝が足場を作り、四人と四匹の体重を支えている。
セシルたちは足元を確かめると、黒チョコボを降り、カラブの実が詰まった袋を手近な枝にかけた。
漂う芳醇な香りに、利口な鳥たちが甘えた鳴声を発する。袋の口を緩めると、チョコボたちは喜んで顔を突きこみ、好物をむさぼり始めた。
セシルたちは突き出た幹に4本の縄をかけ、それぞれの端に輪をつくった。目で合図を送り、いっせいにチョコボの足に結わえ付ける。
黒チョコボたちも異変に気づき暴れだすが、既に時遅く、自由を奪われてしまった。
『クェッ!』
「ごめんよ。戻ってきたら解くから」
繰り出される蹴りをかわしながら、セシルはチョコボたちに詫びる。
チョコボという種族は帰巣本能が強く、背から降りた途端、一目散に住処へ戻ってしまうのだ。
つながずともその場に留まるチョコボとなると、百の卵を孵して一羽得られるかどうかもというほど貴重なのである。
黒チョコボにも同じ性質があるとは限らないが、セシルたちに他の方策はなかった。こんなところで置き去りにされてはかなわない。
5本目の縄をおろし、瘤だらけの幹を伝って地上へ降りる。地面はかなり乾いていて、ブーツのめりこみ方も先日の日ではない。
テラがテントを解体して、魔物避けの方陣を描いた。半日ほどで効果は切れるが、その前にセシルたちが戻っているはずである。
全ての準備を終えると、セシルたちは磁力の洞窟に向かって歩き出した。すぐに森は途切れ、灰色の岩肌が取って代わる。
「いよいよじゃの」
「………ああ」
それぞれの得物を構え、洞窟へと足を踏み入れる。
壁に含まれた鉱石が燐光を放ち、死者の魂のように揺らめいて、一向を迎え入れた。
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