四節 Eternal Melody21


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

突然の異音を最後に、ダークエルフを縛り付ける竪琴の音が止まった。
「クリスタルを!」
仲間の指示が飛び、セシルは台座へと走った。クリスタルに手を触れると同時に、巨大な丸太のような何かが、彼を弾き飛ばす。
壁際まで吹き飛ばされたセシルが、まず目にしたのは、巨大な蛇だった。
「ヨクモ……ヨクモ、ヨクモ!」
いや、竜か。
部屋を一周するほどの巨大な体と、不釣合いな短い手足。それらを覆う鋼色の鱗。
濁った両目に殺意をたぎらせ、魚類を思わせる口から吐き出される声は、紛れもなくあのダークエルフのもの。
新たな名を与えるなら、ダークドラゴンとでもするか。
「モハヤヨウシャハシナイ!
 オマエタチ、コロス!」
長い尾がうねり、鋭く尖った鰭の先を刃のように閃かせて、ダークドラゴンはセシルへと踊りかかった。
「下がれ!」
「ええい、当たる相手が違うだろうが!」
すかさずヤンが割って入り、テラが詠唱を始める。
間一髪で取り戻したクリスタルを抱え、セシルは敵との距離をとった。これを奪い返されてはお終いだ。
「おうい、どうした!
 何があったんじゃ!?」
沈黙を続けるヒソヒ草へとシドが問いかける。返答はなく、聞こえてきたのは、何かをひっくり返すような物音。
何かあったのは間違いない。戦いの最中、ギルバートの身をそれ以上気遣う余裕はなかった。
クリスタルをシドに託し、セシルは弓に矢をつがえる。
「せいっ!」
「スロウ!」
鞭のようにしなる竜の髭をモンク僧の爪が切り裂き、賢者の魔法が敵の動きを鈍らせる。
彼らの助けもあり、セシルの放った矢は見事に暗色の鱗を射抜いた。
傷ついたダークドラゴンは、大きく口を開ける。矢傷の近くにもう一撃を加えたヤンが、牙から身を守るために距離をとった。
しかしそれは敵の思う壺だった。一箇所に集まったセシルたちに向けて、ドラゴンの口から黒色のガスが吐き出される。
広がった闇色の雲は瞬時にセシルたちを包み込み、手足が腐り落ちていくような、言いようのない疲労で戦士たちを蝕んだ。
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。