四節 Eternal Melody24


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あまりにもあっけないダークエルフの最期に、どこか腑に落ちないものを感じ、セシルは周囲を見渡した。
透き通った壁や床がクリスタルの輝きを反射して、あたりはさながら光の海だ。
ずっと昔、夕映えの中を飛んだときのことをセシルは思い出した。
山吹色の雲の塊が空いっぱいに広がり、それが次第に茜色へと微妙に色合いを変えていく。乗組員総出で見とれたものだ。
けれど、まだどこかにあるはずだ。この光で、消し去ってしまわなければならない闇が。
それはじきに見つかった。腹から血を流し、祭壇の手前でうずくまっている。
誰よりも良く見知った姿。血塗られた闇。
暗黒騎士セシル。
『あなたはこれからも、僕と一緒に常に歩き続ける』
かつて、セシルは確かにそう言った。
試練の山の山頂で。己の過去であり半身たる暗黒騎士に向かって。
けれど今ならば。このクリスタルの力があれば、完全な光になれるかもしれない。
心に無限の光をたたえた、伝説の聖なる騎士──真にパラディンの座にふさわしい人間なら、もう二度と、邪悪な力に屈しはしない。
十にもならない子供らを、みすみす死なせたりはしない。
誰より大切な人を、いつまでも捕らわれたままにはしない!
セシルは再度クリスタルを掲げ、見出した闇を消し去ろうと力を込める。
『やめてえぇーーーーーっっ!!』
しかし彼の下した鉄槌は、光の中から滲むようにして現れた人影によって阻まれてしまった。
それは女性の姿形をしていた。どこまでも白く、美しく整っていた。
そのくせ邪悪を庇っている。
「どうして君が」
『どうしてあなたがこんなことを?』
「下がるんだ……」
『お願い──! 正気に戻って!』
彼女はセシルの説得に耳を貸さず、頑として動かなかった。
きっと気づいていないのだ。その背に庇った暗黒騎士が、闇と血の匂いで、彼女を汚してしまうことに。
なら仕方ない。
大丈夫だよ。そいつが消えれば、君も目が覚めるから。
汚れも全部削り落として、真っ白な君に戻してあげる。
僕の大事な、可愛いローザ。
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