三節 山間56


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「ああ、セシル殿。ちょっとばかり見苦しいところを見せてしまったな……」
寂しげな様子でテラを見送った後、長老はセシルに切り出す。
「あいつと私は昔からの仲でな。つい本音でやり合ってしまう。仮にも国を統べるものなのに
パロムとポロムもいたというのに……」
「いえ、そんな友人はとっても羨ましいです。本当に……」
もし、自分にもそれだけ他人とうち解けあえたら……カインも。
だが、もう過ぎ去ってしまった事。その日々を取り戻す為にもこの力を手に入れたのだ。
「そうか……有難う」
「何故、テラはミシディアを出て行ったんですか?」
聞いて良いのかどうか迷ったが、今聞かなければもう聞く機会はないだろう。
多少、配慮に欠ける行為だとは思ったが、セシルは思い切って質問した。
「やはり、分かるか」
「一応、テラとの付き合いは長い方ですし、さっき長老とも何処か余所余所しかったですし」
「ミシディアでは日々、魔法の研究が成されていた。過去、多くの偉人達が研究に努めてきた
おかげで、現在でも多くのミシディアの民が魔法を使えるようになった。だが、発展には常に
挫折や犠牲がつきものであった」
いきなり語り始めたので、セシルは最初テラの事を話しているとは気づかなかった。
「テラもこの国の魔法の発展に一役買っていた。若い頃から非常に優秀だったあいつは幾つもの
研究で成功を成し、民からの信頼も相当なものであった。だが、その評価の絶頂の時に事件は
起こった……」
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