四節 これから20


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シドの家の門は変わっている。閂がないかわり、歯車と楔をいくつも組み合わせたからくりが、二枚の扉をぴったりとつなぎ合わせているのだ。
すぐ後ろは切り立った崖になっていて、その中を、石で補強された幅の狭い階段がまっすぐに切り込んでいく。飛空挺の生みの親は、生まれた落ちたその瞬間から空に近いところにいた。
「やれやれ、街の中でこんな苦労をするはめになるとはの」
天まで届こうかという急な階段を見上げて、テラが渋面を作った。試練の山の急斜面に比べれば可愛いものだが、人の手で造られた道に苦労させられるのは御免らしい。
対照的に、目を輝かせて風変わりな錠に取り付くパロム。見た目ほど複雑ではないので、時間をかければ外せるだろうが、セシルはそれを待たず少年の頭越しに手を伸ばした。
「なんだよ、邪魔しないでくれよ!」
「バカっ、あの音が聞こえないの!?」
ふくれるパロムの頭をポロムが小突く。彼女の言うとおり、いくつもの荒々しい物音がこちらに向かっていた。
「つけられておったか!?」
「だが、そんな気配は……」
「現にこうして追いつかれてしまったではないか!」
門を開く手順はセシルの頭に入っていたが、所々に浮いた錆が引っかかり、時間を取られてしまった。ようやく最後の楔を外し、強引に門を蹴りあけると同時に、東の角から兵たちがなだれ込んで来る。
「見つけたぞ!」
「やはりここに来たか!」
追っ手は全部で11人いた。5人の近衛兵と彼らを率いる小隊長、それに加えてリーダーのいない手負いの近衛兵が5人。テラが危惧していた通り、井戸の前で退けたあの5人が、加勢を引き連れてやってきたのだ。
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