六節 双肩の意志3

そんな事は……必死でその可能性を否定しようと思うが、セシルの頭ではその可能性が段々と真実味を
強くしていく。
「何故、パラディンの事を知っているんですか……?」
その裏打ちを取ろうと一つ質問をする。
「それくらい知っているぞ! 何せ私はお前を良く知っているのだからな……」
充分であった。
「父上、バロン!」
初めて、父の名を呼んだような気がした。
考えてみれば、不思議でない。
ベイガンも魔物になった。兵士達の一部もそうであった。
魔物が城にいる……これだけ国が変わっているのだ。だったら、国の代表たる王も……
「はははは……お前には分かっていたんだな。前から……」
もう驚きはしない。ベイガンの豹変は衝撃たる出来事であった、そこで慣れてしまったのか。
あるいはもっと前から、それこそ、異変を察知し始めた時。何もかもが元通りだったあの時から
予感も覚悟も全て持っていたのかもしれない。
「いつからだ!」
いつになく、声を低くしてセシルは言った。
「答えなくてもわかるだろ!」
そうであった。
「ならば! 誰の命令だ!」
「分かるだろ!」
「ならば何故!?」
「命令だ。ただそれだけだ」
返答の多くは予想通りだった。しかし、このものから、洗いざらいに真意を語らせたいそう思った。
そこまで述べた後、更に続ける。
「まあ、詳しく教えてやろうか……お前の慕っている王、父上とやらはお前が想像した通りの人間で
あったな……」
それが本当の王の話だとう事は分かった。そして、顛末も……

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最終更新:2008年08月24日 09:31
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