「その素振りだと……」
しばらく間をおいて、パロム――彼女はまだ判別をつけていないが、言った。
「どうやらあいつはとは違うみたいだな……」
試されたのか。あいつはとはベイガンの事であろうから、自分が何ものなのかを。
「信じてもらえた……のよね。ならっ!」
子供にからかわれたのにちょと悔しさを感じ、やや強気な口調で言った。
「大した事ありませんわ……あの人が魔物だって思っただけですわ……むしろ……」
まじまじと見つめてくる。
「何故あなたはそんな事を知ってるのですか?」
「見る限り、あいつとは違う……普通の人間だ。なら、何故あおのベイガンって奴が
魔物だって思ったんだ?」
少なくとも、何かを勘づいている事は間違いなかっら。それなら何故そう思ったか?
疑問に思うのも無理はないだろう。
彼女とて、偶然――半心半擬ながらも予感はあったが、でなければ、城にそんな事が
起こっているとは知るよしもなかった。
最終更新:2008年08月24日 09:43