三節 光を求めて26


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 テラたちと同じようにアンナを見つめていたセシルが顔を上げる。ゴルベーザ。それが、いまの隊長の名前か。
「ゴルベーザとはいったい何者なんだ?」
「わかりません……黒い甲冑に身を包んでいて……、人とは思えぬ強さで……」
「赤い翼はやはりクリスタルを!?」
「……はい。やつらはクリスタルを奪おうと火を放ち……、父も母もやられ……アンナも……、僕をかばって弓に……」
「そんなにまで、こ奴のことを……」
 ギルバートを庇った。その言葉に、テラの胸が痛む。アンナはギルバートのために自身の生命と投げ出したというのだから。

 そしてアンナは、自身の終わりを自覚する。テラとギルバートに、自分の死という不幸をもたらしてしまうことだけが最後の心残りだった。
「ごめんね、お父さん、私を許して。ギルバートを許してあげて……」
「アンナッ!!」
 死にゆくアンナを呼び止めるテラの叫びは届かない。
「ギルバート、あい……してる」
 そうして、最愛の恋人へと言葉を告げて、アンナは目蓋を閉じた。
 死にゆくアンナに最後に残るのは、リディアの小さな手の感触。
 その感触も薄れきってしまう前に、哀しい気持ちにさせてごめんなさいとその手を握りかえして。
 それが伝わったかどうかはわからないままアンナはこときれた。

「アンナ!! アンナ!! ……おのれ!! そのゴルベーザというのは一体何者なんだ!!」
 激昂するテラに、「最近バロンにやってきて、赤い翼を率いクリスタルを集めているとしかわからない」とギルバートは首を振る。
 アンナの死に涙するギルバートに、テラは「情けない!」と吐き捨てた。
「泣いてもアンナは生き返らん!! バロンの、ゴルベーザ……!!」
 テラはギルバートたちに背を向け、ここから立ち去ろうとする。
「テラ!? どこへ!?」
「アンナの仇をとりにいく!!」
 引き留めるセシルへ、激情のままテラは怒鳴り返した。
「ひとりでは……!!」
「助けなどいらぬ!! 娘の仇だ、私ひとりでやる!!」
「テラ!!」
 そうして。セシルの声に振り返ることなく、テラは去っていった。
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