巨人小笠原、アザラシになりすまし多摩川に出没

1 名前:風吹けば名無し[] 投稿日:2012/01/19(木) 01:07:11.95 ID:We8QsM4z
「先にシャワー浴びてくるよ」そう言うと、みっちゃんはバスルームに行ってしまった。
大学のサークルで出会った彼。髭面で無口で初めは怖かったけど、時間が起つにつれて私は彼の優しく紳士的な面に惹かれていった。
今日、私はみっちゃんと結ばれる。胸の鼓動がサーカスのように止まらない。彼のいないベッドルーム……落ち着かない。
私はテレビのスイッチをつけた。部屋でいつもそうするように。普段着を、何時もどおりを装い気を紛らわす。
「……多摩川にやってきたアザラシ・キンタマちゃんが本日正午すぎに殺処分されました。」
ニュースキャスターは真面目な顔で、いつも通りの調子でニュースを読み上げている。
「あがったよ」――!!私は驚いて振り返った。みっちゃんはもうシャワーを浴び終えてしまったようだ。
「じゃ、じゃあ私も浴びてくるね!!」逃げるようにして私はシャワー室に向かった。彼が汗を流したばかりの場所に。
シャワーは汗を排水口へと流していく。水の流れる先で、私は一本の毛を見つけた。
長さから考えると、私のものではない。みっちゃんの髪の毛だろうか…いや、短すぎる。ひょっとすると…髭だろうか。
短く、真っ直ぐな毛。おそらく彼の髭だ。……そういえば私は髭のない彼の顔を知らない。
丁度髭剃もある。あがったら、時間稼ぎに髭を剃ってくれるよう頼んでみようか。夜はまだ終わらない。


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最終更新:2012年04月20日 21:58
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