こぽ・・・こぽ・・・
ここはとある研究室・・・表では萌えもんの薬を販売しているが、裏では人工的に萌えもんを
生み出す技術を使い研究をしていた・・・研究員のリーダーが巨大な水槽を見てつぶやいた・・・
「すばらしい・・・もう少し・・・もう少しで誕生だ・・・!はやく君の動く姿が見たい・・・!」
水槽の中は紫色の液体で満たされており、中には人型の何かが入っていた・・・
こぽ・・・こぽ・・・
「あと少しで・・・私の夢が実現する・・・ふふ、究極の萌えもん『ミュウツー』の誕生だ・・・!」
ミュウツー・・・それはバイオテクノロジーの技術を結集して作りだした『芸術』だ
全ては『ミュウ』の遺伝子を手に入れたことから始まったのだ・・・ミュウの遺伝子はあらゆる萌えもんの遺伝子を持っていた・・・
その遺伝子を核に、優秀な萌えもんの細胞を融合させ生み出したのがミュウツーだ・・・
ポリゴンなどとは比較にならない・・・全てにおいてこの世の全生命体を上回る力を持つ・・・
「くくく・・・ラッキーを超えるスタミナ・・・カイリューを超える圧倒的パワー・・・
イワークよりもはるかに硬く、マルマインをも上回るスピード・・・そしてフーディン以上の頭脳・・・
そしてギャラドスのように凶悪で、それでいてガーディのように命令に忠実な萌えもん・・・完璧だ・・・」
がしゃーーーーーーーん!!
その時、遂に水槽が破壊された・・・ミュウツーの誕生である・・・
『ココハ・・・ワタシハ・・・』
「目を覚ましたか、我が娘よ・・・お前の名前はミュウツー・・・全ての頂点に立つ存在だ・・・!」
『・・・・・・・・・』
「ミュウツー、お前は我々人類の希望だ!お前の力を持ってすればこの世に止められる者など存在しない!
全て思うがままだ!伝説の萌えもんと恐れられている奴らすら赤子扱いできるだろう!!」
そう・・・ミュウツーを生み出した理由・・・それは全ての萌えもんを手中に収めることだ・・・
「今人類は未曽有の危機に直面している!伝説の萌えもんと呼ばれる鳥型萌えもんが人類を滅ぼさんとしているのだ!」
もちろんこれはウソである・・・本来の目的は伝説の萌えもんを捕らえて洗脳することで意のままに操り、
全世界を掌握することであった・・・ミュウツーの力があれば十分実現可能である・・・
「世界を救うにはそいつらを捕まえて大人しくさせるしかないのだ!そこでお前の出番という訳だ」
『コ・・・コトワル』
その言葉に全ての研究員が騒然となった・・・!ミュウツーが拒否するなどあり得ない・・・そうプログラムしていたのだから・・・
「な・・・何を言っているんだ・・・!私の言うことが聞けないのか!?」
『私ハ・・・ソンナコトノ為ダケニ・・・生マレテキタノカ・・・?』
その瞬間、研究室のあらゆる機械が吹き飛んだ・・・ミュウツーのサイコキネシスである・・・
「何故だ・・・!人類を救うことが『そんなこと』だと・・・!?」
『違ウ・・・アナタハタダ私ヲ利用シヨウトシテルダケダ・・・』
ミュウツーは研究員の脳を覗き見て、自分を道具としか思っていないことに絶望したのだ・・・
・・・ミュウツーはその場から浮き、ものすごいスピードで飛び始めた・・・
脱走防止のバリアーもミュウツーには無意味であった・・・
「ぐぐ・・・この失敗作め・・・逃がさんぞ・・・!」
スイッチを押した瞬間、ミュウツーの体にすさまじい電流が流れた・・・
しかしミュウツーは止まらない・・・とうとう飛び去って見えなくなってしまった・・・
しかしその電流によってミュウツーの体内で変異が起こり、その体は大幅に弱体化してしまった・・・
本来なら全萌えもんを超越した力を持っていたが、その電流のせいで力の大半が失われたのだ・・・
『私ヲ愛シテクレル人はドコニイルノ・・・』
ミュウツーは誰かに愛して欲しかった・・・それだけが彼女を動かしていた・・・
そして彼女は辿り着く・・・『ハナダの洞窟』に・・・
真に自分を認めてくれる者がいつかここに現れる・・・そう直感したのだ・・・
ミュウツーは待ち続けた・・・そして数年後、直感は現実のものとなる・・・
最終更新:2008年10月07日 21:38