5スレ>>609-2

僕らはしばらくの間、ヤマブキシティで待機することになった。
裏では色々やってるみたいだけど…とりあえずは関係ないし、ゆっくり休むことにする。

…あぁ、金がどんどん減っていく。
ヤマブキにもやっぱりゲーセンあるのね…
たまには家庭用ゲームに切り替えようよ、ムウマぁ……




そんなある日、団の研究員に呼び止められた。
あのムウマには、特殊な能力があるのだとか…

「どういうことです?」
特殊な能力…と言われても、全く見当がつかないので訊ねる。

研究員の話によれば、ムウマは周りの幽霊を見えるようにするのだとか。

幽霊はそれが見えていない相手には、何の影響も及ぼさない。
力の強い霊であっても、影が見えたり声が聞こえる程度だ。
…が、幽霊が見えている相手に対しては違う。
普通の萌えもんと同じように行動できるようになるのだ。

早い話…
シルフスコープなしでポケモンタワーにいるガラガラの幽霊に会っても「タチサレ」で済むが、
スコープで見破ると戦闘になる、といった感じである。

「でもその能力、役に立つんですか?」
既にシルフスコープなんてのが開発されてるんだし、必要ないような。

「…正直なところ、あまり。」

ですよねー。




研究員に案内され、占領したシルフ本社の研究室へと入る。
ムウマの能力に関する詳しいデータを見せてもらえるそうだ。

…が…
研究室は酷い状態だった。
檻に入れられた萌えもんの数々、台に乗せられ怪しげな注射をされているものもいる。
隅には血の跡がついたダストシュート…何を捨てるかは想像もしたくない。

そんな部屋の中で話を聞かされるが、何も頭に入ってこない。
…まぁ、そもそも詳しい理論とか聞かされてもさっぱり理解できないのだが。



しばらく話を聞き流して、ようやく部屋から出してもらえた。
ムウマを連れてきてほしいと言われたが…
どうしよう?どうすればいいんだ?

・【あんな研究室にムウマを? 冗談じゃない!】
・【別に大した能力じゃないんだし、研究する必要もないだろ?】
・【萌えもん大好きっ子として、実験とかそういうのは許せない!】
・【薄給だし任務はショボいし…】

脳内選択肢も満場一致。逃げよう。
ロケット団って、司令とかサカキ様とかの幹部クラスはともかく下っ端は大したことないし。
何とか逃げ切れる…と、思う。多分きっと。




とりあえずムウマを迎えにゲーセンまで行くことに。
彼女にこのことを話して、相談はするつもりではあるが…
まぁ多分、賛同してくれるだろう。

ゲーセンに着いたが、ムウマが見当たらない。
鉄拳にもガンダムにもギルティにも麻雀にもQMAにもいないなんて!

…一瞬心配したが、彼女はワルキューレの伝説を二人プレイでやっていた。
レトロゲーかい…

「ムウマー、ちょっと話があるんだけど」
呼びかけるが、
「後にしてくださいっ! ここのくそ狭い足場を連続で跳んでくのが難しいんですよぅ」
こうなったら手の付けようもない。
「あー…終わるまで見てるね」
我ながらなさけない。



連コインしようとしたのを無理やり引き止めて、

「なんですかマスタぁ~。何か話でもあるんですか?」
「ぶっちゃけて言おう。…ロケット団やめようと思うんだけど。」

かくかくしかじか。

「あー、いいんじゃないですか? こっちでもその方向で話進めてましたし。」
こっち?
「こっち…って?」

「ぁ、マスターも知ってると思いますが紹介しますね。はぶ姉ぇです~」

一緒にゲームをやっていた娘だ。
見覚えがあると思ったら、前話で殺された団員さんのハブネークか…

「ハブネークですっ! ふ、ふつつかものですが…よろしくお願いします。」
何かステップを何十段も跳び越した気がする。

「…んで、この子と何を話してたの?」
「はいっ! あの最ッ悪な司令に復讐しようかと!」

堂々とこんなこと言っちゃう時点でダメだと思う。

「はぶ姉ぇのマスター、司令に殺されちゃったんですって…」
それは知ってる。
「で、その後すぐに暗殺を図ったんですけど…あっさり返り討ちにあったとか。」
なるほど、凄い行動力だなぁ。
「可哀想ですよね、可哀想ですよね!? 仇討ちを手伝ってあげましょうよっ!!」

はっはっは。
「…そんな重要なことを、君はマスターのいないところで勝手に決めていたと?」
「…? 何か問題ありました?」
大有りじゃあああああああああ!!




とりあえず一発殴っておいた。
「ど、どめすてぃっくばいおれんすですっ! 暴力反対~!!」
とかほざいていたが知らん。

ちなみにハブネークもついてきてくれるそうだ。
戦えるのがガラガラさんだけじゃ心配だったし、丁度いいかな…
「あぅ、そんな期待されても…戦いはちょっと苦手なんです。」
とか言ってたから、過剰な期待はできないけど。


「とりあえずこの街は出るとして、これからどうするんですかー?」
どうしよう。マップを広げてみる。
「北にハナダ、西にタマムシ、東にシオン、南にクチバか…」
決定。
「クチバ以外は行ったことあるし、とりあえずクチバ行こうか。いいかな?」
二人+いつの間にか居たガラガラさんに了解を取る。

脱走の算段はこうだ。
1.任務があるフリして関所を通る
2.あとは野となれ山となれ

「ちょ、マスターwww あとは野となれ山となれってwww」
「……ホントに大丈夫?」
「心配ねぇ」

え、僕フルボッコですか?
「仕方ないじゃん。初めて行く街だし、どこへ逃げるかなんて特に考えてないし…」

そう言うと、ハブネークが
「クチバからは船が出てるけど、それに乗るのがいいんじゃないですか?」と。
よし。
「じゃあそれで。」

「マスターもたいがい適当ですねぇ…」
やかましい。



とりあえず南の関所へ行く。
「ど、ドキドキですねっ!」
いやあんまり。

通ろうとすると、警備員が声をかけてきた。
「おっ、任務かい? 頑張ってな!」
気さくな団員さんのようだ。
「ありがとうございます!」
頑張ります、任務じゃなくて脱走ですがね。

こうしてあっさりヤマブキを脱出することができた。
あとは出来るだけ早く、バレる前に船で逃げようか…



道すがらトレーナー数人にバトルを挑まれたので、ハブネークに戦わせてみた。

バタフリーにねむりごなでボコられた。
「だからバトルは苦手だって言ったのに~…」
瀕死になる前に交代したが、確かにあまり強くはないみたいだ。


「そういやさっきの虫取り少年、こんなん持ってましたよ。」
【むしよけスプレーを手に入れた】

「これは?」
「借りました。」
手癖は悪いようだ。



クチバシティへ着いた頃にはもう日が傾いていた。
とりあえず萌えもんセンターで回復して、船のチケットを取るため港へ行くことに。

…チケットは買えたが、今日の便はもう終わったとか。
仕方ない、明日まで待とうか…

「…と、そうだ。ここのジムに挑戦して行かない?」
ロケット団に入ったから忘れてたけど、萌えもんマスター目指して旅してるんだっけ…

ムウマは速攻で
「えー、嫌ですよぉ。ゲーム屋巡り行きたいです~」
とか言いやがったが却下して強制連行。どーせ君は戦わないでしょ…



ジムに入ると、そこにはたくさんのゴミ箱。
これは綺麗と言っていいのか、それとも汚いのか…

話を聞く限りでは、ゴミ箱の底にスイッチがあるそうだ。

「こういうミニゲームはムウマ、君得意でしょ?」
「嫌ですよぉ、ゴミ箱に手突っ込むなんて~」
「頑張って!」

他二人は姿を見せない。
出てきたら話を振られるのは分かりきってるし、懸命な判断ではあるけれど。

結局ジャンケンで、ムウマがスイッチを探すことになった。
「うぅ、マスターめぇ…呪ってやるぅ祟ってやるぅ」
知らぬ存ぜぬ。

だがそこは流石ムウマ、すぐに扉を開けてくれた。
「こんな運ゲー嫌いです~」
このお嬢さんは実力勝負が好きらしい。
…どうせなら萌えもんバトルもやってくれよ。



とうとうクチバジムリーダー、マチスと対面!
勝った。バッジ貰った。帰って寝た。終わり。

適当すぎる? いやいや、ジムリーダーの名誉のためにも書かないほうが。
だってあまりにも哀れだったんだもの。

・地面タイプで
・レベル差20以上あって
・ふといホネ持ったガラガラさん

ですよ? もうね、不戦勝でいいんじゃないかと。
えぇ、容赦なく叩きのめしましたが。
「NOOOO!! こんなに鬼畜なトレーナーは初めてデース!!」
とか叫んでたよ、可哀想に…




翌日。
船に乗って僕たちは、新たな街へと向かうことになる。
グレン島…こんな離れたところだ、まだロケット団の手も伸びていないだろう。

そう考えたとき、ハブネークが言った。
「グレン島は萌えもんの研究で有名ですよね。」

…やばい、一気に心配になってきた。

「大丈夫ですよマスター!」
ムウマが励ましてくれた。いい子だなぁ。
「いくらちっちゃい島だって、一軒くらいはゲーセンもありますって!」
前言撤回。氏ね!死ねじゃなくて氏ね!
頭ぐりぐりでお仕置きする。
「あぅっ!? あぅあぅ、痛いですマスタぁ~」

うん。まぁ乗りかかった船、このまま楽観思考で行くしかないか!
空前の行き当たりばったり逃避行。
司令みたいな、空気読めてない(まともな悪役の)ロケット団員に会わなきゃいいけど…


--------------------------------------------------------------------------
・ムウマ Lv35
 タイプ:ダメ幽霊
 わざ: 食べる ゲームする 寝る 降霊術

 とくせい:オールラウンダー(全てのジャンルのゲームができる)
 もちもの:「予備の電池やバッテリーは、各2本ずつ常備してますっ!」

相変わらず役に立たないダメ幽霊。
ロケット団の任務をこなす上でも役に立つことは全くしなかった。
しかしムードメーカーとして、団のみんなからは可愛がられていたようだ。

シルフスコープの代わりになる程度の能力を持っている。
これによって幽霊を戦力として使うことができる!
でも普通に萌えもん捕まえた方が楽だろ、常識的に考えて…



・ガラガラ Lv49
 タイプ:じめん
 わざ:いあいぎり つばめがえし ホネこんぼう かげぶんしん など

 とくせい:おたすけキャラ(初期能力は高いが成長率は悪い)
 もちもの:ふといホネ

強力なお助けキャラのソードマスター姐さん…
だけど前回は完全なかませ犬、今回はほとんど出番なしでかわいそかわいそなのです。
特防が低いのでエスパー相手は苦手。



・ハブネーク Lv23
 タイプ:どく
 わざ:どろぼう ポイズンテール など

 とくせい:ドジッこ(よくミスをするがそこが可愛い)
 もちもの:なし

ドジッ子泥棒娘。盗みの腕はかなりのもの…だがよくドジを踏む。
生前のマスターの育成方針により、戦闘はほとんどしたことがない。
剣は持っているが、主に盗みの補助具として使っているようだ。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年10月07日 21:43
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。