5スレ>>682

残るはフラムだけ、どうする?
「戦いましょう、最後まで。」
「フラム?お前」
「元々この展開すら読んだ上でこの作戦にしているのでしょう?なら問題はありません。」
「だけど・・・」
「それとも僕らのマスターはこの程度で諦めるほど根性がありませんか、とんだ思い違いだったようですね。」
「言ってくれるな・・・よっしゃ!任せたぞフラム!」
「それでこそリリュさんです!」
ダメージ効率では向こうの方が上、だが戦場の活用の仕方ならこちらの方が数枚上手!
「まずはどろかけ!」
「またそれか!ワンパターンにもほどg「陰に隠れてどろばくだん!」
台詞を遮って命令する。
バコッと音を立て顔面に命中、さすがにかわせなかったか。
「・・・(怒怒怒怒怒」
そりゃ怒りますよね普通。
突っ込んできたか、だがかわしt・・・
「うぐっ!」
「フラム!」
予想外だった、かなり速い。さすがは大将と言うべきか。
「大丈夫か?」
「平気ですが・・・これでは」
当たる攻撃も当たらない、か。
元々どろばくだんはあまり命中率がよくないしな、これ以上は無駄撃ちだろう。
そうこうしているうちにダメージが溜まってきている。
「・・・本気出すか」
そう独り言を洩らし、思考を切り替える。完全な計算機のそれへと。
一気に周囲に感覚の網を張り巡らせる。

-------本気って何だ?俺は今から何をしようとしている?

その刹那、この空間は完全に俺のものとなる。
視た情報をそのままに己の頭の中へ写し取り‘記録’する。
世界から色が‘とんでいく’。

--------演算・開始。
今この瞬間から考えうるパターンの樹形図の分岐を100以上製作。
それに対応した動き方も連動。
・・・製作中、この既定空間内において想定されていない異分子を確認。
全回路のうち約二割五分ほどを割きイレギュラーを解析。
フィールド内の岩が一部老朽化している模様。
これにより空間把握、及びパターンの構想が不完全であると判断。
前回の樹形図、消去。
異分子をあると再定義し樹形図を再度製作、完成。
さらに数十パターン、通用すると思われるものを構築。
その中から効力、成功率を計算し最も標的への被害が高いルートを選定。
メインプラン、サブプラン共に選定完了。他のプランを廃棄。
全工程終了を確認、機構の停止を命令。
--------演算・完了

世界が色を取り戻す。
総演算時間、ざっと0.3864572秒ってとこか。
「あ~、錆付いてるな・・・」
まあいいか、支障は無い。

・・・あれ?なんのことだ?
俺なんでこんなことまで分かるんだ?
それ以前に今のは何だ?

「フラム!右に回りこんで岩陰に隠れろ!」
軽く頷き走り出すフラム。
「ぶるぅあああああああ!」
もはや穴g・・・狂気と化したイワーク。
何も考えずに突進してくる。
「今だ!その岩へし折って盾にしろ!」
「了解です!!」
言われたとおりにへし折った。
読み取ったとおり老朽化していて簡単に折れる。
即席ステルスロックを作り出す。
見るも無残な百舌の速贄の完成のはずだが・・・?
「しくったか・・・!」
「そのようですね・・・」
岩の先の血の跡を見るに命中はしたが察知されて咄嗟に防御したといった感じか。
「油断大敵!」
「しまった、後ろ!!」
ボーっとしてる間に・・・こいつ!!
だが想定内、一時サブプランへと移行する!
「どろばくだんを接射!」
またも顔面、かいしんの いちげき!!
「連射!!」
ボコンボコン音を立て泥が飛び散っている。
「追撃だ。岩を投げつけろ!」
うまくいった、と思った次の瞬間、
「・・・!」
岩がフラムを襲っていた。
おおかた投げようとしたところを『がんせきふうじ』あたりで妨害されたのだろう。
それでも顔に出さないだけで満身創痍だったフラムの体力を奪い取るのには十二分だった・・・
「このくらい・・・」
「駄目だ、これ以上は」
一方的にぼーるの中に戻す。
戻る瞬間何故?という顔をしていたが答えは明白。
これ以上戦わせたら余計に傷つくことになる。
だが、これでもっと複雑な問題が出てきた。

-------使うか?

つい、目を向けてしまう。
自分にはまだ最後の一人、姉さんが残っている。
それこそ使えば一瞬で勝負が決まってしまう、ジョーカーとでも呼ぶべき者が。
しかしここで出してしまえば総てに問題がおきてしまう。
規格外。超越者。評する単語をあげていけばきりがない。
それに姉さんを恐怖と畏怖の入り混じった視線に晒すわけにはいかない。
それでもここで出さないと皆でもぎ取った白星への道を閉ざすことになる。

-------使ってしまえ。そうすれば確実に勝利がもたらされるんだ。

自分が語りかけてくる。やめろ、お前の声など聞きたくも無い!!
いや、だが、でも。自問自答の沼に嵌っていく。
・・・あえて嵌って考えてみれば、最初から答えは決まっていたか。
「・・・参りました」
「そうか」
どうやら納得してくれたようだが、
「おまえは、このまま逃げるのだな」
ああ、どこまでだって逃げ延びてやるさ。
もとより俺はそれだけに特化してるんだからな・・・!
「どういう意味だ?」
「まだ戦える状態なのに尻尾を巻いて逃げ出すのかという意味だ。
 お前の手元にはまだ一人居るはず。なぜ出さない?」
「さて、何のことやら。
 俺が戦えるのは今まで出したので全部のはずだ」
「まだ嘘をつくか?
 昨日見たときにはなにやら赤い髪をした萌えもんが居たはずだが
 それとも俺の見間違いなのか?」
……バレてるようだな。
これ以上隠し通すのはかえって怪しまれてしまう。
くそ…俺のせいだ…
「・・・わかった・・・どうなっても知らないからな!!」
ごめん、姉さん。
そう心の中で呟きパンドラの箱を開く。
「!!!」

・・・これで、完全に終わった。

タケシの糸目が驚愕に見開き
「あ・・・ああ・・・!!」
イワークが恐怖に打ち震える。
「ふぅ、少し体が固まっちゃった。・・・よいしょ。
 さて、リリュ君も軟禁状態から解放してくれたことだし、始めましょう。
 ・・・・・・わたしを遊び半分で引きずり出したこと、後悔させてあげる」
だが、その言葉も相手の耳に届いていそうに無い。
「お前・・・?」
こいつの言いたいことは分かる、が、答える義務はない。それより、
「その視線をやめろ・・・姉さんにそんな感情を向けるな!!!」
「ありがとうリリュ君。でもね、それが普通の反応なのよ・・・・・・」
「姉さん・・・」
憂いを含んだ笑みで答える姉さん。
「始めるわ。これ以上引き伸ばしても仕方ないし」
対するタケシは冷静になったようで、、
「・・・いや、タイプ的にはこちらのほうが断然有利だ。臆するなイワーク、がんせきふうじ!」
命令をうけてイワークがこちらの動きを抑制する四つの岩の塊を空中に浮かべ始めた。
技を完成させようと岩を落として。
対する姉さんは無造作に腕を振り上げ。

-------それは起こった。

ゴウアッ!!!と空すら燃すほどの劫火が湧き上がって、
「「!!!!!」」
二人の驚愕が恐怖に縁取られる。
当然だ。こんなの俺だって信じられない。、
・・・姉さんの周りに渦巻いている“溶岩”を見れば。
当たり前だがジムの仕様でこんなものはない、正確にはこんなものは無かった。
そんなことはどうでもいい。余計な意識を向ける必要性はない。
ただ思考する必要があるのはがんせきふうじを姉さんが迎撃したという事実。
迎撃する際姉さんが使ったのは、この世で姉さんのみが扱うことを許された、真空中ですら燃えあがる聖別された火炎、『せいなるほのお』だろう。
それは、
  炎柱を生み出し、打ち出す
という2段階を踏んではじめて“技”となるが、
「嘘だろ・・・そんなことって」
姉さんは、技として"せいなるほのお"を使っておらず。
その一段階目の炎柱だけでがんせきふうじの岩を溶解させてしまったのだ。
「どうしたの?これで終わり?」
どうして伝説が伝説として語り継がれ、畏敬の存在とされているか理解できた。

・・・どうしようもない。こんな存在、どうしようもない。

でも、俺はそうは思わなかった。
そう思う余地など元からあるわけないとすら思えた。

それは、俺が姉さんにもっとも近しい存在だったからかもしれないし。
それは、俺が姉さんの戦う姿など始めてみるからかもしれないし。
それは、俺が姉さんを脅威と認識できないようになっているからかもしれないし。


それは、俺が姉さんの炎を操る姿を"美しい"と感じたからかもしれなかった。


「リリュ君、指示。」
「あ」
姉さんのその声で我に返る。
まずい。
俺が姉さんに見惚れてたなんて知られた日にはどうなるか・・・
「え~と・・・」
姉さんの覚えている技の中で有効なのは・・・
「姉さん、ギガドレイン!」
コクリ。
指示に従い養分吸収のための触手をのばす姉さん。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?
「え!?ええ!??」
触手がイワークに絡み付いている・・・
もう遅かったか、南無。
せめて紳士的行動として目を逸らしておこう・・・・・・
ここからは見てないし聞いてないから俺は知らん。


******************************************************************

「う~ん、すっきりしたぁ~」
「姉さん・・・自重しないな・・・」
心なしか肌がつやつやしている気がする。・・・元々そういう技だから仕方ないと言えば仕方ないが。
吸い取るのは精気かよ・・・なんかイワークのほうはピクピクしてるし。
「もう・・・お嫁に行けない・・・」
「いやぁ、いいものを見せてもらった、ありがとう、心からありがとう!!」
こいつ・・・清々しい笑顔しやがって。
「鼻からトマトジュースが出てるぞ、塞げ」
いや、塞いであれか。ますます救いようがないな。
そもそも(ピチューン)を見て鼻血をだす時点でもう駄目だろう。
「ジムバッジだな、ほれ」
「どうも」
それだけ言って萌えセンへと向かう。










あとがき
長い。それだけですね。
あと途中はトッテモヒドカッタデスネ。
本来はもっとひどかったりしますよ。
自粛しました。さすがにあれは人にお見せできないなぁ・・・(遠い目
それでは、これにて。

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最終更新:2009年03月20日 20:57
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