5スレ>>735


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これは、ある七夕・・・・・・の次の日の出来事。




家の扉が開くと、リリュ君が帰ってきた。
「お~い姉さん、いいもの貰ってきたぞー」
ざらざらと音を立てているものは、
「あれ?笹?」

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話を聞くと、どうやらバイト先のフレンドリィショップで飾ってあったものらしい。
イベントが終わって処分するところを譲ってもらったそうだ。
「丁度いいし、一日遅れだけど七夕でもするか」
最初からそのつもりで貰ってきたくせに・・・・・・

「よっこいせっと・・・・・・こんな感じか?」
家の前に針金でくくりつける。
「ん~・・・・・・多分それでいいと思うわ」
多少しなっているが、これはこれでそれっぽい。
「じゃあ、俺は短冊作ってくるから姉さんは・・・・・・どうしよう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ひどい。はっきり言ってひどい。
もういい。驚かせてやる。
「じゃあわたし着替えてくるから・・・」
「着替えるって・・・まぁいいけどさ」
部屋に入って、すぐに顔だけ出して一言。
「覗かないでね?」「安心しろ天地神明に誓ってそんなことはありえない」
「・・・・・・ぐすっ」
何も即答しなくてもいいじゃない・・・・・・

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そのまま何事もなく着替えが終わる。
せっかく気配や視線が無いか探してたのに徒労に終わってしまった。
なんで・・・?
大体リリュ君くらいの歳の男の子ならそれくらいやってもおかしくないのに!
「――もしかして、わたしって魅力ない?」
・・・・・・自分で言ってて悲しくなってきた。そんなことない、そんなことない。
「姉さん、着替え終わったか?」
「あ、うん。今行くー」
居間へとパタパタ駆けていく。



「あ、なるほどね」
「えへへー、どう?似合う?」
せっかく七夕なので、浴衣、とはいかなくても和服を着てみた。
・・・・・・・・・・・・いつもと大して変わらないじゃないかとか言わないように。
「どう?って聞かれてもな・・・・・
 ぶっちゃけ、いつもと変わらない?」
鬼です。鬼がここに居ます。
で、も。いつもと違うところがきちんとあるのです。
「あのね?リリュ君」
近づいて、耳元で囁く。

「和服って・・・・・・下着つけないんだよ?」
「ごふっ!?」

うん。きちんと男の子の反応だった。
「ほら。・・・確かめてみる?」
服の裾をちょっとずつ、ちょっとずつ上げていく。
顔真っ赤にしてる、でも目を逸らさないリリュ君。
・・・そういうわたしもすっごい恥ずかしいけど。
そして見えるか見えないかのギリギリのところで、
「残念でした。きちんと穿いてますよ~だ」
手を離してストン、と落とす。
「リリュ君ってお姉ちゃんに対してそういったこと考える人だったんだ~
 意外とすけb・・・あれ?」
もしもしリリュ君。なんだか目が据わってませんか?
「まだだ。それってあくまで自己申告だろ?
 ――真実かどうかは、俺がこの目で確かめないとな?」
え、ちょ、ちょっと待って?
もしかしてこれって・・・・・・!!

「今更待ったなしだぞ?
 姉さんから誘ってきたんだからな」
音もなくわたしに寄ってきて、
背中に左腕を廻して逃げ場をなくし、右手で少しずつ、裾を・・・
「ね、ねえ!?リリュ君!?ちょっと落ち着いて・・・」
わたし達まだそこまで関係が・・・・・・
いや、リリュ君が嫌って訳じゃなくて、むしろ嬉しくて、えっと、その・・・
――せめて、ここじゃなくて部屋で・・・・・・
「・・・・・ん・・・・・・はぁ・・・・・・っ・・・!」
もう手が太ももの辺りまで来ている。
指を這わせられると、我慢出来ず息が漏れる。
「姉さん・・・・・・」
静かにリリュ君の顔が近くなっていく。
指のほうも、あっ、だめ、もうすぐで・・・!
これって、これって、まさか・・・?
「っ!」
近づくリリュ君の目に耐えられず、つい目をギュッと瞑ってしまう。
そして――









































































































































































































































































いつまで経っても期待していた感触がない。つまり何も起きない。
我慢できず、恐る恐る目を開けると、リリュ君は近寄る前よりも離れている。
そして、冷めた目つきで、
「バカか?
 ほら、七夕の準備するぞ。短冊に願い事書かないと」
ペタンと地面に座り込む。
ひどい。幾らなんでもこれはひどすぎる。さっきよりひどい。

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短冊に願い事を書く。
リリュ君はわたしが着替えてる間にさっさと終わらせてしまったらしい。
「ぐすっ、リリュ君が冷たいよぉ・・・」
大体こういうのって書いてる途中のお互いのお願い事を覗きあったりするものですよね!?ね!?
そして「おい、見るなよ!」とかなんとか言ってリリュ君が手で隠してわたしが無理やり見ようとして・・・そのうち手が触れ合ったりとかで、お互いを意識しあったりとか・・・
「・・・うん、無いね。リリュ君だもんね。」
どうせ触れ合ったって何も感じやしないもん。リリュ君の鉄壁の自制心め、邪魔するな。
「いやいや何考えてるのわたし!」
そうそう、お願い事書かなきゃ。妄想、ダメ!絶対!
「え~っと・・・・・・」

『居間での出来事の続きが現実になりますように(出来ればキスから先も)』

え?何これ?
願い事っていうより欲望じゃないか。
「これ、笹に吊るすのよね・・・・・・」
つまり、リリュ君に見られるってわけで、

・・・・・・

「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!!!!!!」
頭を抱えて悶絶する。なんと言っているのか自分でも分からない。
想像しただけでこれなのだから、実際に起きたときなど、
――おそらく、リリュ君のわたしに対する目が変わるだろう。
これだけは駄目だ。駄目すぎだ。くしゃくしゃにした後燃やしてしまう。
当然だ。万が一にも人の目に触れてしまってはならない。
「他の他の・・・」

目を閉じて考える。
そして、瞬間的に思いついたことを書き記す。
唯一無二の純粋な願い。叶うはずのない願い。

「リリュくーん!書き終わったよーー!!」
「そうかー!じゃあ早速吊るすぞーー!!」
玄関に急ぐ。

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早速短冊を吊るしていく。お互いの願い事は見ないように。
ものの数秒で終わってしまった。当たり前だ、二人しか居ないのだから。

「リリュ君はどんなお願い事をしたの?」
「ん?そうだな・・・・・・秘密だ」
期待したわたしが愚かだった。
「そういう姉さんはなんて願ったんだ?」
「え?え~っとね・・・えへへ、な~いしょっ♪」
「あ、ひでぇ」
「ひどいのはリリュ君よ。秘密にするならこっちも秘密にするもんね~」
「む。・・・・・・まあいいや。とりあえず飯にするぞ」
「あ、まってよ~」

「そうそう、今更だけど、
 ――その和服、似合ってるぞ」
「!」
その言葉に、顔が紅くなる。
何もこのタイミングで言わなくても・・・頬が緩むのが抑えられない。


二人が家に入っていった後に、バタンと扉が閉まる。
その時に起きた風か、自然に吹いた風かは分からないが、ひらひらとなびく紙切れが二枚。
そこに書かれていたのは、



『いつまでも姉さんと一緒にいられますように。』
『いつまでもリリュ君と一緒にいられますように。』








後日、その願い事が皆の目に留まって、向こう2ヶ月はからかわれることになったのはまた別のお話。
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