5スレ>>782-3


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 神様。なんで貴方はこんな仕打ちを。

「ええい、そこをどけい! 貴様は海の底で引きこもっているのがお似合いじゃ!」
「そちらこそ、馬鹿みたいに空を飛びまわっていらしたらどうなんです」

 ああ、いや、ある意味神様はこいつらなのか。

「ご主人さまも困っていますよ」
「貴様のせいじゃろう! さ、はよう渦巻島に帰らんかい!」

 海の神と、虹の神。

「何を言っているんです。私は何もしていませんよ。あなたがぎゃあぎゃあ騒ぐからご主人さまは困っているんです」
「貴様が帰ればいくらでも静かにするわい! さ、主。あんな奴放っておいてわらわとともに熱い夜を……」

 ……だれでもいい、愚痴を言わせてくれ。

「呆れましたね。品性というものが欠如しているのではないですか、貴方」
「貴様はずいぶんとお堅いのう。女が男をモノにするのは昔から閨と相場が決まっておるじゃろうに」

 なぜ、俺がルギアとホウホウに挟まれてなきゃならないんだと。




 事の始まりは、俺がロケット団なんぞにかかわったからだろう。
 詳しくは省くとして、あいつらはこのジョウトの2大伝説、ルギアとホウホウをどうにかしてとっ捕まえたらしい。
 んでそいつらをダーク萌えもん化しようとしていたところに俺がタイミングよく遭遇。
 仮にもそんな場面に遭遇できるだけのスペックを誇る俺は当然の如く彼女らを救出したわけだ。
 その結果が先ほどの場面というわけだ。
 正直、どうしよう。

「主、はようあやつを渦巻島までたたき返しておくれ。うるさくて奉仕などできたものではない」
「私からもお願いします。早くこの女をカネの塔にでも放置してきてください」

 カネの塔ってあれか、あの焼けた塔か。

「んむぅ、放置プレイか。それも悪くはないかもしれんが、やはりここはわらわが攻めていきたいところじゃ」
「ご主事様、早々にご決断を。もはや手の施しようがありません」

 ……どうしよう。

「ええい、優柔不断じゃのう。あのときの大胆さはどこへいったのじゃ。わらわをして鼓動が高鳴るほどの……」
「なにか誤解を招きそうな表現ですね。ご主人様はあなたに迫ったことはないはずですが」
「むふふ、それは貴様がそういう下心があるからそう聞こえるのじゃ。わらわは真実、主の雄姿にほれこんだのじゃぞ」
「……そんな、いや、まさか、私がそのような破廉恥な……!」

 放っておくとどんどん変な方向に話が進んで行きそうだけど、どうやって修正しよう。

「むふふ、ここはひとつ、そちらの方面で主に決めてもらおうではないか」
「そ、そちら……で……?」

 うん、とりあえずぶっつけで修正していこうこれ以上は間違いなく手遅れだ。

「はいストップ、ホウオウはルギアをそっちに引きずり込まない。ルギアも正気にもどってよ。
 君までホウオウみたいになったら僕、精神的過労で倒れちゃうよ」
「主……それではまるでわらわがただの厄介ものではないか……!」
「事実厄介ものでしょう貴方は。──ご主人様、失礼しました。あまりのストレスに錯乱していたようです」

 まったく、非常に疲れるなぁ。この2人の相手は。

「もういっそ2人で仲良く百合ん百合んしてなよ」
「──────!?!?!?!?」
「……ふむふむ。主はそちらの気があるようじゃの……まぁわらわとしては主が喜ぶならば、
 そのような茶番劇を演じることもやぶさかではないのじゃが……」

 ほら、何の気なしにいった一言すらこんな風におおごとになりかねない。

「いやルギアはいやがってるでしょ。無理やりやらせるような鬼じゃないよ僕は」

 もう、疲れた。眠りたい。

「とりあえず、僕はもう眠る。喧嘩するならするで誰にも迷惑かけないように」

 この判断は、間違っていただろうか。
 僕は、後にそう思うなどと微塵も思わずに言い放って、本当に眠った。




「ご主人様、起きてください……」
「主、仮にも少女の誘いじゃぞ。起きぬか」

 話題が変わるが、ヒトというものは90分の整数倍の睡眠時間だと気持ちよく起きられるらしい。
 聞いた話だし、うろ覚えだから真実のほどはわからないが、それにあてはめれば間違いなく、
 中途半端な時間に起こされたであろうほど俺の寝覚めは悪かった。
 前置きが多少長が、本題に移るとだな。

「……その、どうでしょうか」
「わらわとこやつ、どちらの体が魅力的かえ?」

 そんな眠気が吹っ飛ぶような事態になったわけだ。
 さすがにすべてではなかったが、本来あるはずのそれがなかったのだ。
 皆まで言うまい。

「なにしてやがるお前らぁ!?」

 こう絶叫するのが精いっぱいだった。

「なに、とは無粋な……やはり主の好みに合わぬ方が身を引くまでと思ったのじゃが」
「は、はやく決めてください……こちらとしても恥ずかしいんですから……」
「ならさっさと服を着ろルギア!」

 なんでこう、こいつらは吹っ飛んだことするかな。
 ルギアはまだ常識があると思っていたんだが、そうでもなかったようだ。

「ですが、それではご主人様がホウオウにばかり目を向けるではありませんか!
 私は、そんなのは嫌です! そ、それに、公平に判断してほしいですし……」

 あれ、おかしいな。こんな型破りなのにすごく可愛いぞ。

「そういうことじゃ、主。わらわとて、なにも平気で肌を見せているわけではないぞ。
 主にだからこそ、見せていられるのじゃ……」

 おっかしいなぁ、さっきまであんなに煩わしいと思ってたのに。
 そんな尻すぼみな声で告白されちゃあ、ものすごくいとおしくなってくるじゃないすか。

「……ほれ、手を出すつもりもないのにいつまでも少女の肌を見てるでないわ」
「その、できるだけ早く結論をお願いします……」

 ぼーっと見惚れてるうちに、答えをせかされてしまう。
 即座に返せる答えは、

「選べない、どっちも選びたいっていうのはなし?」

 こんな、中途半端なもので。

「なぁに、すぐにわらわの方が良いと証明して見せよう。それまでの間くらいならかまわん」
「……ご主人様の、お好みどおりになって見せます……!」

 それでも、彼女らは受け入れてくれて。

「……ハハハ……ま、あんまりトラブルをもちこまないで頂戴ね」

 だから、僕も彼女らを受け入れてしまった。




 それが、僕のややこしい毎日の始まりだった。
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