5スレ>>808


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「……」
「あれ?どうしましたレイド団員長、心なしか凄い疲れてるようですが…」
「しばらく猫を見たくなくなった」
「……心中お察しします」
「よく平気だなお前らは」
「もう、慣れましたから…」

本当に苦労してるなあの支部の連中は……
今度何か差し入れをしてやろう。








『R』Story~化石に愛された男~

第四話:衝突


深夜、お月見山地下


「では作戦を説明します。
 今回はチームでの作戦となりますのでまずはこの資料を見て自分のチームを確認してください。
 その後チーム毎に採掘場所が書かれておりますのでそこを中心に化石採掘作業を。
 それでは、解散!」

ローザの号令のもとまずはチーム毎に分かれ、そして行動を開始していく団員達。
お月見山の地下に本部を立て、私とローザ、そして研究員が残り、持ち帰ってくる物の判別を行う。
採掘の仕方も一通り教えており、研究員達も見て回っている。
後は邪魔さえ無ければ戦果は得られるだろう。

「しかし……」

滑稽な物だな。
自分の化石萌えもん達が奪われたが故に復讐の為にロケット団に入ったというのに。
今そんな俺自ら眠っている化石萌えもん達を利用しようとしている。
傍らに立つオムスターを見る。
その顔はいつもと変わらぬ物ではあるがどことなく瞳は暗かった。
俺の視線に気づいたのかオムスターがこちらを向いた。

「マイロード?如何なさいました?」

「いや……お前達に軽蔑されるんじゃないかと思ってな」

「仕方ありませんよ、これも任務ですから。
 私は気にしてないと言えば嘘になります、ですがマイロード、貴方様を軽蔑など致しません。
 私にはあなたしかおりません、貴方様が私の全てなのです。
 だから、気にしないでください。私達は常に貴方様を信じております」

珍しくオムスターの顔には笑顔があった。
強がりなのだろう、彼女なりの。
同族が道具として使われるか売られるかという事を彼女に背負わせてしまう。
俺は心の中で彼女に謝罪をしておく。
すまない、俺に付き合ってもらったばかりに……

「む?」

不図目を逸らし、近くの壁を見る。
少し崩れそうな壁が見える……まさかな。

「すまん、採掘道具を」
「はっ」
「レイド様?」

研究員に言って道具を借りる。
ローザが不思議そうな目で俺を見ているのがわかる。
カンカンと壁を削るとやはり空洞が見える。
そのまま掘ってみると壁は崩れ、空洞の中には化石があった。
こいつは……

「珍しい、頭蓋の化石じゃないか」

カントー地方でも見つける事が出来るとは思わなかった。
てっきりシンオウだけのものかと思ったが……
ふむ、いい機会か。

「ローザ、こいつは俺の私物として扱ってくれ。
 帰ったら復元する」
「よろしいのですか?」
「なに、資料には頭蓋の化石など含めていない。
 ならばこれは対象外という物だ」
「……わかりました」

ローザに渡す。
掘った場所は処理しておき、再び本部に座る。
今のところ上のサンドラから連絡は来ていない。
つまりまだ妨害はされていない、ということか。

「ローザ、どう見る?」

隣に座り、資料を見るローザに尋ねる。

「十中八九妨害は来るかと。
 ニビの方は動きありとの情報が来ました、仕掛けてきます、確実に」

ニビジムのリーダーはタケシという青年だったな……
相性で見ればサンドラは分が悪い。
そこらのトレーナーならば簡単に倒すだろうがジムリーダーともなると話は別だ。
それにもしもだが……

「リーグのほうの動きは?」
「未だ情報は……」

リーグの四天王やチャンピオンが来られればこちらに勝ち目は無い。
できるのは部下を逃がしつつ自分達も逃げる事だ。
正面切っての闘いなどやりたくもない。

「見張りからの連絡は厳にしろ、どうにも嫌な予感がする。
 何か嫌な……「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」……やはりか」

吹っ飛ばされる数人の部下とその萌えもんの姿が見える。
何かしらの攻撃を受けたと見るべきだろう。
俺は椅子から立ち上がり、オムスターも戦闘態勢を取り始めた。
事前にこうなった場合、即時撤収用意を命じてある為、ローザ指揮の下、本部の撤収は速やかに行われ始めた。

「おい、何があった、相手はどんな奴だ」

吹っ飛ばされた奴の近くにまで寄り、情報を聞く。
並みのトレーナーではあるまい、ジムリーダーか、もしくは……

「お前がこの部隊の大元と見た、このような所業、許しておくわけにはいかん!」

上半身裸の大柄の男とエビワラー、そしてサワムラーが出てきた。
あの顔……まさかっ!?

「ちっ、一番会いたくないのが出てきてしまったか」

まさに大外れ、どうにも最近ついていないものだ。
まさか四天王にして格闘使い、シバが出てくるとはな。

「レイド!こちらサンドラよ!」

焦るような声がイヤホンからしてくる。
サンドラか、どうやら向こうも始まったか。

「どうした、そちらも来たか」
「えぇ、ニビの連中がね。何とか凌いでるけどジムリーダーともう一人、強い子がいるわ。
 良い眼をしてるわぁ、教育したいくらいよ」
「その言い方だと余裕そうだな、増援はいらんな」
「冗談、逃げるのが精いっぱいよ、そちらは?」
「一番の懸念材料で尚且つ一番会いたくないのが出てきてしまったよ。
 こちらも撤退を開始する、後は所定の場所で落ち合おう」
「えぇ、女をあまり待たせちゃ駄目よ?」
「お前、男だろうが……」

通信を切り、つけていた通信機を後ろの岩の上に置いておく。
ここからは余計な考えは致命的だ。

「ローザ、部隊の撤退も任せるぞ。俺は呼んでもいない客に挨拶をする」
「はっ……レイド様、また夕飯は頂きに上がります、なのであまり時間をかけないでくださいね?」
「なるべく、な……行けっ!」

俺の言葉にローザは後方へ下がり、団員達を指揮して撤退を開始した。
そんな状況だというのにシバは動かない。
サワムラーもエビワラーも臨戦態勢で動かなかった。

「待たせてしまったようだな」
「ふん……有象無象に興味は無い。頭さえ落とせば問題は無い。
 こちらとしても貴様が残ったのは実に好都合だ」
「嬉しい事を言う……まぁいい、四天王の実力、見せてもらおうか」

ボールからカブトプスを出す。
相手は場に2体、そして腰のボールは残り3つ。
つまり数は同じ。後は戦略と萌えもん達の実力次第。

「行くぞ……」
「いつでもどうぞ……」

こうして俺とシバの戦いの火ぶたは切って落とされた。













「オムスター、まずはまきびし!カブトプスは剣の舞!」

相手との距離は離れている。
まずは後に繋ぐ為の布石と能力値アップをさせてもらう。
シバ側はさすがに速い、一気に距離を詰めてきた。

「サワムラーはオムスター、エビワラーはカブトプスだ。
 相性ではこちらが有利、個々に潰して連携を防げ!」
「「承知!!!」」

こちらの間に入り、連携を封じに来た。
化石萌えもん達は皆タイプに岩を持つ、故に格闘タイプは大の苦手とする。
アーマルドならば虫タイプもあるおかげで他の奴よりも相性はいいが……今はまだ出番ではない。

「エビワラー、マッハパンチ!サワムラー、まわしげりだ!」
「カブトプス、きりさく!オムスター、からにこもれ!」

エビワラーのマッハパンチとカブトプスのきりさくがぶつかった。
互いに退かぬ状況であり、剣の舞による攻撃力アップが生きている。

「やるな…この神速の一撃を見切るとは」
「ふっ、剣を使う者は相手の剣先を見えなくてはならんのでな、これぐらいならば問題はない」
「言うじゃないか!」

一方でオムスター側は殻にこもり、防御の姿勢を取らせる。
まともに喰らえばただでは済まないサワムラーの回し蹴りも殻に籠った姿のまま吹っ飛ばされ、壁に激突しながらも耐えて見せた。

「ふん、いい強度だ。そのまま耐えるつもりかもしれないが俺のサワムラーの攻撃は甘くは無いぞ?」
「耐えるつもりは無い、オムスター、ハイドロポンプだ!」

殻から出、ジャンプしながらハイドロポンプを撃たせる。
射出スピードは速い、一瞬にしてサワムラーの位置を捕えるほどではある。
だが……

「サワムラー、ジャンプだ」

冷静にサワムラーはその脚力を生かし、ジャンプをすることで回避をする。
そのままオムスターに蹴りかかるつもりだろう。
だが、狙いは……

「すまんな、やはり拳と剣では物が違いすぎて勝負する気がな」
「何を……まさか!?」

カブトプスが一旦引く。
エビワラーはそれと、そしてもう一つ迫っている物に気付く。
そう、オムスターのハイドロポンプだ。
初めから狙いはエビワラー。
背後からの不意打ちによりエビワラーがハイドロポンプの直撃を受け、壁に激突する。

「カブトプス!アクアジェット!」

そしてオムスターに襲いかかるサワムラーにカブトプスの神速の一撃を加える。
しかしさすがは四天王の萌えもん、攻撃を喰らいつつも回し蹴りをカブトプスに放つ。
両鎌で防御させ、何とかダメージを最小限に抑えさせる。
カブトプスの表情が曇る、さすがにあの一撃を受けるのは辛いものがあったか。

「やるな、ロケット団にここまでの使い手がいたとはな。
 やはりお前はこの場で捕えておくべき相手のようだ」

「褒め言葉として受け取っておこう。戻れ、オムスター」

モンスターボールにオムスターを戻す。

「行け、ノクタス、すなあらし!カブトプス、アクアジェット!」
「はいはい、そぉれっと」
「承った!」

砂嵐で視界が悪くなる中、カブトプスを前に出す。
エビワラーとサワムラーが迎撃の構えを取る、だが。

「「!?」」

狙いは二人ではない。狙いは……

「ふん、やはりロケット団はロケット団か」

直線上にはシバ、このまま行けば直撃コース。
それに気付いたエビワラーとサワムラーが戻る。

「よし、回転スピン!」
「むっ!?」

シバ手前で止まり、回転スピンをかけさせる。
シバ側の場には先程のまきびしがある。
つまりそのまきびしは戻ってくるエビワラーとサワムラーの2匹に棘キャノンのように襲いかかる。
これで……

「戻れ、カブトプス!」

カブトプスをボールに戻し、ノクタスと共に撤退する。
砂嵐とまきびしの入り乱れるまともじゃない戦場だ、そうは追ってこれまい。
後ろを振り向かずに俺は走る。
走るついでに先程の通信機を回収しておく。

「無茶するわね、一つ間違えればあなたもあのまきびしを喰らってたわよ?」
「その時はお前が何とかしてくれるのだろう?」
「まったく……世話を焼かせる人だこと」
「頼りにしていると言え」

とにかく出口に走る。
シバ一人であるという希望的観測は危険だろう。
それにニビ側でここまでの動きがあったということはハナダ側からも動きがある可能性がある。
最悪挟み撃ちを喰らっては元も子もないからな。
さて、どれ程の妨害があるか……















「ふむ、逃げられたか……戻れサワムラー、エビワラー」
「お役に立てずに申し訳ない」
「いや、お前らはよくやってくれたぞサワムラー、そしてエビワラー。
 奴の作戦が読めなかった俺に否がある。ゆっくり休んでくれ」

二人をボールに戻す。
まさかまきびしはあのような伏線だったとは中々思うまい。
初めから撤退目的の戦いではあったとは思ったが……
それにロケット団でありながら2対2のダブルバトルという場を守ってきた。
オムスターを交代し、ノクタスを出した。ダブルバトルという制限はつけていなかったのにもだ。
意識してなかったのやもしれぬ、だが見たところ化石萌えもんを中心とした構成であろう。
不利な立場だというのは理解していたはずだ、だが奴はそれで尚、しなかった。
ロケット団の一人にしておくには惜しい人材だ。

「あのような男が何故ロケット団にいるのか……世の中わからぬものだ」

だがこれで一つ厄介な事がわかる。
ロケット団にあれ程の実力を持つ男がいるという事は組織の実力も上は高いという事だ。
ワタルが懸念する理由がわかった、確かに何を起こしてもおかしくはない連中だ。

「警戒は促しておかねばならん、か」

後はニビジムのタケシに任せておき、こちらも萌えもんリーグに戻る事にした。
おそらくあれ程の頭がいればほとんどの団員は逃げ果せているだろう。
あの男を捕まえるのも普通のトレーナーでは至難の技のはず。
ならばここに留まる理由はない。荒らされた個所を確認しつつ撤退するだけだ。
戻ればワタルに何かしら苦言を言われるだろうが仕方ない。

「次に会う時を楽しみにしておくぞ先程の男よ。出来ればその時こそ何者にも何事にも邪魔されぬ勝負がしたいものだ」














出口までに配置されているであろうと思っていた妨害は予想に反して何も無かった。
こちら側の部隊はシバ一人だったようだ、希望的観測もたまにはしても悪くは無いかもしれんな。
そして山を出る。後は仕上げか。

「ローザ、そちらの状況は?」
「全員所定の場所に。サンドラ様ももうじき合流とのことです」

なるほど、上出来だ。

「アーマルド、岩雪崩を頼む」
「了解です」

アーマルドを出し、先程出た出口に岩雪崩をし、塞がせてもらう。
これでさらに時間が稼げるだろう。
御苦労と労いをかけ、アーマルドを戻す。

「ねぇ、私には労いの言葉は無いの?」
「……お前は合流場所についてからな」

ちぇーっと似合わない事を言いながらもノクタスは俺の後をついてくる。
周囲に気配は見えないが油断はできない、急いで行かねばな。


周囲を警戒しつつ森の中を進み、少し開けた場所に出た。
ここが合流地点、作戦開始前に予め決めておいた撤退場所だ。
既に自分の部隊、そしてサンドラとその部隊が到着をしていた。

「おかえりぃレイドさぁ~ん、さぁ戦場から帰ってきた暑い抱擁をしましょお~」
「レイド様、お疲れ様です」

俺に気付いたサンドラとローザがこちらに向かってくる。
とりあえずサンドラ、お前は来るな。色々と気持ちが悪い。

「被害は?」
「何とか私の部隊も全員撤退完了よ。さすがに辛かったわ。
 そちらは?」
「四天王のシバが出てきたが一人だったのでな、煙に巻いてきた。
 ハナダのほうは何か動きはあったか?」
「少し騒がしくなっているようですが問題は無いようです」

なるほど、状況はこちら向き、ということか。

「ならば当初の計画通りに、か」

顔をトラックのほうへ向かせる。
団員達は偽装したトラックでそれぞれ撤退。
俺とローザ、そしてサンドラは着替えつつ普通の車で撤退という流れだ。
偽装したトラックの中に入ってもらう奴は大きめの段ボールに入ってもらうなど窮屈な思いをさせるが仕方あるまい。
俺達の場合は堂々としていたほうが逆に怪しまれない。
サンドラに関しては表の顔もあるしな。

「ではそのように」

ローザが団員達に支持を出しに行く。
残された俺とサンドラは用意しておいた車へ。

「それにしても萌えもんリーグ、動いてくるとはねぇ……どうだった?やりあって」
「もうやりあいたくはないな、緊張感が違い過ぎる。
 奇策で逃げさせてもらったが正面から戦うのはご遠慮願いたいものだ」

あれでさらに上がいるというのだから恐ろしいものだ。
四天王のリーダー、ワタルはドラゴン使いと聞く。
その実力はチャンピオンの座を求めるトレーナーの最後にして最大の関門に相応しいものだとも。
そんなものまでまとめてきたらと思うと肝が冷える。

「なるほど、私のとこに来なくてよかったわぁ……
 まっ、今回は運が良かったとして。
 少し休ませてもらいましょう、次の作戦もあるみたいだしね」

「初耳だぞそれは」

こんな直ぐにまた何かするのか。
いや、既にもう始まっているのか。

「ボスとその直属の数人しか知らない大がかりな作戦もあるらしいけどそれとは別みたいよ」

さらに何か計画してるのか頭は。
今度は何をするのやら……まぁ俺には関係ないか。
命令されれば動くまで、幹部クラスとはいえさらに上はいる。
それでも少しは自由に動かせてもらうさ、先程の戦利品のようにな。
気付かれても理由はいくらでも出せる、問題は無い。

「さぁて、着替えないとねぇ~あ、覗いちゃだめよぉ~ん?」

「覗くかバカたれ!」
「ねぇそろそろこれニードルアームかどくづきやっちゃっていいわよね?いいわよね?」

今すぐにでもやれといいたかったが危険を察知して車に逃げやがった。
まったく、気持ちの悪い奴だ。

「……ふぅ、御苦労だノクタス」
「うふふ、どういたしまして。この礼はベッドの上辺りかしらね」
「……戻れ、ノクタス」

いけずぅと言いながらノクタスはボールに戻っていった。

まったく、何で俺の周りにはこういう達の悪い冗談ばかり言う奴が多いのか……


とにもかくにもお月山での作戦はこれにて終了。
戦果は多少は出たようだ、これが闇オークションやら組織の戦力向上やらに繋がるだろう。

疲れた……あ、ハナダで泊まる場合またあの猫だらけの空間に行かねばならんのか。









……ホテル、予約しておこう。

















後書きのようでそうでないような気がするもの。

バトルという名の撤退戦。
逃げりゃえぇねん、逃げりゃ。
ちなみに作者は猫より毒派、意味がわからない。


☆シバ
ウーハー言うとギャグにしか見えないから困る。
相性一番悪い人ということで出させてもらった、はーうー。
別に準レギュラーとかになったりする予定は無い、あーうー
ちなみに作者はHGでクロバットをカイリキーのエッジ急所一撃で落とされた恨みがあったりする。
その後モルフォンのねむりごなでハメ殺したのは記憶に新しい。
ツールボックス

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