5スレ>>889-4


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sweet hideout 1-3


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【青髪の女性】
「ふーん……要するに、
アンタはその不可解な現象の後に気を失った……」
 
【青髪の女性】
「んで、不思議な声を聞いて、
目覚めたら見知らぬこの森にいたっちゅうことか?」
 
【???】
「あ、あぁ……詳しくは俺自身も分からないけど、
そんなところだと思う」
 
【女の子】
「聞いたこともないけどね、そんな現象……」
 
俺は歩きながら、知り合った女性たちと事のあらましを話していた。
 
このように会話ができているけど、
さっきは大変な騒ぎになっちまったんだよなぁ……
 
顔を真っ赤にして怒るこの紫色の服を着た少女を宥めたり、
からかって面白がっている青髪の女性に誤解を解くよう訴えたり……
 
【???】
(この子、暴れたり引っ掻いたりで凄かったからなぁ……
うぅ……あちこちに蚯蚓腫れや痣が……)
 
【青髪の女性】
「ま、嘘にしては話が出来過ぎてるからな。
一応は本当のこと言うとるんやろ」
 
【青髪の女性】
「ウチは信じるで? アンタが元は萌えもんやのうて、
その人間っちゅう種族やゆうことを……」
 
【女の子】
「……私はまだ、半信半疑よ。
催眠術をかけられる萌えもんだっているし、
その声っていうのも記憶操作されて覚えてるのかもしれないし……」
 
正直、俺も少しはそれを思った。
 
今までTVなんかで催眠術を見てて、
ヤラセだろうと信じていなかったけど、
自分の身に掛かって初めて理解することもある。
 
【???】
「けど、俺は自分の今までの記憶やさっき起こったことを話すしか、
原因を探る方法が本当に無いんだ。
それに俺にはアンタ達の言う萌えもんっていうのが分からないし……」
 
【青髪の女性】
「今までの記憶……じゃあ、自分の名前覚えとるか?」
 
【???】
「俺の名前……? 倉田絵那(くらた かいな)っていうけど……」
 
【女の子】
「クラタカイナ……? 全然聞かないような名前ね……」
 
【カイナ】
「あ、名前は絵那だ、カイナって言ってくれればいいから……
倉田は苗字だし……」
 
【女の子】
「ミョウジって?」
 
【青髪の女性】
「あぁアレやろ? 地域別にあったりする、
自分の種族名を名前の前か後ろに持ってきたりするヤツや」
 
【カイナ】
「あ、そんな感じだと思う……
倉田っていうのは種族名とかじゃないけどさ」
 
【女の子】
「……………」
 
【青髪の女性】
「アル、いい加減信じてあげるんや」
 
【青髪の女性】
「自分のことを説明するなんて簡単にできることやない。
でもしっかりとウチらに話してくれてるやろ?」
 
【女の子】
「……ぅ~」
 
青髪の女性がやんわりと説得しだすと、
少女は困った顔をして少し呻く。
 
先程自分は半信半疑だと言ってしまった手前、
認めるのに抵抗があり、かといって意地を張り続けるのも
居心地が悪くてどっちつかずになっているみたいだ。
 
【女の子】
「…………アルティナ……」
 
【カイナ】
「え?」
 
【アルティナ】
「だから! 私の名前はニューラ種の
アルティナだって言ってるの!!
し、仕方ないから信じてあげるわよ、貴方のこと……」
 
ふんっと顔を赤らめてそっぽを向いてしまう
アルティナと名乗った少女。
 
自分の名前を言ってくれたということは
俺のことを認めてくれたってことか……?
 
【青髪の女性】
「まぁったく、素直やない奴っちゃなぁ……
ウチも自己紹介するで。
ウチはゴルダック種で、名前はメロ……」
 
【アルティナ】
「ち、違うでしょぉ……!?
私はいつもゴル姉って呼んでるわよぉ?」
 
【ゴル姉】
「なんや、にっこり笑いながら声荒げて、
それはあだ名……ん………?」
 
【ゴル姉】
(↑ちょ、なんやねんこれ!?
ウチの名前あだ名で覚えられとる!?)
 
【カイナ】
「……アルティナにゴル姉か……うん、いい名前だし、
ゴル姉の方はとてもしっくりきてると思うな」
 
【ゴル姉】
「ちょっと!? アンタまで何言い出すんやカイナ!
まさかウチ、この名前が確定されるんか!?」
 
【アルティナ】
「ふふふ……し・か・え・し♪」
 
仕返しと言ったアルティナの顔が腹黒そうな笑みに変わり
先程から笑顔を崩さなかったゴル姉の顔は、
焦ったり、アルティナに対して少し怒った表情をみせる。
 
【ゴル姉】
「……ちょっとおいたが過ぎるようやなぁ……アル……」
 
ゴル姉の瞳が怪しく光ってアルティナを視線に捉えるけど
アルティナは体勢を崩さず余裕があるようにしている。
 
【アルティナ】
「ふっふーん♪ そんな怖い顔しても平気、
自慢のエスパー技も聞かないし、水にだって対処できるわ」
 
【カイナ】
「お、おい……技とかなんだか訳がわからないけど、
喧嘩はやめないか……?」
 
【ゴル姉】
「えぇんや、割かし日常的にやっとることやし……
喧嘩するほど仲がえぇって言うやろ?」
 
【アルティナ】
「そうそう……ここらで白黒つけたいし……」
 
そう言いながら、二人は臨戦態勢に入り
アルティナは鉤手を鳴らし、ゴル姉は何やらブツブツと呟き、
額の発光体というものを淡く光らせている。
 
【カイナ】
(な、なんか二人とも凄く楽しそうなんだけど、
止めなくていいんだろうか……?)
 
【ゴル姉】
「いくで!! 水の波動!!」
 
【アルティナ】
「ならこの技で! 悪の波動!!」
 
【カイナ】
「ひ、ひいぃぃぃっ!!?」
 
二人が翳した手からは
水色と黒色の光線らしきものが
放たれてぶつかり合う。
 
その衝撃で草木は揺れ、轟音が響き渡り、
間近で見せられた俺は驚いてその場に倒れこんでしまった。
 
【カイナ】
「ぜ、前言撤回……!! こんなの俺に止められる訳ない!!
さっき〝人間にしか見えない〟って言ったのも取り消す!!」
 
ということは……あの女の子のあの火の粉も
こんな風に道具を使わずに出したってことか……!?
 
あぁ……夢の中の少女の声……
なんで俺をこんな場所へ連れてきたんだ?
 
人間にはあり得ない不可思議な力を使う
〝萌えもん〟なる少女たち……
 
俺自身の体も、こんな風になるよう変えられてしまったのか……
 
二人(+α)の少女や迷い込んだこの場所について、
繋がりを持つことは出来た。
 
けど、元の場所に戻れるか、
もしくは怪我をしないで帰れるかは
二人の少女のせいで絶望的だと知らされる。
 
【ゴル姉】
「今度のは絶対当たるで! スピードスター!!」
 
【アルティナ】
「だったら叩き落とすまでよ! ブレイククロー!!」
 
【カイナ】
「だあぁぁぁ!! もう止めてくれーーー!!」


 
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【ゴル姉】
「着いたで~。あれがウチらの家や」
 
【カイナ】
「……………」
 
【アルティナ】
「この先に……はぁはぁ……町があって、
仕事したり……ぜぇぜぇ……買い物したりするの」
 
ゴル姉の指差す先には木で作られた一軒屋が見える。
 
〝ウチらの家〟ということは、
この二人が住んでるということなんだろうか。
 
話から推察するに、二人暮しのようだけど……
家族とは離れてるってこと?
 
【カイナ】
(それにしても……木だけなのか? 森の中だってこともあるけど、
外灯らしきものも見つからないし……)
 
自分が来たキャンプ場には、少なからずそういうものがあった。
 
しかし、今見ている景色からは
あるほうがおかしいとさえ思える程自然に囲まれている。
 
【アルティナ】
「……はぁはぁ……」
 
【カイナ】
「な、なぁ……大丈夫か? アルティナ……」
 
【アルティナ】
「う……うぅ………返り討ちにするはずだったのに……」
 
先程行われた、喧嘩という名のトンデモバトル。
俺は巻き込まれないように遠巻きに移動して見ていた。
 
【ゴル姉】
「なははは、アルはスタミナないからな~♪
ムキになって大技連発するから回避したり、
受け流せばこっちの勝ちやで」
 
仕掛けたのはゴル姉の方だったけど事態は一変、
ゴル姉は回避のしにくい小技で攻め立て、
それに逆上したアルティナは派手な技の数々を繰り出したけど
平静を保つゴル姉に全て完封されてしまった。
 
【カイナ】
(というか初撃の威力と比べて、どうもゴル姉は
軽くあしらっているようにしか見えなかったけど……
怪我をさせないためか、それともからかっているだけか……?)
 
すっかり彼女達の不可思議な力を受け入れてしまった俺は
彼女達のやり取りを分析していた。
 
というより、間近であんなものを見せ付けられてしまっては
受け入れざるを得なかったというのが正しい表現だろう。
 
【アルティナ】
「うぅ……しんどい、早くくつろぎたい気分よ……」
 
【カイナ】
「まぁさっきみたいなのをやった後だと
そういう気分になるよな……」
 
【カイナ】
「でも、あのさ……俺はどうしたらいいかな?
ここら辺のこと全く知らないし、どうするかも分からないし……」
 
【ゴル姉】
「慌てなくてもえぇわ。このまま家に入る訳やないで?
仕事道具を置いたら一旦町の方に行くんや」
 
何やら器具らしきものを入れる布製のバッグを
屋根の下の出っ張りに引っ掛けながら話すゴル姉。
 
【カイナ】
「町の方?」
 
【ゴル姉】
「せや、ウチラはアンタに起こった事が何かは分からへんけど
町の方に行けば誰かしらそれに詳しい人が
いるかもしれへんやろ? 案内するで」
 
【カイナ】
「あ、なるほど……でも、いいのか? 疲れてるんじゃ……」
 
【ゴル姉】
「あー気にせんでもえぇって、ウチラも用事あるしな、アル」
 
【アルティナ】
「うん、仕事の報告しないとね、
私達の仕事先は町の方にあるから集めた木の実を届けないと……」
 
そう言いながらアルティナは
腰から麻袋を取り出して上下に揺らす。
 
中には大小様々なもの入っているのが分かり、
じゃらじゃらとぶつかり合う音が聞こえてくる。
 
【ゴル姉】
「おっ、今回は結構採れたみたいやなぁ。
な、な、チーゴの実とか余分に採れてないんか?
二、三個、酒のつまみに欲しいんやけど……」
 
【アルティナ】
「ダーメ! 余分に採れたけど、
これは薬用にするんだから
誰かさんのお楽しみにするなんてできないわ」
 
【アルティナ】
「それに、少し冷凍しただけで
麻袋に入れてるだけだから
急がないと溶けちゃって保存状態が悪くなるからダメ!」
 
【ゴル姉】
「ちぇ~、なんやアルのいけずぅ~」
 
【カイナ】
「あ、あのさぁ……盛り上がっているところに悪いんだけど……」
 
きゃいきゃいと小突き合う二人を見て、
すでに取り残されてしまっている俺は
なんとか輪に入ろうとして言葉を発した。
 
【カイナ】
「えっと、話をまとめると、アルティナは森で薬用の木の実を
採取してて、これから仕事先に届けに行くと……
そういうことか?」
 
【アルティナ】
「ん、そんなところね。
結構多めに採れたから店に行って
すり潰す手伝いもするんだけど……ほら、これがチーゴの実よ」
 
そう言ってアルティナは麻袋に手を入れると、
実を一つ取り出して手渡してくる。
 
【カイナ】
(……苺か? これ……)
 
俺は手にある実をまじまじと見て思う。

カチンカチンに凍っているけど
大きさ、形状、葉の形から苺を連想させる。
 
唯一違うとすれば、青々とした色だけだけど……
 
【カイナ】
「けど……これ、どうやって凍らしたんだ?」
 
【アルティナ】
「え? 〝粉雪〟を使っただけよ?」

【カイナ】
「え……? でも、今日、結構暑いぞ?
雪なんて降るはず……」
 
【ゴル姉】
「ちゃうて、アルの能力や、
アルは〝悪〟と〝氷〟のタイプ持っとるから
吐息を粉雪……氷点下まで下げることができるんや」
 
【カイナ】
「タイプって……い、いや、それよりも
なんつーか、萌えもんって便利な特技ばっかり
使えるんだな……」
 
【ゴル姉】
「まぁ仕事に役立てば生活にも困らないしなぁ……
逆に聞くけど、その人間も何か特技あるんか?」
 
【カイナ】
「いや……鍛えてる人とかは
水泳とか長距離走とかが凄いけど、
その粉雪とか、二人の使えるようなものはちょっと……」
 
質問を返し終えると、アルティナとゴル姉は
悲しそうな顔をしている。
 
すると二人はなにやらひそひそ話をしだす。
 
【ゴル姉】
「なんや……人間ってえらい苦労しそうな種族なんやな……
ウチらは何気なしに使ってることが出来ないんやし……」
 
【アルティナ】
「ちょっと……思ってても口にしちゃダメだって……
いくらなんでも聞こえてたら可哀想でしょ……?」
 
【カイナ】
「…………………」
 
いや、めっちゃ聞こえてるんですけど。
 
何これ? もしかして俺、凄く哀れに見られてる?
 
そりゃ二人の出来る事を見てたら羨ましいって思うけど
なんていうか……悔しい……
 
【カイナ】
「な、なぁ、俺って今萌えもんにしか見えないっていうか、
萌えもんなんだろ? ならさっき言ってたグラエナって種族も
何か凄い特技とかあるんだろ?」
 
半ばやけくそになった気持ちで二人に問いかける。
 
悔しさからか、俺は完全に自分を萌えもんと
決定付けてしまった。
 
【アルティナ】
「特技? えっと、グラエナって確か火傷とかを負って
健康状態が害されたときに足の速さが向上するらしいけど……」
 
【ゴル姉】
「遠吠えとかして仲間と連絡しあったり、
相手の正確な位置を嗅ぎ分けたり、
突進したりするから体術や感覚器官が長けてるわ」
 
【カイナ】
「……ほぼ犬じゃないか!! その特技!」
 
静寂に包まれた森の中に
俺の理不尽な訴えが木霊した……
 
…………………………………………………
 
【ゴル姉】
「ほれ~、えぇ加減不貞腐れるのやめや。
別にえぇやんか、ウチらみたいな飛び道具とか使えんでも……」
 
【カイナ】
「……………はぁ……」
 
町までこうやって着いてきたけど、俺の気持ちは翳っていた。
 
ゴル姉が俺の肩を叩いて励ましてくれるけど、
気休めとしか思えない。
 
【カイナ】
「俺だってさ……男の子だしさ……テレビっ子だから
そういうものに憧れてたんだよ……
なのにさ……体術オンリーってどうなのよ……」
 
RPGやアクションものよろしく、アルティナとゴル姉みたいに
手から発せられる光線だの、粉雪だの、そういうものが
子供時代には憧れてやまないものだった。
 
不本意とはいえ、そんな力が使える〝萌えもん〟の世界に
入り込んだと言うのに、その力の片鱗も使えないことに
落胆を隠し切れない。
 
【アルティナ】
「あーもう! ぐちぐち五月蝿いわね!!
私達だって利便性がなければ好き好んで使ったりしないわよ!!」
 
【ゴル姉】
「せや、最近は何かと物騒なことも多いけど、
少なくともこの町には争いごと起こすようなのもおらんし……」
 
二人の言葉を聞いて、町の景色を見やる。
 
木や石の建築物、少ないとは感じるけど
往来する人々は、誰と視線を合わせても
にこやかに挨拶や会釈をしていて、
明るい雰囲気がとても漂ってくる。
 
しかしそれとは別に、ゴル姉とアルティナの家を見てからの
違和感が増す一方だ。
 
聞くのが少し怖いけど
はっきりしておいた方がいいだろう。
 
【カイナ】
「ここってさ、もしかして機械がないのか?
外灯らしきものも見えないし……」
 
家の一つ一つ、道路の一角を端から端まで眺めても
外灯はおろか、車も走っていない、
まるで中世の外国のような町だった。
 
【ゴル姉】
「その〝機械〟っちゅうのはアンタの世界では
ありふれたものなんや?
でもここにはそんなものないし、初めて聞くわ」
 
やっぱり、ここは俺がいた場所とは大きく異なるらしい。
 
機械を使わない町なら、まだ救いがあるけど
機械の名を初めて聞くということは、
存在しないと言い換えることとなる。
 
【カイナ】
「機械は、電気……雷って言えば分かるかな?
その力を使って動く、からくりで
生活の大半を支えてくれる便利なものだよ」
 
【アルティナ】
「じゃあ人間のいる世界ではそれを使って
私達みたいなことをしているんだし、
別に羨ましがることもないじゃない」
 
【カイナ】
「それはそうだけど、その電気を使うのにも
色々払ったりするし、使いすぎは環境にも良くない」
 
【カイナ】
「それを考えると、個人の力でそういうことが出来るみたいだから
羨ましいなって思えるんだ、
それに、仕事や人の役に立つことが幅広くなるしさ……」
 
【ゴル姉】
「ふーん……人の役に立つことか……せや、カイナ。
少しの間、ウチらの仕事を手伝う気あらへんか?」
 
【カイナ】
「えっ? 仕事を手伝う……?」
 
【アルティナ】
「ちょ、ちょっと!? 何言ってるのよゴル姉!
カイナをここに案内したのは元の世界に戻る方法を
知る人を探すためでしょ!?」
 
ゴル姉から思慮外の発言が出され、俺とアルティナは
困惑し、当初の目的の元の世界へ戻る方法を
探るということをゴル姉に伝える。
 
しかし……
 
【ゴル姉】
「知ってる人がこの町におらんかったらどうするんや?
少なくとも見つかるまでは時間が掛かるから
それまで生活の基盤立てるのが先決やろ?」
 
【ゴル姉】
「それにな、ウチらはカイナの保護者みたいなもんや。
知ってる人に預けてハイお終い、なんて薄情やろ?」
 
【アルティナ】
「う……」
 
【カイナ】
「言われてみれば、確かにそうかもしれないな……」
 
【ゴル姉】
「だからと言って、ウチらの稼ぎじゃ食い扶持一人を
余分に賄うのも厳しい、だからこそ手伝ってもらうんや。
カイナかて、ヒモ生活嫌やろ?」
 
【カイナ】
「うわ……俺そんな甲斐性のない生活はご免だなぁ。
確かにそうした方がいいかも……」
 
ある程度の手伝いは、バイトでやってたことを思い返せば
大丈夫だろうし、それになんとなく二人の仕事には
興味があるし……
 
【アルティナ】
「で、でも……! 安定した生活するには
それなりの期間ここに滞在することになるのよ!?
いくらカイナが旅行中だったからって、親御さんが心配……!」
 
【カイナ】
「あ、それ大丈夫、別に心配してないだろうし」
 
【アルティナ】
「ちょっと! 何さらりと言ってんのよ!?
心配しないわけ……!」
 
【カイナ】
「……本当だって……!!
別に、俺がいなくてもあの家は十分回ってるだろうし……」
 
【アルティナ】
「……カイ……ナ………?」
 
【ゴル姉】
「………………」
 
言葉を荒げてアルティナの心配を一蹴してしまう。
 
家族のことを聞かれるのは非常に辛かった。
元々〝あの家〟から離れる理由で
慰安旅行に参加したようなものだし……
 
俺の言葉の意味を察してか、言葉を失くし、
悲しそうな目で見てくる二人。
 
くそっ!!
 
そんな目で見るなよ……
 
【ゴル姉】
「……なぁカイナ、せやから、ちょっとの間でえぇから
気晴らしにやってみぃひんか? 無理にとは言わへんけど……」
 
【カイナ】
「………いや、働かせてくれ……
別に帰ることに急いでる訳じゃないんだ」
 
【ゴル姉】
「……そうか。
じゃあ、ウチとアルの仕事どっちを手伝うんや?」
 
【アルティナ】
「………………」



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