5スレ>>898


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「なぁ、キュウコン」
「どうしたのよ」
「何でバトルに出てくれないのさ。他の娘ばっかりレベルが上がって、キュウコンのレベルって進化した状態で止まってるんだけど……」
「嫌よ。そもそも何でアナタの言う事を聞かなければならないの」
「いや、キュウコン。一応俺の手持ちだろ」
「むしろ嫌ね。アナタの僕だなんて末代までの恥だわ」
千年も生きるのに末代って何世代後だよ……
このキュウコン。シオンからタマムシへ行く途中に偶然出会ったロコンが進化したんだが。
キュウコンになった時から全然バトルに出てくれなくて困ってる。
ロコンの時は意地っ張りだったけどまだバトルしてくれたのになぁ……
「……昔のことは忘れなさい」
「心読むなよ。……ハァ、キュウコンは手持ちで唯一の炎タイプだから重宝してたのにな」
「この前、ガーディを捕まえてたじゃない。それを使えばいいでしょう」
「いや、ガーディは進化させるのに必要な炎の石はキュウコンで使っちゃったし……」
買うにはタマムシシティまで行かないといけないからな。今はタマムシまで行く時間も余裕もないし。
「やっぱり、キュウコンが必要なんだよぉ~お願いだからバトルに出てくれよぉ~」
キュウコンの肩を掴み懇願する。あれ? 俺って主だよね?
「ちょ、や、止めなさい! いい加減にしないと火炎放射で焼き払うわよ!」
「頼むからさぁ~」
「い、嫌だって言ってるでしょう! 本当に炭にするわよ!」
「なぁ~」
頼み続ける、ついでに掴んだ肩を前後に揺らす。
焼き払うとか言っても実際にはしてこないから安心。優しいねーキュウコンは。
まぁ、そんなこと言わないけどね。この前言ったら覚えてないのに炎のパンチ喰らったし。
とりあえず、この辺りは草や虫タイプの萌えもんを持つトレーナーが多いからキュウコンがいてくれると楽なんだけども。
暫らく頼み続けたら遂にキュウコンが折れた。
「わ、分かったから。手を放しなさい!」
「マジで! さっすがキュウコン!」
「調子に乗るな!」
殴られた、痛い。
まあ、キュウコンが出てくれるなら楽に進めそうだ。途中でレベルも上がりそうだし。
──
そんなわけで、キュウコンがバトルに出てくれたんだが。
これがもう凄い凄い。全然上がって無かったから相手と同じくらいのレベルなのに、薙ぎ払うように敵を倒していく。
元々、結構強い萌えもんだから期待はしてたけどここまでとは……
キュウコンさんマジすげぇ。
暫らく戦い続けて、レベルもかなり上がって結構追いついてきたし。バトルの方は数分で終わるのですぐに目的地まで着いた。
そして、目的地にある萌えもんセンターで手持ちの皆を回復させて、萌えもんセンターの宿舎に泊ることにした。
で、今は──
「………」
「………」
キュウコンがこっちを睨んでます。
一体何をしたって言うんだ。横を通ろうとしたときちょっと肩がぶつかっただけじゃないか。
何時からキュウコンは不良になったんだよ。
「えっと、その……」
「……そこに座りなさい」
「い、イエッサー!」
うん、俺ってキュウコンの主だよね。そうだよね。そうだと信じたい。
何かこう、逆らったらいけないオーラが出てるんだよ。マジで怖い。
この場の空気から正座で座ってますよ、足が痺れそうですよ。
「……楽にしてくれていいわ」
「あ、そうですか」
言われた通りに正座から胡座になる。
しかし、キュウコンはまだ威圧感バリバリで話す。
「今、この部屋には私とアナタだけなのよね」
「他はボールに入ってるからそうなるのかな」
「そ、そう。ならじっとしてなさい」
キュウコンがこっちに歩いてくる。ああ、また殴られるか蹴られるのか。
生憎。俺は決してそういう趣味も性癖ももちあわせていない。だから蹴られたってご褒美にはならない。
キュウコンが目の前まで来た。俺はこれから来るであろう痛みに耐える為に目を閉じて、歯を食いしばった。
……………………ん? なかなか、痛みが来ない。
そう思ってたら、太ももの部分に何かが乗ってきた。
恐る恐る目を開けると、キュウコンの頭が、膝の上に乗っていた。
俗に言う膝枕。されるより前にする側になるとは……って、エェ!?
「きゅ、キュウコン? 何をしてるんでしょうか?」
「何って、膝枕よ。悪い?」
「いや、どうして急に」
「今日、戦闘に参加したでしょう。その報酬よ」
「報酬って……」
キュウコンからしてみると、あのバトルは重労働らしい。
あんな簡単に倒してたのに……もしかして物凄く頑張ったのか?
「私はアナタの為に働いたの。だからそれなりの報酬をもらう権利があるのよ」
「そ、そうか? 良く分からないけど、膝枕でいいなら別にいいけど」
キュウコンはそこまで言うと仰向けから横になってしまった。
顔が良く見えなくなってしまったけど。まあ、偶にはこう言うのもありかな、と思う。
俺は、キュウコンの頭を撫でようと、キュウコンの頭に手を乗せた。
拒否されると思ったけど、以外にもキュウコンは受け入れた。
そのまま、俺は暫らくキュウコンに膝枕をしていた。
──
次の日の朝、キュウコンに殴られた。理由はなんとなくだそうだ。
世の中理不尽だ。でも、その後のキュウコンの笑顔を見たらそんなことどうでもよくなった。
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