2スレ>>527


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セキチクシティは本日も雲ひとつ無い快晴。
 オニスズメの囀りが聞こえるなか、オレはサファリゾーン近くの川辺で静かに釣り糸を垂らしていた。
容赦なく降りそそぐ日差しは実ににほんばれなソーラービームのようで、今日も暑くなることがtんきに知識の無い予想できるようだった。
もっと木陰に移動すべきだったかな・・・?
 こんないい天気ににサファリゾーンでも散策できれば、ひょっとしたらラッキーに出会えたりするんじゃ・・・なんて緩い想像も膨らんだりもする。
もっとも、残念ながら今のオレたちにそんな余裕は無いのだが。


唐突で悪いのだがだが、今オレ達は旅を始めてから一番の大きな壁にぶち当たっている。
ひょっとしたらパーティ存続の危機かもしれない。
正直に言うと、ちょっぴり挫折感も味わっている。
こんなに苦しいのはあれだ、ニビシティでイワークにふるぼっこにされて以来だ。
どうでもいいがあれ以来イワークはプチトラウマだったりする。
そんな気持ちに知らない内に溜息を吐きそうになるが、これ以上幸せが逃げてなるものかとあわてて飲み込む。
と、オレの沈んだ気持ちにシンクロしたかのように、隣に座っていたサンドが呟いた。
「おなか・・・空きましたね」
「・・・そうだな」

ぐ~~~~~

相槌を返すとまるで示し合わせたように二人分のお腹が川原に響いた。
そう、オレ達に立ちふさがる最大の障害・・・
それは金欠と、それに伴った空腹だった。

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~空腹は最悪の状態異常~

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事のてん末はこうだ。
数日前にカントー地方の南の都市、セキチクシティにやってきたオレ達。そしてそんなオレ達を迎えてくれたのは、とある一枚の大きな看板だった。


<めずらしいもえもん大集合!もえっこもんすたぁとふれ合って楽しめるセキチクサファリパーク! (時間制限あり、有料、ドリンクワンオーダー制)>


                              ガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!

そこに書かれていた言葉は、男の子を目覚めさせるには十分すぎるほどの破壊力が秘められていた。
珍しいもえもんがいっぱい!!
しかもお触り可!!
なら進むしかないじゃないか!!

そのおさわ・・・いや、ふれあいという言葉に存分にスケベ心・・・もとい探究心を刺激されたオレは、ありったけの金を握り締めてその天国へと走った。
そこは、まさしくパラダイス。
広大な敷地にのびのびと暮らすもえっこたち。

はぅ~かぁいいよぉ!お持ちk(ry 

あ、パークの飼育員さん?え?おさわり禁止?や、やだなぁほんの冗談ですって。ははは。
さすがにおさわりは(お持ち帰りも)厳重に注意された。が、めげることなくオレは時の経つのも忘れて未だ見ぬもえもんたちに出会うために、毎日パラダイスへと通ったのだ。
鎌娘ストライクッ!
人妻ガルーラッ!
ぷにぷにおなかのカイロスッ!
落ちてた金色の入れ歯ッ!   なんだこれ、イラネ
甲冑娘サイホーンッ!
めがねっこパラセクトッ!
三つ尾のケンタロスッ!      なんだ男か、イラネ
そして、癒しの女神ラッキーッ!
うおおおおぉラッキーはどこだラッキーは!ぶらあああぁああッ!!

あ、飼育員さんどーも。え?出禁? すいません、ホントおとなしくするんでそれだけは勘弁アーッ!!


強制退園させられた後、やっと我に返った俺に残されていたのは、多少心もとなくなった財布と、鼻の下を伸ばしきっていたオレを見つめる仲間達の黒いまなざしだった。
やべぇ、逃げらんねぇ。
 さらにどうやら遊びすぎたツケが相当にたまったらしく、財布は軽々。このままではボールはおろか自分達の食費を削る羽目になりそうだった。
とりあえず、当面の軍資金を稼ごうと思案する皆に、オレは信頼を取り戻す意味でもこう言い放った。
「もえもんに使っちゃった金は、もえもんで稼げばいいんじゃね? 具体的にはジム破りとかで。だぁーいじょうぶ、オレ達なら余裕だって♪」
仲間達もそれが一番手っ取り早いか、と納得してくれた。
が、ここで軽くちょづいて大きくでちゃったのが、失敗だった。




しびれごな!
ねむりごな!
どくどく!


レッドの財布には払える賞金が無い!
レッドは目の前が真っ暗になった!

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ーでだ、今に至る。
 キョウ?ふるぼっこにしてやんよ?と意気込んで行ったは良いが、見事に返り討ち。
 何とか善戦し、ベトベトンまで食い下がったはいいが、最後の壁マタドガスには傷一つ付けられなかった。
 さらに”タネ銭無しで来るとはいい度胸だその根性たたきなおしてやる” とケツの毛まで毟られそうになった。
 もえもんセンターでやっと我に返った俺に残されていたのは、本当に心もとなくなった財布と、オレを見つめる仲間達の黒いまなざしだった。
やべぇ、マジ逃げらんねぇ。
 なけなしだった最後の軍資金もとられ、残金は135円。
 んで、傷薬すら買えなくなったオレは、現実逃避の意味も込めてこうやって釣り糸を垂らしている。場所がサファリゾーン近くの川辺なのがまた未練たらしくて泣けてくるのは内緒だ。
が、さっきから釣り糸はピクリとも動かない。
「だから、あの時お前が確実にベトベターを倒しておけばよかったのだ!」
 ふいに後ろから毎度のように、聞き慣れたギャロップとペルシアンのケンカが聞こえてきた。
”こあくま”な性格のペルシアンと”お嬢様”なギャロップはなかなか馬が合わないらしく、ことあるごとにケンカをしている。
また今回もさっきの戦闘に関してギャロップが突っかかったことが原因のようだ。
「そんなことよりぃ、今はどうやってこの飢えを凌ぐかが問題でしょぅ?」
「ふん、それならお前のそのでかい胸でも焼いてマスターに召し上がっていただけ!」
「あらん、私なら胸だけとは言わずこの身体の全てをご主人様に捧げられるわぁ。 もっとも?お嬢様のギップちゃんには無理でしょうけど?」
「ひとをゲップみたいに言うな! ・・・・・・ではなくて、わたくしだってその・・・なんだ、マスターが望むのなら、この身の一つや二つ・・・」
「どう見ても馬刺しです。本当にありがとうございました」
「なんですってぇ!!」
 あわやバトルの始まりそうな後ろの二人をシカトすることに決め、オレは意識を釣竿へと再び向ける。
 するとずっとオレの隣に座っていたサンドも、そんなケンカに嫌気が差したのか呆れたのか横からおずおずと今後の方針について口を開きだした。
「ねぇご主人様、時間がかかるけどやっぱりボクがじしんを覚えるまで地道に頑張った方が・・・」
もっともな意見かもしれない。だが、サンドがそこまで成長する前に135円ではオレ達は餓死してしまうだろう。
「サンド」
だけどな、オレ達は生きる事を最優先しなくちゃいけない。
「え? な。なんですかご主人様・・・・・・」
「キングラーって食えるかな?」
「切羽詰りすぎですごしゅじんさまぁぁーっ!!」
あ、むこうでコイキングが跳ねた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー数時間後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「だいたいだなぁ、愚鈍な怪獣が主食にしてるあの怪獣だって、食べたら海老の味がして美味だと言われているのに、キングラーが食べられないなんていったい誰が決めたんだ。
ひょっとしたら期待通りの味かもしれないじゃないか。いや、そもそも※ケモンが食べられないという前提がおかしいのかもしれない。
オレも含めてだがみんなもえもんを性的な意味で見つめすぎなんだ。異論は認めない。そこでだ、もし※ケモンが食べられるのだとしたら誰がいい? 
オレか?オレならやっぱりシェルダーだな。二枚貝※ケモンなんていかにも食指が働きそうな名前じゃないか。貝柱とか。貝柱とか。そう思わないか?
でもし食うとしたらだ、やっぱり食い方にもこだわるべきだと思うんだよな。例えばあのひらひらした紫色の衣をひん剥き一糸まとわぬ姿にしたて上げ、おびえ惑うその手を取って・・・・・・フヒヒ・・・サーセン、頂きます・・・
・・・おっと自重自重、やっぱりなんか性的な目で見てしまうな。健全な男の子としてしょうがない事なんだけど。
つーかなによりこんなこと書いてたら全国のもえもんマスター様たちに『シェルダーは俺の嫁なので許さん』と言われかね『ご主人様ッ!』ぶらぁッッ!?」
 突然、釣りを続ける傍ら食の大切さを大いに語っていたオレの頬を、サンドがおもいっきり引っ叩いた。
「ご主人様!そんな事より ひいてます!ひいてます!」
「読んでくれてる人が?」
「釣竿ですっ!!!」
 サンドの言葉に竿を見ると、確かに浮きは沈み、竿先は激しく上下している。
そう、まさしくこれは獲物が引っかかった証!うらっしゃぁ!
間髪居れずにオレは獲物を逃がさぬように全力で引き上げにかかる!
「うおりゃああぁっ! キングラー来いっ!!」
「まだ言ってるー!」
しかし-

スカッ

「・・・あれっ?」
 釣竿から来る手ごたえは意外なほど軽かった。
「りゅー」
なにやら妙な泣き声と共に、水面から若干小ぶりなサイズのもえもんがあがってくる。もちろん、そこに引っかかっていたのはキングラーなどではない。

「りゅー」

 針先に引っかかっていたのは、青い瞳に青い服、青い髪の毛に青い尾といったいでたちの、青ずくめの特徴のある幼女。
「りゅー?」
 ・・・だが、オレの知らないもえもんだった。
「あらマスター、ミニリュウを釣上げたんですこと?」
いつの間にかケンカを止めていたギャロップとペルシアンがなんだなんだ釣ったのかとやってくる。
ミニリュウ、とはこのりゅー、と鳴く小さな幼女のことなのだろうか。
「知っているのか雷電!?」
「えぇ、今はこんな小さななりですがドラゴンの一種。育て上げればきっとマスターの頼もしい戦力になってくれるはずですわ」
するーされた。
 が、聞くところによるとこの幼女は伝説のドラゴンポケモンの幼生で、脱皮を繰り返してどんどん強くなっていくそうだ。
しかし・・・
「りゅー」
こんな事を言っては失礼だが、とてもではないが頼りなさげにりゅーと鳴く幼女が、そんなに強いもえもんのようには見えない。 
そんな伝説のポケモンの一種が、何でこんなセキチクの川に?
つーか、だっぴすんのかこの幼女?
 いろいろ気になる事もあるのだが、ふいにとある考えが思いついた。
 ・・・・・・脱皮する。ひょっとしたら・・・
「そうだ!こいつなら!」
仲間達は突如として大声を上げたオレをいぶかしんで見ているが、オレは-自画自賛だが-閃いた作戦が妙案過ぎてそれどころではない。
「いける、こいつならいけるぞ!!」
この幼女なら、セキチクジムのリーダーを倒せるかもしれない!!くっくっく。
「りゅー?」
ふっふっふ、と声を出さずに笑うオレを、ミニリュウと仲間達はいつまでもそろって<?>マークを浮かべて見ていた。。














ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー翌日ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そこにはキョウから巻き上げた戦利金でホクホクと食事にありつく一行の姿が!

キョウ「もうだっぴ持ちに状態異常なんてしかけないよ」

レッド「もしあの時ミニリュウに出会わずにいたらと思うと今でもゾッとするよ」

「ペルシアン、マスターは誰にしゃべっているのかしら?」
「モニターの前の神様じゃないかしらん? ねぇサンドちゃん」
「わ、私には分かりませんっ」


ミニリュウ+技マシン45=だっぴ+でんじは+メロメロ=(゚Д゚)ウマー
相手が大人で、しかも経営者(ジムの)だったこともあり、十二分な賞金を得たオレ達は、ひと時の休息を取った後また次の目的地へと歩き出していた。
と、その前にやることがある。
「ミニリュウ、オレ達が今こうやってキングラーを食べないでいるのもお前のおかげだぜっ! ありがとな」
 そう言ってオレは今回最大の功労者の頭を撫でる。
 透き通るような青い髪は、なぜかひんやりして心地よかった。
 そんな彼女は嬉しそうに目を伏せ、満面の笑みを浮かべると、ちょうどオレの顔がある方を見上げ、
「ますたー」
 しゃべった!?
いや、しゃべれないと思ってた訳ではないんだけどさ、
「ど、どうしたミニリュウ?」
ミニリュウが喋ったことに驚きつつも彼女に問い返す。
「ますたー、あたしのこと何回も脱皮させた」
え?
「う、うん。そうだね」
「えっち」

ぐさっ   

そんなふうに思われたのかぁっ! ていうか脱皮ってエッチなことなのか!!
「あ、いや、それは・・・」
しどろもどろになりながらもオレは弁明しようとする、
が、ミニリュウの追撃は止まない。
「えっち、へんたい、ろりーたこんぷれっくす」
「・・・・・・・う」
「えっちばか」
「えっちでわるいかー!、うわぁあああああぁんっ!!」


「ああっ、マスターが逃げ出してしまった! ボール、ボール!捕まえないと!こうそくいどう!」
「ああいうので傷つくってことは、ちょっとは自覚あるってことなのかしらん。・・・・・・お色気が通じないのはそのせいかしら」
「私がもう進化できるのに一向に進化させてもらえないのって、それが理由なんですかね・・・」
 情けない姿を見せる彼女たちの主人に三者三様の感想を述べる三人。
そして、
「ふふっ、ますたーはあたしの嫁。せっかくであえたんだ、もうにがさない・・・・・・りゅー」
ミニリュウが最後に見せた笑みは、誰も見ていなかった。









「っていうかご主人様ぁ、わざわざ強いジムリーダーに挑まなくても、その辺のトレーナーと戦いまくれば十分稼げたんじゃないかしらぁ?」
「あ」

ー終わってくださいー
ツールボックス

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